肉体の悪魔 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102094020

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物を全員張り倒してやりたい・・・この話をここまで高潔な文章で静謐に綴った著者が本当にすごい。
    しかも、内容がすべて主人公の少年の回想と独白というスタイルなので「相手が本当はどう思ってたのか」とか「本当のところはどうだったのか」とかが曖昧で何度も読んで色々考えるのも面白い。本当に主人公との子どもだったのか?それとも夫?彼女は最後に読んだのは主人公の名前?それとも子供の名前?
    それにしても、妊娠後期の女性を極寒の雨の中歩き回らせる主人公を本当に張り倒したい。それ以降彼女は体調を崩し、産後の肥立ちも悪くそのすぐ後に亡くなるので主人公のせいで彼女は亡くなっているのでは。だけどそれを、彼女は望んでたのかもしれない。

  • 読みやすい小説だった。内容は特にないというか、今だと「それが?」という感じになる内容なのだが、フランスの金髪美少年の話だと思うと楽しく読める。あと著者の名前がラディゲで、ラスボスぽくてカッコ良い。

  • 35年前の夏、この本を読んだのだった。

  •  著者が16~18歳の頃に書いた小説だと聞いたけど、とてもそうとは思えないほどに冷静な筆致だと感じた。10代は恋に恋する傾向の強い年頃だと思うけど、そうして恋に溺れたり愛情ゆえにエゴイスティックな気持ちが生まれたりすることまでをもとても冷静に観察し、克明に描いているところが印象的で面白かった。そして残酷で皮肉がきいていて驚きのラストが良くも悪くも魅力的で鳥肌がたって好き。

  • 再読。大人になりきってない、エゴイズムの少年の恋愛は痛々しいものがある。
    あんな気持ち忘れてしまったけど、小心者の感情は自分にもあるな、って共感。

  • 人間の行動の裏にある心理を恥ずかしいほど詳細に描ききっ主人公とヒロイン下っっっ衆ぅ!!!!!!

  • 落ちてはならない恋に落ちてしまったことへの主人公の後悔がひしひしと伝わってくる。と同時に彼に嫌悪感を抱いてしまうのは、きっと作者の描写が優れているから。僕がこんな恋に落ちてしまったのは戦時中の不気味な雰囲気が影響しているのだ、と冒頭であるけれども、確かに作品全体に明るい雰囲気は漂っていない。薄暗い。
    いつの時代も人は背徳的な恋物語を読みたがるのでしょうか。

  • 翻訳のせいなのか、言葉がぎこちなくてイライラした。
    少年から青年になりかけている男が人妻と不倫する話。
    恋愛中の支離滅裂な心理をよく描けているが、それ以上の感想は特になし。
    今一つピンとこない本だった。

  • 最高傑作

  • 切ない幕切れに思わず声が漏れた。自分勝手に暴走する主人公は若さゆえって感じなのかもしれないけど、結局は人妻に遊ばれちゃったんじゃないかとも思ってしまう。夫は全てをわかってて妻を許し受け入れていたのかなーとも思ったり。しかし、この処女作を弱冠16歳で書き上げ病で20歳という若さで夭折したという事実に驚愕。2012/176

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