老人と海 (新潮文庫)

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制作 : 福田 恆存 
  • 新潮社 (2003年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100042

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老人と海 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 原題:The Old Man and the Sea(1952年、米)
    ---------------------------
    ハードボイルドとか男のロマンとかは、私にはよく分からないが、とりあえず、このお爺さんはいい男だ。ぎらつくような闘争心。「強い奴が、偉いんだ」という単純明快な論理。深みがないと言われればそれまでだが、ここまで徹底すれば、いっそ清々しくて天晴れだ。「難しいことは分からんが、とりあえず俺は勝つ」みたいなシンプルな性格には愛嬌すら感じる。

  •  まず、よく言われるように文体がすごい。短く切れる文体の、スピード感がすごい。歌でも何でもそうだけれど、完結したフレーズを矢継ぎ早に投げつけられるというのは、フレーズ一つ一つのインパクトを高めつつ、全体のスピードを上げる。
     もう一つすごいのは、肉体的な描写のリアリティで、これも文体を短く切り、外面的事実の描写に徹したことによるものなんだろうけれど、それにしても、この描写には、ウッときてしまう。内面描写を排すると、まず言動に対して感情移入することが求められそうだけれど、実は肉体に対しても感情移入は可能なわけで、この小説はハードボイルドの文体がそのように機能している部分が多いように感じます。
     肉体に対する感情移入、精神的でないものに対する感情移入はもう一つ、意味以前のレベルでの知覚を可能にする効果もあるのかもしれません。自然の描写なども、たとえば内面を描こうとすると、そのフィルターによって意味づけの与えられた自然として描かれざるを得ないところがありますが、その多くが肉体のアナロジーによって知覚されるという文体を取れば、自然はただありのままにあるだけになる。実際に感覚として、すごく自然であって、特に自然だなあと思うのは、時間の圧縮感覚、これが肉体的にすごくしっくりくる感覚のような気がする。魚がつれるまでの退屈さ、そしてサメに襲われたところからの勢い。サメに襲われりゃ自然と行動も増えるよね、ってなわけで展開のスピードが上がるのは当たり前なんだけど、その当たり前に完全に依存して、下手に手を加えていない、つまり、盛り上げるような描写上の工夫があまり見られない、そんな感じがするところが、すごいなあ、と思う。
     あとは最後、あの報われなさは、普通に書けば不条理に悩まされる主人公、という風にならざるを得ないところがあるように思うのですが、外面だけ、というのがそれを回避しているように思います。どういうことかというと、外面だけの描写には人間が極力前景化しない効果もあるはずで、ならばその中で自然と闘う人間の姿が、かえって感動的に思えてくる、というところもあるはずではないか、と思うのです。だからこそ、不条理であっても確かに闘った、という姿が説得力を持って迫ってきて、ただの不条理にはならない。この文体にはそうした効果も、あるような気がします。
     と、もう描写と文体の話しかしてないけれど、この作品の核は描写と文体にある、あるいは、描写と文体にしかない、そんな気がするのです。話なんて、漁に出て、マグロ捕って、帰りにサメに襲われて、全部食い尽くされちゃって、ちくしょう、これで終わり。あっさりしたものです。だけど、それが面白い、というころがこの作品の強みであるし、それはなぜ面白いかといえば、やっぱり文体と描写が面白いからだと思います。
     好きです。
     これから、著作を追います(なんか、こんなのばっかりですね……)。

  • 細かな語りが乾いた雰囲気を上手く醸成していて、ねっとり引き込まれる作品。情況の静と動とともに人生の静と動が描写され、自然の中で生きる人間の営みを深い洞察で作品にした。最後は穏やかな虚無感にいくばくながら浸ることができる。

  • 新潮文庫の装丁が好きなので、この機会にと思って買ってみた。

    この淡々とした語り口、つらつらと行動だけを書き連ねることによって心理を予想させるやりかた・・は・・個人的には合わなかった。
    老いた猟師サンチャゴが大きな魚を追って海に出て攻防戦をくりひろげるのが大半の内容。
    文章の一つ一つが詩的であるとか表現力に富んでいるということもないように思ったので、はっきり言って地の文を読むのが苦痛だった。
    「早く終わらないかな」と思いながら読んでいた。

    でも、読み終わってみると、なぜか時間が経つほどに思い出される。
    「こんなに誇り高い魚と、それを食う人間の価値は本当に等しいのか?」というサンチャゴの独白。
    英雄的に描かれてはいても、結局は自然に翻弄されるサンチャゴの姿。その中で助け合う少年との絆という、よすが。
    海という自然の象徴物と、そこにどう折り合いをつけていくかを問い、人と人とのかかわりのあり方を問うている気がする。
    それもあくまでも厳しい視点から。
    まあ、二度と読み返すことはないだろうと思う。

  • 作者の事物・自然・動物を観る力が発揮されている作品だと思います。魚を釣り上げた後、帰るまでに鮫に魚のほとんどの部分を食べられてしまいます。自然・動物が棲んでいる海で、作者は、一人の猟師が命がけで漁を行う描写を通じて、人間の宿命を描こうとした様に感じました。自分が自力で手に入れた「魚」を、「鮫」に横取りされて自分のものに出来ない結末。これは作中のサンチャゴや彼と似た人格の人々の宿命だと思います。蛇足ですが、村上さんのねじまき鳥クロニクル・第三部の最後、主人公が「絶対的な悪」を倒した後、そのまま井戸の中で溺れ死にそうになり、仲間に助けられていましたが、現実の社会では、この様な行動をとる人物は、「老人と海」のサンチャゴと同じ結末を迎えると思います。

    作品の最後、旅行者が吊り上げた魚の残骸を見て、鮫と勘違いする場面がありましたが、この場面がある事によって、作品全体を客観的に見せる事が出来ていると思います。現地人が見る現地の風景と、旅行者が見る同じ風景は、違って見えるのでしょう

  • 巻末の解説が結構パンチきいてておもしろかった

  • 梅宮パパさん、松方弘樹さんが、でっかい船に乗ってカジキマグロを釣り上げる!
    って、
    昔テレビでやってませんでした?

    梅宮パパや松方弘樹さんとは違って、ちっちゃい船で網で何日もかけて釣るのよ!
    ほとんとが釣りしてるシーン。

    少年との思い出を振り返りながら釣る。
    たった一人で釣る。
    ケガをしても釣る。
    お腹がすいても釣る。
    途中、
    もうダメって思いながらマリアに祈りながら釣る。

    最後はでっかい魚を銛で突く!

    しかし、
    遠足は帰るまでが遠足です。

    釣ったのはいいが銛で突いたから魚は出血してるんですよ。
    血を流しながら港まで魚を運ぶ老人。
    途中、
    鮫が現れるの!
    サメですよサメです!

    血を流してる魚さんをサメさんが食べちゃうの!
    どん!
    どんどん!
    どーんって食べてっちゃうの!

    港に着いたら魚は釣ってない事になるわけですよ。。。
    しかも、
    老人が何日も帰ってこないから捜索されてたりするわけ。
    傍迷惑な老人ですよ。

    さて、
    老人はまた海にでるのでしょうか?

    その答えは読めば分かる!

  • 巨大な魚と、漁師。
    お互いに一歩も譲らない、海での戦い。

    さすが名作。読ませますねえ。
    部分的に教科書に載ってたので、ずっと気になっていた作品。

    でも、翻訳はちと古すぎるな。
    最初は読みづらい。

  • ものすごい読みやすかった。うすいしね。

    まず題名がいい。「老人と海」。渋い。
    中身も今さらになって読んだらやはり渋い。
    ひたすら魚を追い物理的なシーンとしてはちっとも進まない。そして寝ないわ、食べないわ。ひたすらストイック。
    とてもシンプルな話しで、魚が弱ったり、元気になったり、同じような場面が重なり合うように進む。
    それなのに、それだから、ものすごく心に訴える。
    一週間たつけど読んだ時の衝撃がまだ消えない。そういうところに価値があるんだと思う。

  • サメこわいよ(゜Д゜)

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老人と海 (新潮文庫)の作品紹介

キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく…。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。

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