怒りの葡萄(下) (新潮文庫)

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制作 : John Steinbeck  伏見 威蕃 
  • 新潮社 (2015年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102101100

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怒りの葡萄(下) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • いたたまれない感情でいっぱいになる。

  • 「粗にして野だが卑にあらず」

    ジョード家は今でいうDQN「風」だが、人間、本書の言葉では「民」そのものである。アメリカ人として労働への誇りを持ち、どれだけ自分たちが困窮していても、自分たちよりも貧しい人がいれば助ける。正しいと思う行為は法に触れることを厭わずにやり遂げる。

    民を搾取し、痛めつける「資本」という怪物は決して正体を現さない。資本は「自由競争」という貧者同士が相争うシステムを作り上げ、貧しいものをより貧しくさせ、良心的なものを残忍なものに変え、多くのものの不幸を喰らって膨れ上がる。

    民が人間として生き延びるには不確かな希望を頼りにした団結しかないのだが、団結を分断する手段は多彩で、狡猾で、しかも効果的である。民は負ければ死ぬが、資本は死なない。「金は命より重い」というあのマンガのセリフが響いてくる。

    絶望的な状況の中、神も貧者には味方しない。雨は富める者、貧しき者平等に降るのではなく、貧しい者だけをことさらに痛めつける。

    それでも「民は死なない」と信じる人々の姿は崇高で、写実的にはグロテスクでしかないはずのラストシーンも宗教画のような美しさを感じさせる。

    ...本書は大恐慌前の話である。現在、民はまたしても死にかけている。

  • 重厚な物語。1920年代、銀行や地主に追い詰められた農民たちは、手にした作業員募集のチラシにすがり、カリフォルニアに25万人もの人々が大移動した。しかし、そこにも同じ社会構造・格差があった。絶望の中でも生き抜く家族の姿を描いている。

  • やはり名作だと言われるだけのことはある、珠玉のロードノベルであるとともに家族小説である。
    下層労働者の家族の生き様を通じて、なんと色々な事を教えてくれる小説であることか、ぶるーす・スプリングスティーンが本作を絶賛していると聞いた事があるが、むべなるかな。この小説の重要テーマに共感するからこそ、彼の音楽が詩があるんだと、非常によく分かる。

    アメリカ人のライフスタイルを構築する一つの指標なんだろうなぁ。ロシア人がこれを書くと「罪と罰」になり、フランス人が書くと「レ・ミゼラブル」になり、日本人が書くと「蟹工船」になる。

    そして、オーストラリア人が撮ると「マッドマックス」になるんやなぁ。「怒りのデスロード」は間違いなく、この作品のオマージュだと思う。

    古い作品だからと躊躇しなくもなかったが、ロードノベルの名作と聞いて…本当に読んで良かった

  • 人間に最後に残されたたしかな機能ー働くことを渇望する肉体と、ひとりの人間の入用を超えて創ることを渇望する頭脳ーこそが、人間であるゆえんなのだ

  • オーキーと渡り労働者
    最後が映画には無いが衝撃

  • この物語で、魂が震えない、感情が揺さぶられないような男にはなりたくない。
    善良すぎる。あかん泣きそう。

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怒りの葡萄(下) (新潮文庫)の作品紹介

ロッキー山脈を越え、アリゾナ沙漠を渡り、夜は野営地でテントで過ごしながらカリフォルニアを目指すジョード一家。途中、警察から嫌がらせを受けるも、ひたすら西へ西への旅が続く。希望に満ちて“約束の地”に到着したが、そこは同様な渡り人であふれていた。彼らを待っていたのは、不当に安い賃銀での過酷な労働だけだった……。旧約聖書の「出エジプト記」を思わせる一大叙事詩。

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