誰がために鐘は鳴る〈下〉 (新潮文庫)

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制作 : Ernest Hemingway  大久保 康雄 
  • 新潮社 (2007年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100073

誰がために鐘は鳴る〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 巻頭18章のロバートの回想・独白は長かったーw

    アグスティンのキャラ立ちは下巻で冴えるなー
    「淫売」と書いて「じごく」とルビ振るとは。

    戦争というものが持つ根源的な苦しみ、
    味方とは、敵とは。殺しあう者同士がそれぞれ、人間であるという事。
    が、下巻では印象的だった。

    ロバートとマリアのいま、いま、いま。
    そして「いまきみはぼくでもあるんだ。ぼくはきみといっしょなんだ。そこに、ぼくらがふたりともいるんだ」
    やっぱり、ヘミングウェイの中には「女」の部分があると思うなぁ…

  •  やはり緊迫した展開が多くなったせいか上巻よりも楽しめた気がする。相変わらず小難しい印象は変わらなかったが

     おそらく私の理解力が足りないからだろうが理解できない部分が多かった。そのせいで何故橋を爆破しても既に無意味なのか、何故ロバートはしつこく自分に話し掛ける癖があったのかという疑問が残ったままだった。
     しかし、それでもこれが名作と呼ばれる理由が少し見えた気がする。作品の中で徹底されていたのは戦争狂を出さないことではないかと私には思えた。誰もが各々の事情や信念を掲げて戦争に参加している。あのマルティでさえも銃殺狂と呼ばれているが、自分の信ずる行為を貫徹しているつもりなのだ。

     これだけの激しい戦闘であろうとも戦争全体から見れば開戦の端緒にしか過ぎないというロバートの独白が強烈な衝撃を与える。
     本書を更に理解するには更なる知識の追加と、実写映画でどのように描かれているのか確認する必要がある気がした。映画ではあの長いモノローグはどうなっているのだろうか。少々興味が沸いた。

  • 『ゆえに問うなかれ、誰がために鐘は鳴るやと。そは汝がために鳴るなれば』

    いよいよ作戦実行に移るとき敵の動きが予定と違うことに気づき味方に作戦中止要請の文書を送るが時すでに遅く、主人公も仲間たちも戦争の闇に飲み込まれていく…

    人がたくさん死ぬが死ぬ場面など非常にあっさりしている。本来死とはこんなものかもしれない。
    生き延びられないことを悟ったロバートがマリアを逃がす時に『いつか一緒にマドリードにいこうね、2人は一緒だよ』というシーンが切なかった

    ハッピーエンドでは終われず敵にも味方にも大切な誰かがいてそれでも死んでいく。

    戦争は次は誰のために弔いの鐘を鳴らすのだろうか。

  • 名作。スペイン内戦の様子と、その当時の人々の愛の話。

  • (2017.04.16読了)(2006.11.03購入)(1996.07.30・43刷)
    以下読みながら書いたメモです。
    下巻を読み始めました。
    第18章を読み終わりました。
    スペイン各地の状況が書いてありますが、わけがわからなくなってきましたね。
    橋の爆破の実施までたどり着くのでしょうか? 心配になってきました。

    第27章まで読みました。以下ネタバレが入りますけど、お赦しを。
    ロバートの前に一人の騎兵が現れたので、射殺しました。雪道に残った足跡をたどって仲間の騎兵がやってくる恐れがあるので、パブロが騎兵の乗ってきた馬をべつの方向へ連れてゆきました。案の定、何人かの騎兵が現れたのですが、どこかに行ってしまいました。打ち殺すこともできたけど、大勢の軍隊を呼び寄せることになるので隠れて見ているだけにしました。
    ところが、近くの別のグループ(つんぼおやじ)で撃ち合いが始まってしまいました。橋の爆破の後、逃げるための馬が不足していたので、敵陣から奪ってくることになっていたのですが、奪って逃げたときの雪道の足跡をたどって見つかってしまったようです。心情的には、ロバートたちも助けに行きたいところですが、橋の爆破の件があるので、行くことができません。つんぼおやじの率いる部隊は、壊滅しました。
    これでますます橋の爆破は難しくなりました。

    第38章まで読み終わりました。下巻の3分の2ぐらいのところです。
    夜明け頃に橋の爆破に出発という2時間ぐらい前にパブロはロバートがもってきた爆薬などをもって姿をくらましてしまいました。怖くなって逃げたのか、それとも単独で橋の爆破に行ったのか、いずれなのか判断できない状態で読み進めると、何とパブロが数人の加勢してくれる人たちを連れて戻ってきました。読み進めるのが怖いですね。

    読み終わりました。
    ピラールの見立て通りになったというべきか、上巻冒頭の詩の通りになってしまったというべきか。恐れた結末になってしまいました。(結末は書かれないまま終わって仕舞ったのですが)
    パブロは、したたかですね、何でもやってしまうという感じですかね。ちょっと理解不能です。
    ピラールの方なら信頼できるし、頼りがいもある感じですけど。
    戦争について、その実態を描いた傑作なのかもしれません。

    マリアの未来についてですが、都合の良いストーリーを想像すれば、ロバートは、気を失っていたところを助けられて、手術が行われ、びっこにはなったけど、元気になっていったんアメリカに帰るのですが、戦争が収まってからスペインに渡り、マリアを探し出して、アメリカに連れて帰り幸せに暮らした、ということにします。

    戦争について、考えると、殺されるかもしれないという恐怖を感じながら、場合によっては人を殺すことになる、という現実があります。この本では、そのあたりが、割と生々しく描かれています。戦争を現場で経験すると、尋常な精神でいることは難しいということは、ベトナム戦争のころから報じられてきたところです。
    先日の、日経新聞でも、平野啓一郎さんがカミナリ親父というのは、実は戦争帰りの男たちのPTSDだったのではないかと述べていました。ありうることだと思います。

    【目次】
    第十八章から第四十三章まで
    訳注
    解説  大久保康雄

    パブロ、ピラール、マリア、アンセルモ、プリミティボ、フェルナンド、アグスティン、
    アンドレス、エラディオ、ラファエル、ロバート、
    つんぼおやじ、ホアキン18歳、イグナシオ、
    アンドレスは司令部へ
    ロバート・ジョーダン モンタナ大学スペイン語講師(197頁)

    ●セゴビア陥落(99頁)
    「あの鉄橋を爆破できれば、セゴビアを陥落させることができるんだ。」
    ●生き続ける(110頁)
    (アグスティン)「政治でも、ゲリラ戦でも、いちばん大切なことは生きつづけるってことだぜ。」
    ●スペイン人(235頁)
    スペイン人って、まったくなんという民族だろう。コルテス、ピサロ、メネンデス・デ・アビラからエンリケ・リステルをへてパブロにいたるまで、なんという畜生どもだろう。
    ミアハ(260頁)
    ●襲撃の成功率(284頁)
    歩哨詰所の一方だけなら、いまここにあるものだけで、絶対確実に奪取することができる。しかし、両方となると無理だ。確信がもてない。
    ●攻撃中止(358頁)
    攻撃を中止させる責任を自分で負うつもりだった。中止させたほうがいいのだ。待ちうけている敵に向かって奇襲をかけさせることはできない。とてもできない。人殺しも同然だ。
    ●ジョーダンの報告書(361頁)
    電話で聞いたジョーダンの報告書によって、この二つの山の背には敵がひとりもいないことを知ったからだ。敵は、すこしばかり下の狭い塹壕のなかに退却して、爆風を避け、森のなかにかくれ、爆撃隊が通りすぎるのを待って、ジョーダンが道路をのぼったと報告してきた機関銃や自動火器や対戦車砲をもって、ふたたび引き返してくるのだ。そしてまたしても激戦がはじまるのだ。

    ☆関連図書(既読)
    「武器よさらば」ヘミングウェイ著・大久保康雄訳、新潮文庫、1955.03.20
    「老人と海」ヘミングウェイ著・福田恒存訳、新潮文庫、1966.06.15
    「誰がために鐘は鳴る(上)」ヘミングウェイ著・大久保康雄訳、新潮文庫、1973.11.30
    「カタロニア讃歌」オーウェル著・橋口稔訳、筑摩叢書、1970.12.25
    「スペイン戦争」斉藤孝著、中公文庫、1989.09.10
    「スペイン現代史」若松隆著、岩波新書、1992.03.19
    「ゲルニカ物語」荒井信一著、岩波新書、1991.01.21
    「暗幕のゲルニカ」原田マハ著、新潮社、2016.03.25
    (2017年4月19日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    二日後に迫った鉄橋爆破の任務。生還を期しがたいだけに、より激しく燃えあがるロバートとマリアの恋。生涯のすべてを投げ込むような陶酔のはてにロバートは戦いに出て行く。―戦争という巨大な運命のもとにおける悲劇的恋愛を描きながら、その悲惨さを超えて行動するロバートの姿が、信ずるもののために戦うことの尊厳を語りかけ、読む者に息づまるほどの感動を呼びおこす大作。

  • メインテーマはやはり「生きるということ」なのかな。マリアとの恋もその一部になるのだろう。
    ロバートは作戦を通じて敵の兵隊を殺すことを、個人の価値観(その殺しが正しいか正しくないか)を交えずにただ遂行しようとするも、やはり頭の中でごちゃごちゃといろいろな考えが浮かんでくる。「何ごとについても、忘れる権利は、お前にはない。何ごとについても目を閉じたり、忘れたり、そっとしておいたり、変えたりする権利は、お前にはないはずだ。」
    忘れたり、目を逸らしたりしてはならないのに、心のある人間が、心のある人間を殺すって、お互いにとってなんてむごいことだろう。
    アンドレスが司令部に向かう途中で追い越すトラックに乗っている兵隊たちの表情がヘッドライトで照らし出される場面が一番怖かった。そこには戦争のありのままが表れていたのだろうから。
    内戦は悲しいが、異なる思想同士がぶつかるとき、最終的に暴力に訴えることになるのは避けられないのだろうか。

  • どうやら「橋を爆破する」という作戦は無意味なものになったらしい。何故なのかはよく分からないが、読んでいると気づく。その無意味な作戦のために命を落とさねばならない。状況が変わろうが命令されたことは実行しなければならない。恋人のマリアと別れなけらばならない。ゲリラの仲間たちを危険にさらさなければならない。
    なんと恐ろしく、悲しいことだろう。
    1930年代のスペイン内戦。ヘミングウェイもこの戦争に参加したという。

    以下、引用~
    ・二日前まで、おれはあのピラールも、パブロも、ほかの連中の存在も、まったく知らなかった。マリアも、この世にいなかった。たしかに、いまよりもっと世の中は簡単だった。

    ・彼は自分でもパブロが利口なことをよく知っていた。鉄橋爆破命令の誤った点を、たちまち見抜いたのはパブロではなかったか?

    ・「おれは、あまり苦労しない人間なんだ」

    「おれもさ」とアグスティンは言った。「世の中には、苦労するやつと、苦労しねえ奴がいるだ。おれなんざ、ちっとも苦労しないほうの人間だな」

    ・「Que cosa mas mala es guerra」(戦争ってやつはなんていやなものだろう)

    ・おれは今日死のうとしているが、そうではなくて、ずっと長い間生きていられるのだったらどんなにいいだろう。というのは、この四日間に、人生について、じつに多くのことを学んだからだ。いままでの生涯を全部合わせたよりも多くのことを学んだように思う。おれは老人になって、真実のことが知りたいのだ。人間というものは、いつまでも学び続けていけるものだろうか?それとも、それぞれ、ある一定量しか理解できないものだろうか?

    ・「行ってくれ、おじさん」とロバート・ジョーダンは言った。「戦争では、こういうことはよくあるんだ」
    「戦争なんて、なんて下劣なもんなんだろう!」とアグスティンは言った。「戦争なんてくだらねぇだ」
    「そうだよ兄弟、ほんとうにそうだ。だが、行ってくれ」
    「あばよ、イギリスさん:とアグスティンは右のこぶしを握り締めながら言った。
    「さよなら」とロバート

  • For Whom the Bell Tolls(1940)

    これは、歴史小説だと感じた。スペイン内戦を詳しく知らなかったので、状況や意味が理解できない部分もいくつかあったが、作戦の遂行過程やゲリラ部隊と親密になっていく様子が生々しく描かれていて、その部分は楽しめた。

    特に、主人公ロバート・ジョーダンの心の葛藤がよく伝わってきた。心の中の激しくも静かな葛藤が物語の多くを占めている。橋の爆破作戦を通じて、自身の死の訪れを感じているかと思えば、生き延びて旧友やマリアとの甘いひと時を想像したりしている。
    パブロやピラールなど、ゲリラの仲間たちに苛立ちを感じながらも、彼らをすばらしい仲間だと思っている。
    物語の終盤も、主人公の心の葛藤がほとんどになっている。
    スペイン山中の閉鎖的で、暗い状況で渦巻く人の思いを生々しく感じさせてくれる物語だった。だが、表題の「誰がために鐘は鳴る」と物語との関連、パブロの不穏な行動など、理解できなかった部分が多かったので、私はこの物語の本当のメッセージをまだ読みこめていないのだろう。

  • スペイン内戦での主人公と仲間たちの関係、恋愛を描いた。
    反ファシスト軍の重要な役割である橋の爆破の任務を負ったロバート・ジョーダンだが、途中で任務は無意味となるが、それを知らされずに橋の爆破を決行する。
    敵の銃弾を浴びる中、仲間を逃がし自らは死を選んだ。

  • 10年ぶりにヘミングウェイを読んだけれど、こんなに希望を語る作風だったろうか?時を追うごとに意味を失っていく橋梁爆破計画が、人間関係をぎりぎりで繋ぎとめる皮肉。そこは好き。

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二日後に迫った鉄橋爆破の任務。生還を期しがたいだけに、より激しく燃えあがるロバートとマリアの恋。生涯のすべてを投げ込むような陶酔のはてにロバートは戦いに出て行く。-戦争という巨大な運命のもとにおける悲劇的恋愛を描きながら、その悲惨さを超えて行動するロバートの姿が、信ずるもののために戦うことの尊厳を語りかけ、読む者に息づまるほどの感動を呼びおこす大作。

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