武器よさらば (新潮文庫 ヘ 2-3)

  • 新潮社
3.38
  • (14)
  • (33)
  • (91)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 532
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100035

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・「国を支配してる階級は、とんまで、何もわかっちゃいないんだ。何一つわかっちゃいない。だから、こんな戦争をやってるんだ」
    この考え方が古今東西万国共通で民草にあるの、あまりにもinterestだ。
    ・本文にある「上等な塹壕」がめちゃくちゃ知りたい、どういうものが普通の塹壕でどう違うと上等になるんだろう。立地?形状?深さ?全く分からない、知りたすぎる。

  • 原文で読みたかった。 最初と最後を精読

  • ヘミングウェイに興味を持った時、海流のなかの島々と武器よさらばを買い、海流のなかの島々から読み始めてあまりハマらなかった。
    少し時間が経ったので武器よさらばを読んでみるかと思って読んだらあまりの面白さに3日ほどで読んでしまった。

    痛々しいほど細かい戦争の描写や抽象的でいるが想像しやすい恋愛描写の対比(と言うべきかは不明)があまり読んだことのない作風で面白かった。(怪我をした時の描写が鮮明すぎて自分も痛い気がした)

    戦争の経験なんてまるでないが戦地での同僚、休暇中、ありとあらゆる会話や情景描写が日常的に感じ、ただ何でもない男の人生、という感じが非常に物語を盛り立てていると感じた。

    細かい土地の名前やアメリカンジョーク(イタリアンジョーク?)はこ難しかったがまああまり気にしなくても問題ない気がする(なにより翻訳者の解説が素晴らしいので読むとより理解できる)

    ヘミングウェイの作風がなんとなく理解出来たので改めて海流のなかの島々も読んでみようと思う

  • 老人と海、に続いてヘミングウェイ2作目。

    ところどころで、戦争の話やイタリアの土地の話が続くと、理解できないことが多くて、体力が必要だった。

    この本の背表紙に物語の結末までネタバレされている。だから最後の展開がどうなるのかは知っているのだけど、フレデリックの祈りのシーンでは、読者も祈らずにはいられないほどの切実さがあった。この物語の世界に生きているひとりの人間がいると感じた。
    子どもが産まれてきてはふたりの時間がなくなる、と、病院へ入るまでふたりで寄り添って一緒に過ごしていた時間が、物語が終わってしまえば、キャサリンとの最期の幸せなひと時になってしまったのだ。

    誰かの書評で、酒を飲んだりご飯を食べているシーンが多い、とあったのだけれども、私もそう感じた。食べることは生きること、戦争という死と隣あわせの極限状態でもフレデリックは食べることをやめないし、妻であるキャサリンが死ぬかもしれないと思い始めたときもカフェで軽食を食べている。ありありと描かれる生だ。

    地図を見ながらもう一度読んでみたいな。土地勘が全くないものだから、読んでいる途中でどこに向かっているのか、全く分からなくなった。ううむ。

  • 最後があっけないのに強烈。

  • 一度別訳を手にとって50頁ほどで挫折したのが、訳を変えたら面白いほどするすると読み進み結構分厚かったのに2時間ちょっとで読み終えてしまった。ゴリゴリの戦争小説と思いきや恋愛と半々ぐらいで驚き。キャスは鬱陶しいほど女々しかったけど男性はあぁいう女が好きなのだろうか…?妊娠してるのに平気でお酒飲んだりするし…どうなんだろう。最後はさすがに悲しかったけど…ヘミングウェイはまだ2冊目ですが、なんかあまり掴めないところがあり、でもその掴めないところに私の理解できてない男心があるのかな、なんて考える。

  • 同氏の長編小説の中で、超有名な作品の一つです。

  • 恋人と生きるために戦場から脱走し、ドイツからスイスまで逃げる。
    死と隣合わせの中。必死に生き延びる。
    主人公は、爆風により負傷し病院に入院するなどの状態になるが回復する。
    キャサリンと子供は出産時にともに死んでしまう。
    悲しい話。
    最後に妻と子供がなくなる場面がとても切ない

  • キャサリンが悪いわけではないが、
    (むしろ空気が読める良い女性だと思う)
    キャサリンがいない場面の方が面白いと感じた。

    戦時中の緊迫感をジョークを交えてやりとり。
    男の虚栄心というか。
    (またそれが男のすべてであったりする)

    キャサリンがいる場面は他愛ないヤリトリが行われる場面であって、
    基本的になんの起伏もない日常の描写になっている。
    他人の単純な幸せは他者にとってはつまらないものなんだろう。

    中盤の戦火の中での主人公ヘンリー視点の描写を楽しみつつ。
    結末は圧倒的な虚無感に転身する。

    【そのお話はどれだけ優しい物語か?】

    キャサリンは誰のために死んだか?
    キャサリンを生かしますか?死なせますか?
    この命題の投げかけを受けた。

    今そこにいてくれる大事な人を大切にしてくれよ。と。
    粗暴だけれども。そういったメッセージを感じた。

    戯曲仕立てでない訴えがあった。

  • 内容の詳細は忘れた。
    第一次大戦の最中、至極一般的主人公(衛生兵)が看護婦と恋愛をしていく。戦争の下らなさからスイスへ看護婦と旅立つが、妊娠した看護婦は帝王切開の手術の末死んでしまう。そんな感じで終わった。
    ヘミングウェイの本では、戦争関係の描写が多いが、俺はそういった点に感情移入が出来ない。良い小説は後世まで残るものだが、時が経ればそれだけ、理解出来ない部分も出てくるものなのだろう。
    しかし、なぜだかヘミングウェイの情景描写は好きなんだよな〜。翻訳文が上手く俺の琴線に触れているのだろうか。

全36件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アーネスト・ヘミングウェイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ウィリアム・ゴー...
サン=テグジュペ...
フランツ・カフカ
村上 春樹
ヘミングウェイ
ドストエフスキー
ヘルマン ヘッセ
ドストエフスキー
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×