移動祝祭日 (新潮文庫)

  • 431人登録
  • 3.99評価
    • (41)
    • (54)
    • (31)
    • (4)
    • (1)
  • 57レビュー
制作 : Ernest Hemingway  高見 浩 
  • 新潮社 (2009年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102100158

移動祝祭日 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • アーネスト・ヘミングウェイ22歳。新妻ハドリーを伴い、文学修業のためパリに渡ってからの思い出の日々を綴った青春回想エッセイです。ヘミングウェイの死後、発表されたものとのことです。

    「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリはどこへでもついてくる魂の饗宴=移動祝祭日だからだ。」

    1920年代パリ。第一次世界大戦が終わった後のパリは、次世代の新しい芸術を志す者が集まり、様々な才能が競い合う芸術の都であった!パブロ・ピカソ、ジャン・コクトー、ガートルート・スタイン、ジェイムズ・ジョイス、エズラ・パウンド、フォード・マドックス・フォード、エヴァン・シップマン、スコット・フィッツジェラルド・・・。
    名がまだ売れていない若き日のヘミングウェイは、つましい生活を送りながらも、こうしたパリで文学を志し、文学サロンでの多彩な芸術家たちとの交流、美術館訪問、貸本屋で借りる文豪たちの小説、カフェでの執筆とさまざまな出会いを通して、その文学才能を開花させていった。それに、お腹をすかせながらもパリで興ずるボクシング、競馬、カフェでのワイン、高級でないフランス料理、そして妻との新婚生活!
    まさにヘミングウェイにとっての青年時代の祝祭の日々が、当時を思い出しながらの会話やシニカルな観察眼を踏まえた文章力にて絶妙に再現され、それらに思わず笑みがこぼれます。また、当時に交流していた「自堕落世代」の芸術家たちへのどちらかといえば厳しくあからさまな批評・批判の数々は、読者にはとても面白いのですが、これは当時の文学界に波乱を巻き起こしたのではないかなあ。(笑)特にフィッツジェラルドとの破天荒な会話や2人珍道中は映画になっても面白いかもしれない。いや、それよりもこの『移動祝祭日』自体、映画でも相当面白くなるだろう。
    青年時代の苦くもきれいな思い出に彩られたパリでの生活。解説を読むと、祝祭の記憶をこのような形で封印したかったヘミングウェイの想いが伝わってきて、羨ましくも物悲しい気分にさせられました。
    パリ!そこは一度は暮らしてみたい憧れの都。しかし、祝祭の日々は若い時代に味わうものなんですね・・・。あ~ホントに限りなく羨ましい。魂だけは若返らせ、自分も一度は暮らしてみたい!

  • ヘミングウェイが1920年代にパリでの修行生活を振り返ったメモアール.
    晩年の作品なので多分に美化はあるだろうがベルエポックを体現したような回想録.
    私は諸事情に詳しくないのでほとんどの登場人物は知らないが,フィツジェラルドは知っている.この本に出てくる彼はとんでもない.日常からラリっているような感じ.実に嫌.
    私はヘミングウェイの世代になんの共感もないが、やっぱりパリというのは実にその何というか魅力的な街.20年代でない今でも歩く楽しみのある街.あの街で仕事ができるというのはやはり羨ましいところがある.
    私の周りにいるパリで若い頃を送った人たちを見ていると,世代がずいぶん違うにもかかわらず何か共通のものを持っている気がする.

    永きにわたったヘミングウェイ読破もこれで終わり.共感の少ない読書だったがちょっとは寂しい.

  • 1920年代、パリは世界の芸術家にとって誘蛾灯でした。
    1960代にヘミングウェイが芽を出しつつあった当時を書いた、短篇小説集のようなエッセイです。

    ピカソ、ダリ(画家)、フィッツジェラルド(作家)、ジャン・コクト(詩人・作家)、コール・ポーター(作曲家)他多くの芸術家がパリにいました。

    芸術家達が集うガートルード・スタイン(詩人)のサロンへのデビュー、やがて訪れる彼女とのすれ違い。
    フィッツジェラルドとの交友とヘミングウェイが彼を観る目。

    迷いと貧しさの中で暮らし、やがて自信を持ち始めたヘミングウェイの、
    著名人たちとの間で交わす会話や逡巡が、目の前で繰り広げられています。

    一方で、名もない人々もリアルに描かれています。
    本代に困る彼を助ける古本屋女主人、心地よいカフェでの美人との出会い、セーヌ河岸の釣り人、競馬 etc.

    遠い昔の思い出は、喜劇にも悲劇にもできます。
    60代に自ら命を絶つ直前にヘミングウェイに浮かんだパリ時代は?

  • 「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らす事ができたなら、その後の人生をどこですごそうと、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ」

    という冒頭のエピグラフで有名なヘミングウェイの遺作。以前から気になる本であったのだが、品切れ状態となっていた。新訳で、文庫で出たので早速、読んでみる。

    20年代のパリという伝説的な都市と伝説的な芸術家たち。そして、貧しくも、芸術を志す青年と新婚の夫婦の美しい愛。カフェ、レストラン、リゾートなどなどの風俗の記述。様々な芸術家達の姿の辛口の描写。

    もう、絵に描いたような「修業時代の芸術家の貧しいけど、幸せな日々」の話である。そして、その美しい日々は、作家としての成功とともに、やってきた「リッチな連中」の侵入によって終わる。

    「若くて幸せな日々」を描きながら、61才で自殺した作家の胸中には、どのような思いがよぎっていたのだろうか?

    という作品の背景から必然的にやってくるセンチメンタリズムは抜きにしても、なんだか、とても切ない気持ちにさせる作品である。

  • ヘミングウェイがカラマーゾフの兄弟を読めなかったというのが書いてあって面白かった。ミッドナイトインパリをもう一回観たいな。

  • お決まりぽいですが、『ミッドナイト・イン・パリ』繋がりで読んだら面白すぎて一気読み。ヘミングウェイが辛辣すぎて笑えて仕方ない。文学に真面目でひとを作品で判断するところとかどこかの誰かみたいで、可笑しかった。こういう男が好きだ。1920年代の狂騒の時代といわれたパリにたくさんの作家たちが集ったのは、アメリカがピューリタン色が強かったせいもあると思うけど、パリに行ったらなにかかわるのかもと思わせるものがあるのかも、昔も今も。短編集を読もう。

  • 彼の青春

  • A moveable feast
    ・シェイクスピア書店
    シルビア・ビーチ
    ・セーヌの人々
    ・偽りの春
    レストラン・ミショー
    ジョイス夫妻、ノラは小食ではないが、淑やかに食べる人だった。息子のジョルジョ、ルチア、一家はいつもイタリア語で語り合っていた。

  • パリの空気に耽溺できる本。

  • 「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこで過ごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。」
    私も若い頃パリで暮らした経験があるので、この表現にはまったく同感。ヘミングウェイが、パリを離れてかなり経ってから書き残したエッセイ集。同時多発テロに揺れるパリで、本書は再び話題になっているという。フィッツジェラルドの別の一面を垣間見たりできるのが魅力のひとつ。巻末の年表に続く訳者の解説も秀逸。

全57件中 1 - 10件を表示

アーネスト・ヘミングウェイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
サン=テグジュペ...
ヘミングウェイ
村上 春樹
リチャード ブロ...
フランツ・カフカ
レイモンド・チャ...
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

移動祝祭日 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

移動祝祭日 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

移動祝祭日 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

移動祝祭日 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

移動祝祭日 (新潮文庫)の作品紹介

1920年代、パリ。未来の文豪はささやかなアパートメントとカフェを往き来し、執筆に励んでいた。創作の苦楽、副業との訣別、"ロスト・ジェネレーション"と呼ばれる友人たちとの交遊と軋轢、そして愛する妻の失態によって被った打撃。30年余りを経て回想する青春の日々は、痛ましくも麗しい-。死後に発表され、世界中で論議の渦を巻き起こした事実上の遺作、満を持して新訳で復活。

移動祝祭日 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする