怒りの葡萄(上) (新潮文庫)

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制作 : John Steinbeck  伏見 威蕃 
  • 新潮社 (2015年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102101094

怒りの葡萄(上) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いたたまれない感情でいっぱいになる。

  • Amazonレビューの評価が低かったので見てみると「訳が酷い」。たしかに冒頭は読みづらくイライラするが、読み進むとそんなことは気にならなくなってくる。


    自由の国アメリカ、チャンスの国アメリカ。ハリウッド映画に出てくる不屈のヒーローに可憐なヒロイン... そんなものは登場しない。描かれているのは敗者と、これから敗者になるであろう、普通の、逞しく、罪を犯し、そして善良な人々である。

    何一つ持たない人々が身を寄せ合い、助け合い、そして人間としての誇りを捨てることなく、互いに感謝して生きている。ジョード一家の逃避行は「法」にこそ触れてはいるが、乱暴で暖かい「人間」の営みとして描かれる。

    「人間」の尊厳を根こそぎにする象徴としてのトラクター、銀行、貧困ビジネス、農園、そして自己増殖する「資本」。
    「自分が生きるため」というたった一つの理由で小作人を追い払い、なけなしの金銭を騙し取る者、彼らもまた生身の人間であり、実は弱者である。本当の悪は地主でも頭取でも取締役でもなく、法人ですらなく、法人を駆り立てる目に見えない資本主義の「動力」であり、銃で撃つこともできず、止めることもできない。

    「この国はどうなっちまうんだろう」という不安は消えることなく、人々は目の前のことに集中する歯車になるか、儚い夢に縋りつくか、自分自身が消えるかしかない。
    痛い。息苦しい。

    戦前の作品だが、現代でも、いや現代でこそ通用する。

  • レビューは下巻にて

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怒りの葡萄(上) (新潮文庫)の作品紹介

米国オクラホマ州を激しい砂嵐が襲い、先祖が血と汗で開拓した農地は耕作不可能となった。大銀行に土地を奪われた農民たちは、トラックに家財を詰め、故郷を捨てて、“乳と蜜が流れる”新天地カリフォルニアを目指したが……。ジョード一家に焦点をあて、1930年代のアメリカ大恐慌期に、苦境を切り抜けようとする情愛深い家族の姿を描いた、ノーベル文学賞作家による不朽の名作。

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