大地 (4) (新潮文庫)

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制作 : 新居 格 
  • 新潮社 (1954年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102099049

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大地 (4) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 中国は、やっぱり人治国家なんだなあと思う。

  • 大河ドラマ的な三世代にわたる中国の一族の物語。第一部の王龍は大地というタイトルそのままに大地を耕し大地に根を張り一族の礎を築く。女によろめく人間臭さも魅力にさえなる。その息子で一番目立たなかった三男の王虎は力による出世を追い求め地方軍属にのし上がるが、時代の変わり目についていけず息子の王淵はその跡を継ぐ事は望まない。王淵は沿岸の都会でトラブルに巻き込まれなし崩し的にアメリカに留学する。アメリカの生活は彼を変えようとするが彼は自分の中の祖国に目覚める。祖国に戻った王淵は辛亥革命後から共産党の躍進の時代に祖国の役に立とうとする。その傍らに立つのは中国人としての芯をしっかりと持ちつつ新しい時代を自らの手で掴みとる心持のしっかりとした美齢だった。

    とても面白く読めた。登場人物の個性がはっきりしながら時代の移り変わりに翻弄され、ていくこの時代の中国の人々の一面がよく描かれている。最後に単純に大地に帰って農業に戻るという安直さでは無く、そこに住む人や文化も含めた大地との向き合いというところが印象的。

  •  王龍からはじまる王家の長い歴史は、息子王虎の長男、王淵の恋が成就したところで終わる。王龍の赤貧時代から地方の富豪に成り上がるまでの前半が面白い。息子王虎が地方の将軍になることで、更なる野望を息子へ託すのだが王淵の生きる新しい時代が到来し、昔から続く生活は激変する。どんな時代が来ても大地は不変である。すべての苦難は大地の上を通るにすぎない。王家の人たちの歴史もまた然り。

  • 時代背景がわかってはいるのだが、はっきりした名前を出さないためにどの部分か少々混乱。新しい都とは南京でしょう。
    でも名前をはっきりさせないところが、童話的な要素を強くさせている。
    やはり面白かったのは最初の方だが、中国人の一家の考え方が勉強になった。
    これで今年の読書終了。ノルマ達成できてよかった。

  • 王淵の自己中心的にも思える感覚にはついていけませんでしたが、世の中が革命という名のもとにどんどん変化していく様は伝わってきました。

  • この時代は中国のいつがモデルなのか、ワイルド・スワンの祖母の話の直前くらいだろうか?
    そこがはっきりしたらもっと流れが見えるのにな。
    最後の最後に出てくる猛のいう「更なる新しい革命」こそが毛の率いる中国共産党なのだろうか。
    それとも、その前の袁世凱のことなのか?
    新首府ってどこ? どこがモデル?

    う~ん、そこだけがもやもや。

    で、正直に言うと、淵と美齢とか、どうでもいい。
    もっと大河の流れで話を進めてほしかったね。

  • 一巻から還り見ると,時代がみるみると進んでいる.
    この歴史の流れを,読んでいるだけで感じることができるような,そんな印象.

    ストーリーとしては,王龍の孫の世代,若者の話.昔は昔で,親に決められた一生で苦労があったが,時代とともに若者は別の苦悩に振り回されている.

  • 王虎の息子、淵が身勝手なことばかり考えて、
    親や周りの人の気持ちを全く考えない、ワガママな人間だと
    読んでいて腹立たしく思うのだが、

    中国特有の気持ちを極端に表現する国民性を差し引いて考えると、
    自分が生きてきた中で、親や周りに対して
    淵と同じように振る舞ってきたのではないかと、思ってしまう。

    自分は常に正しく、周りは間違っている。
    人は誰でも、そう考えてしまう傾向があることを、
    忘れないよう、謙虚に生きたい。

  •  最終巻、王龍の孫特に三男王虎の子供王淵が中心となっている。この4巻目になって「土」からますます遠のきながらも、中国「大地」を広い視野から見ているように思う。一端外国へ飛び出すとその国の良さが見えてきても、時間が経過するにつれ、再び母国を美化していく淵は、今日にでも共通しそう。
    かつての中国の近代化への変化の時期、女性が教育を受け、有職者となり、結婚の自由へと移行するなかでも、やはり変わらぬ中国がある。淵が帰国直後に汽車の中で給仕の布巾の汚さに嫌悪したが、一二年もするうちに辛抱できるほど麻痺してしまう。意識を変えなければならない人口が多すぎる。新政府は太陰暦から太陽暦に新ため新暦の新年祝賀を命令したが群衆は動かない。日本は新暦正月だが、中国は今でも旧暦正月、こんなことからも文革といった極端なことをしない限り、中国は変わらない国なんだと理解できる。
     淵の愛する美齢こそこれからの時代を生きていく中国人の象徴のように思えた。
     全編にわたって中国の家族観がわかった。4編目になるとパールバックの生きた時代とかさなるからなのか、勢いがなくなってきたように感じた。

  • 第二部と第三部の評価をここで。

    第二部は三男である王虎を中心に物語が進むが、彼のキャラクター設定的に彼の父親ほどの牽引力がない。
    また、当時の散在した軍閥と中央政府と無法者である盗賊たちの全体観がいまいちはっきりとしない。これは作者が王虎に作品を集中させたい思惑からだと思うが、第一部で王龍を描けば農民と町の富豪というある北方の町の生活全体を描けたのに対して、本部ではそのようにいかない。
    なんとなく散漫なまま、第三部への導入としてあるという印象なのだ。

    第三部は革命と、西洋文明との邂逅である。
    革命はまだしも、この西洋文明との邂逅の描き方に多くの中国人は怒るに違いない。なぜなら主人公は過剰にプライドを守り、自己防衛してしか西洋文明を捉えられないからだ。自分が知らぬ中国の貧困を指摘されては妄言だと激怒し、人種的な概念を乗り越えられずつねにびくびくしている。

    そんな憤りがさった後に、私たちは苦笑いする。
    彼の過剰な反応の中に自分も持っている一端を見出すのだ。そこまで過激でないにしても、途上国である中国を蔑ずまれるのに対して敏感な中国人はいくらでもいるし、その反応は他国より屈折しているとわれながら思う。プライドとコンプレックスのカオスだ。

    更にきっと多くの中国人読者を怒らせるのは、主人公の革命と伝統のどっちつかずでいながら、甘えた精神状態だ。借金をして軍閥をぼろぼろにしてまで、自分の命を救って西洋の大学にやって老父に主人公は相変わらず怒りと不満をぶつける。借金取立て伝承ということを、あくまで古い世代のものだと位置づけながら、当然のように祖父の家には居座る。
    これは現代の多くの中国人移民には理解できないだろうし、あまりにも幼稚な議論だとしか思えない。でもきっと、作者はそのような片鱗を多くの中国人の中に見出したのだろう。それは受け止めなければならない。

    「僕は古い時代と新しい時代の真ん中にいるのだ」、そう自分を決定付ける主人公が印象に残る。そのように、自分の軸が定まらず、新旧時代の変革の波の中で自分を探し続けた若者は大量にいるのだろう。

  •  淵は土地や父、何もかも失った。しかし、残ったものが一つある。それは恋焦がれていた女性である。
     今回の「大地」という作品から感じ取ったことが一つある。それは土地や名誉よりも大切なものは人とのつながりという確信である。淵は学問や革命に傾斜したが、彼の精神を耕したものは何一つなかった。加えて、父の危機により土地や財産、何もかもを失った。しかし、失ったものと引き換えに淵は長年探し求めていたを見つけることができた。それは「愛」という名の人とのつながりである。淵は再び歩き出す「愛」と共に!

  • 1~4、もう一度読んでみたい作品

  • 「中国的な家族」がよく分かる古典的名著。

  • 結局どんな人生でも全てを受け入れて進んでいかなければならない。
    人によって異なるけれど
    それぞれの心の中にしかその進む道はない。
    いい人生を送らせてもらっています。

  • 「読書力」おすすめリスト
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    →1巻だけでも面白い

  • ようやく読み終わりました!
    最終巻は王家の3代目・淵が主人公。
    もうこの淵が冴えない冴えない。
    まじめで良い奴なんですが、急に癇癪おこしたり悲しくなってみたり……
    告白もお母さんからだったり……

    なんですが、『大地』はそういった登場人物だけに注目するのではなく、時代や環境を読む本な気がしました。
    主人公の淵が不安定なのも、「イエ」を重んじるの社会から、急激に「個人」を重要視する社会に変わっていく過程で、自分を持て余していたからなのかも……と読めます。

    一番興味深ったのは、1巻で土地の話から始まって、最終巻残り数ページでやっぱり土地の話に戻るところ。
    どんなに土から離れた生活をしていても、根源的にはやっぱり帰るところなんだなぁと。
    うん、読めて良かったと思います。

    難点を挙げるとしたら、文庫本の後ろの粗筋。
    最初っから最後まで書いちゃってます。
    4巻は「~~で、この物語は終わる」って書いちゃってます。
    で、読んでみたら、まさにその通り。
    新潮の編集者、この数行によくこの長い話をまとめて凄いなと思うと同時に、何でこんな余計なことを……とも思いました。

  • 王龍から始まった3代記が完結。

    父親への反発から革命に参加し逮捕された王淵は、その父親の助けで牢獄から脱出し渡米。自分にとっての祖国とはなんなのか、自分はなにものなのか、悩む王淵の人生が繰り広げられる。

    王龍・王虎と比べて王淵には青臭い動機とか行動が目立つけど、それが近代化する世界に戸惑う等身大の青年らしいといえばらしい。

  • 文庫本4巻を読み終えました。 主人公の王龍と三人の息子、そして孫の王淵と3代に渡る一家の物語です。 1巻めの感想は以前に書きましたが、貧しい農民から一代で富を築きあげた父の末路は案の定みじめなものとなりました。孫の王淵は世の中の矛盾に悩み、一時は革命運動に巻き込まれ命の危険にさらされながらも、大地に根づいて生きた祖父の血筋に目覚めてゆくのでした。 最後は新しい時代の始まりを予感させる場面が登場します。
    震災後の混乱している日本の姿も長い歴史の中で振り返れば、ここに登場する名もなき人たちの生きざまと同調するのだと気づかされます。
    ここに書かれたこの時代の中国の人々、常に戦が絶えない時代、作物の収穫は常に天候に左右される時代です。それは日本でも同じようであったでしょう。
    こんな記述がありました。 ・・住民たちはせっせと破壊されたあとの再建につとめた。・・そして再建と 復旧のことばかり話している。過ぎたことは過ぎたことなのだ。天の定めは 誰にだって降りかかってくるからどうにもならないのだ。・・・
    いつの世にも苦難を前に立ち上がる名もなき市井の人々がいて、私たちの今を支えているんですねえ。

  • 入院時に久しぶりに読んでみたくなって再読。この本を読むと負けてはいけないな〜と思わせてくれる。他にも女性の選び方、男として生きるという事、お金は大切に大事に使う事、大局を見る事。色々と感じる事が出来る名作!ノーベル文学賞作品!

  • 読んでいるとだんだん器用に振舞えない王淵が自分と重なってきて、いたたまれなかった。
    最後はものすごくロマンチックに終った。

  • 六年間の留学を終えて故国に帰った王淵の前に、美しく聡明な美齢という女性が現れる。彼女は、王淵の義母が自堕落な自分の娘の代わりに引き取って育てた孤児で、医学校に通っていた。恋に落ちた二人の前途に、新しい中国を担う若い世代の前向きな明るい未来を象徴させてこの物語は終わる──。

    この小説の根底には一貫して一人ひとりの人間に壮大なドラマがあって、中国と深い関わりを持つ作者の透徹した洞察力と知識が大いに活用されてそのドラマが見事に浮き上がっていることに、舌を巻いた。
    中国が変わろうとする、まさに複雑なその時代に生きた王淵たちの生涯を描くことで、当時の中国の状況をわずかながら知ることができるのではないだろうか。

  • 最終巻読了。アメリカに渡った淵のゆれ動く心に時には共感し時には呆れ、時には驚きました。躁鬱が極端で思い込みが激しい。だけど大地と歴史はすべてを飲み込み受け入れる。色んな意味で強い物語でした。

  • 長い道のりでした。ようやく読み終わった・・・という感じです。世代がかわり話の中心人物がかわるたびに,共に激動の中国を旅している感じでした。

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