炉辺荘(イングルサイド)のアン 赤毛のアン・シリーズ 7 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102113479

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  • 6人の子どもを育てるアンは、空想の暇もほぼない様子。
    でも、時折の言葉や春に浮き立つところは少女の頃を思い出させる。
    前半、嫌味なギルバートの親族に居座られて耐えるアンの手を握りたかった…書き方がまた上手いんだ…。

    「あんまり小さなことなので愚痴をこぼすわけにもいかないわ。それでいて、蛾のように……人生に穴をあけ…人生を破壊するのはそういう小さな事柄なのだわ」

    私にはそんな親族はいないけれども、でもすごくわかる…わかるよ…。
    中盤は主に子どもたちのことで、大人からすれば些細に思えるけれど子どもにとっては重大な心配事や胸の痛みを見事にすくい上げている。
    みんな愛おしいねぇ…。
    最後はアンとギルバートが倦怠期?!そんなの見たくない!から始まるエピソード。
    自分も家族の一員として過ごしたような気持ちになる作品だった。

  • 赤毛のアンシリーズ7作目です。

    前作で、愛の住まいだった小さな白い家と称する"夢の家"を離れ
    アン一家は炉辺荘(イングルサイド)へと引っ越しをします。

    時は流れてすでにアンは、双子を含む5人の子宝に恵まれているのですが
    ここでまた新たに一人の可愛い天使が誕生します。

    7章ではその子供たちの成長の様子と、新しい住まい炉辺荘
    "イングルサイド"周辺の住人たちとの交流が、アンの深い愛情とともに
    描かれています。

    中でもアンの子供たちの愛おしさは格別でした。
    まるで母親アンの生き写しではないかと見紛うほど空想好きで
    良きことも良からぬことに対しても、幼子たちの心の眼差しは真剣そのもの。
    失敗したことや怖いめ悲しいめにあったことに、どうにもならないほど
    悲しい気持ちになってしまった我が子に、アンは優しく寄り添い諭します。

    この子供たち一人一人の心情を綴ったストーリーを読んでいると
    生き写しのようにアンそのもの...というイメージが沸くなかで
    ふと思い起こされたのが、この子供たちの物語は母親である
    アン自身が綴っているのではないかしらという私の想像でした。

    あぁ...アンは子供たち一人一人のことを愛おしく思いながら
    きっと日記でも書くように、私たちに語り掛けてくれているに違いない...。
    そんな思いを想像すると、それからはもうそうとしか考えられなくて
    ということは、この物語を描いているモンゴメリ自身が
    アンになりきっているのね!
    だからこの7章の物語の中には、アンはそれほど登場しないようでありながらも
    しっかりと確かなアンの息遣いを感じることができるのだなということにも
    確信が持てました。私の中にはこの物語を熱心に執筆している
    アンの姿が広がります。

    「この子たちにどんな人生が待っているのでしょうね」
    というアンの語り掛けに

    「少なくとも二人がそれぞれ、自分たちの母親の旦那様のような
    立派な夫を持つようにと願い、かつ信じることだね」と言い放つ
    ギルバートの心憎い一言に、この二人と一家の、愛情の微笑ましさが
    伺われるような気がしました。

  • イングルサイドまで来てようやく、わたしは アンがすきなんだな 、、と。子供たちのお話は どれもかわいらしくて 愛おしいけれど 生き生きと 自然を愛して 空想を楽しんでいるアンが懐かしくなってきた。アンもギルバートも すっかり落ち着いて大人になってしまったんだ 、って嬉しい反面さみしかったり。と、思ったら 最後の最後 ! 泣いてしまいました(笑)いつまでも ほっこり すてきな夫婦でいてほしいな 。

  • ギルバートと仲良くてよかった 子どもたちの話も全部面白かった

  • さすがアンの子供たち。アンの空想の力をすっかり受け継いでいた笑
    アンの家庭は理想的なんだけど、綺麗事ばかりじゃないのがまたいい。アン達一家を悪く言う人達だっているし、アンはアンで子どものいないクリスチンを見下してる(クリスチンもまた性悪だったからまあ…)
    ギルバートも最初おいおい…と思ってたけど(メアリーマライアおばさんやクリスチンのことで)、やっぱりギルバートはギルバートでした

  • こんな家に住んでみたい

  • 主婦のおしゃべりが異常に退屈だった。田舎暮らしの醍醐味のような書かれ方だけど、これが本当だったら田舎暮らしなんて到底できないなぁと思った。

  • 母親のアン。アンから子供たちに主役はうつってます。自分の子供時代を思い出します。あんまり遠慮しなかったり、別な面では遠慮したり、いろいろだったな。

  • 子供の頃、母が全巻を買ってくれました。何度も読み返した大好きな本です。

  • 570ページとボリュームもあるが、なかなか読み進めることができず2ヶ月程かけて読了。
    墓地を駆け抜けたり、友人に騙されたりと子供たちのハプニングはとても生き生きとして可愛らしく、100ページあったとしてもすぐに読めてしまいそうだが、主婦たちの井戸端会議や噂話は、リアリティーもなく退屈で、数ページでも苦痛に感じた。
    夢を見る快活な少女の物語が、モンゴメリーの真骨頂だと再認識した。

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