ティファニーで朝食を (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102095089

感想・レビュー・書評

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  • はあん。各話それぞれ最後が意外な展開!

    村上春樹が訳のせいかもしれないが美しい宝石みたいなお話に仕上がっていた。(勿論カポーティの原作だが)

    いやあ、はあん、ですよ。ヘミングウェイよりいいかもしれんぞよ。

    しかも妙にしんみりしてしまうのはマジックですな

  • Breakfast at Tiffany's(1958年、米)。
    時代を感じさせないというか、むしろ現代にこそ相応しいような、人格障害すれすれのヒロイン。その思想に共感することはできなかったが、「空を見上げている方が、空の上で暮らすよりはずっといい」というくだりで、彼女に愛おしさを覚えた。他人からは鳥のように自由に見える彼女が言うから、意味のある科白。心のままに生きるというより、心のままにしか生きられない人間が言うから、切なく胸を打つ言葉だ。彼女の自由は安息と引き換えで、疲労することは許されない。力尽きたら、それで終わりだ。そんな危うさを内包する女性を、悲劇のヒロインにしたてるのではなく、名もない「ぼく」の思い出として、淡く美しくまとめ上げている所に、この物語の魅力があると感じた。

  • 翻訳本が難しいのか,村上春樹が難しいのか,,なかなか入り込めなかった。ホリー・ゴライトリーを演じたオードリーヘップバーンが想像できないな

  • あまりにも有名なのでタイトルは知っていて、オードリーヘップバーン主演の映画があることも知っていたが原作は読んだことがなかったので読んでみた。
    訳者あとがきにホリー・ゴライトリーはオードリーヘップバーンの人物像とかけ離れており、カポーティは不快感を表したと書いてあって驚いた。

    「クリスマスの思い出」が特に良かった。
    情景が目に浮かぶ、綺麗で澄んだ文章だった。
    これから毎年11月末になったら思い出すと思う。
    フルーツケーキの季節が来たよ!

    古典なので若干の読みづらさはあるが、読みやすい方だと思う。

  • ティファニーで朝食を
    題名に惹きつけられ読んでみた。1938年くらいのニューヨークが舞台で売れない小説家の主人公と綺麗な容貌で男を魅了する駆け出し女優のホーリーが主な登場人物で話が進む。全体として何が言いたいのかはよくわからなかったが読みやすくはあった。ホーリーがマフィアの連絡係として捕まったとき結婚する予定だったホセが彼女を助けずすぐ逃げ出しそれに憤慨するホーリー、主人公とホーリーが乗馬をして主人公の馬が暴走するのをホーリーが助ける場面が印象的。

    花盛りの家
    人気のあった娼婦のオティリーがロワイヤルという若者と恋に落ちた話。田舎に住むことになったオティリーはロワイヤルの祖母であるボナパルトから嫌がらせをされたり、ロワイヤルが木に縛ったりしてもロワイヤルのことが好きで許してしまう。木に縛られたオティリーは娼婦時代の同僚に助けられ元の街に戻るよう言われるも残ることを選択した。恋ってここまで盲目なのか。

    クリスマスの思い出
    いとこ同士である少年とおばあさんの話。二人は毎年クリスマスの時期になると知り合いに向けてケーキを作ったり、お互いにプレゼントを作ったりする仲。年は離れていてもお互い気心知れた友人で最後のシーンでおばあさんが死んだのち少年が凧を探すのはグッときた。老いた犬の存在もよかった。

  • 自分のエゴをしっかりと引き連れていたいわけ

    正直にいれば善いことがおきる
    癌はあなたを殺すかもしれないけど
    不正直さは間違いなくあなたを殺す
    友達を警察に売らないためなら太っちょの警官に連れていかれたっていい

    野生の動物に愛を注いではいけない
    いつか元気になって木に登り空を飛ぶ
    空を飛んだ私を見ることになる
    でも地上のほうがまし。空には何もないまやかし。

    ホリーのような、あけみのような、マリアンのような、エゴのある、空を飛ぶ、女性に憧れる

  • このお話が出版されたのが1950年代、村上春樹さんは高校生の頃に英語で読んだとの事だったから、1970年代くらいでしょう。

    当時と2023年現在では、ホリー・ゴライトリーが特別に魅力的かどうかの判断はかなり変わるのではないだろうか。

    現代では、彼女のような人間は少なくないと私には思える。
    性的開放性や万引きやなんかの具体的なところは違うとしても、イノセンスと感じられる部分については、そんなに珍しいものではなくなっていると思う。
    最近のジェンダー的な観点も、素直に読むのを邪魔してしまう気がする。

    「ちょっとした古典」ということを念頭に置いて、村上春樹さんが溜息をつくほどの上手な文章を楽しむべきなのかもしれません。

  • 映画があまりにも有名な表題作の中編1つに加え、
    短編3つからなる作品。
    あとがきで、訳者の村上春樹氏が述べられているとおり、「ちょっとした古典」という表現がしっくりくる。どの話も、少々儚さがある終わり方をする。
    性格に難ありで天真爛漫なホリーゴライトリーのような美女が近くにいたら、惹かれてしまう男子は、現代でも変わらず少なくないのではと思いました。

  • オードリー・ヘプバーンの映画は観たことがなかったが、主演のイメージから可愛らしいラブストーリーを期待していた。しかし読み始めると、生きることに必死な当時の女性の生活を赤裸々に描かれており、イメージとのギャップにとても衝撃を受けた。主人公の女性に共感は出来ないが、このような生き方しかできない人たちは時代が変わった今でもいるのだろう。

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