嵐が丘 下 (新潮文庫 フ 5-2)

  • 47人登録
  • 3.43評価
    • (2)
    • (7)
    • (11)
    • (0)
    • (1)
  • 9レビュー
著者 : E.ブロンテ
制作 : 田中 西二郎 
  • 新潮社 (1953年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102097021

嵐が丘 下 (新潮文庫 フ 5-2)の感想・レビュー・書評

  •  私の読書傾向を決めた一冊です。恋愛小説であり、復讐劇であり、悲劇であり、非常に読み応えのある作品で、英語文学の三大悲劇の一つともいわれています。

     大きく分けて二部仕立てになっており、一部はヒースクリフとキャサリンがともに過ごし、別れ、再会し、キャサリンが亡くなるまで。二部はキャサリンの死後、ヒースクリフが復讐のために画策し、自身の息子リントン・ヒースクリフやキャサリンの娘の二代目キャサリンを利用してアーンショー家、リントン家の全てを奪い、キャサリンと死後も一緒にいることを思いながら恍惚と死ぬまで。読み手はこの小説を読むことで、すさまじい風鳴り、豪雨、家の柱が軋む音、まさしく「嵐」のなかに身をおくことになります。

     正直なところ、登場人物に一言言いたい、「お前ら全員ちょっと落ち着け」と。全員が全員、ヒステリックで偏屈で自分勝手。エドガーはわりとまともな性格をしていますが、キャサリンがすさまじい。ヒースクリフを自身の一部と考えていて、しかしヒースクリフと結婚すると裕福な生活が続けられないからエドガーと結婚する。でもヒースクリフは彼女の一部なのだから、エドガーはヒースクリフも受け入れなければならない。ヒースクリフはヒースクリフでこれに負けないぐらい無茶をします。あとリントン・ヒースクリフの虚弱ぶりにも腹が立ちました。

     でもこの作品好きなんですよ。リアリズムで読むと欠点や気に入らない箇所はいくらでもありますけど、そういうものをすっ飛ばして読み手の根幹にあるものを揺さぶる力があります。新訳の評判も良いようですので、そちらも読んでみたいと思っています。

  • 上巻よりは穏やかだったがするする読めた。

  • 上巻がやたらに暗かった割に、終盤になるにつれて徐々にではあるものの世界観が明るくなっていったような印象を受けました。かといって、登場人物のほぼすべてが悲劇的な結末を迎えることには変わりがないのですが。

    ヒースクリフの最期を見ると、彼すら本当は不幸ではなかったのではないか、と思えてしまいます。そして、彼の愛情は相当に歪んではいたものの、それはそれで一つの愛の形だったのではないか、とも思えます。

    何はともあれ、上巻の最後の時点ではかなり気の滅入る作品だと思ってましたが、結末まで読んでみて印象がずいぶん変わりました。全体を通じて読んでみないと、やはりその作品の真髄は分かりませんね。

  • 18世紀後半イギリス。愛憎悲劇。

  • (1999.08.17読了)(拝借)

    ☆関連図書(既読)
    「嵐が丘(上)」エミリ・ブロンテ著・田中西二郎訳、新潮文庫、1953.12.25

  • ヒースクリフとの愛憎の末にこの世を去ったキャサリン。彼女と同じ名を授けられた忘れ形見の女の子は成長していき、そして新たな嵐が巻き起こる…。あくまで語られるのは限られた世界のみで、それゆえに存在している歪みの大きさが凄まじいです。内面的な天国を見つけ、そちらに行ってしまった二人は幸福だったと思いたいです。ラストの寂しさは美しく印象的でした。読み終わったタイトルの意味に改めて思いを馳せた一冊でした。

  • 読了するまでにかなり時間がかかってしまった。この物語の閉塞な舞台、互いに理解し合えないず曲解ばかありする人々、終わらない憎悪、読むのがシンドクなったからである。しかし、どうしても手に取らずにはいられず、ああなんで互いにもっと歩みあわないのか!などと人間関係に突っ込みを入れつつ読み進めた。ラストはキャシー達は言わすもがな、ヒースクリフも幸福だったのではないか(あれだけ悪事をしておいて変な見方だが)。理解外の恐るべき情愛を見せつけられた貴重な読書時間だった。次は一気に読んでしまおう、きっと印象が違うから。

  • 三年後、莫大な富を得て“嵐が丘”に帰ったヒースクリフは、かつて、自分を虐待した人々に対して冷酷で執拗な復讐を開始する。ついに“嵐が丘”とリントン家の土地屋敷を手中に収めた彼は、今は亡き恋人キャサリンの幻を追い続けながら、恍惚として死ぬ……。失恋によって悪鬼と化したヒースクリフの生涯を、家政婦ネリーを語り手に描き、世界文学史上に不朽の名をとどめる名作。

全9件中 1 - 9件を表示

嵐が丘 下 (新潮文庫 フ 5-2)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

嵐が丘 下 (新潮文庫 フ 5-2)の文庫

ツイートする