居酒屋 (新潮文庫 (ソ-1-3))

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著者 : ゾラ
制作 : 古賀 照一 
  • 新潮社 (1971年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (740ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102116036

居酒屋 (新潮文庫 (ソ-1-3))の感想・レビュー・書評

  • 描写が滑稽さを生んでいる。
    とりわけ博物館を訪れるシーンが好きだった。

  • 居酒屋ではナナのお母さんが主人公です。居酒屋の物語の中でナナが生まれますが、まあ貧困ってこういうことなのねとやるせなさでいっぱいになる作品です。重たい、考えさせられる作品を読みたい方にはオススメです。ゾラの作品は作り込まれた物語としてではなく当時の時代背景を知るためのもののような気がします。19世紀フランスの汚い場末の街で貧困と共に生きる人々がが鮮明に描かれております。

  • 面白かった。でも長かったぁ。
    19世紀パリの貧しい生活が延々と描かれていました。いわばジェルヴェーズさん一代記って感じ。続巻に繋がる彼女の娘ナナちゃんの生い立ちも描かれているので「ナナ」を読むならこれも読まないと。
    登場人物ほとんど全てが自業自得と言っていいが、唯一ラリーちゃんだけは哀れでならない。

  • 退屈だったため1/3程度読んで投げてしまった.他の方のレビューによるとここから転落人生が始まって面白くなるとのこと.そのうちもう一度チャレンジしたい.

  • 面白いが、長すぎる。嫌な人間しか出てこないのはいいとして、スカッとするところがあまりないので、読んでいて辛い。第二帝政期のパリにおける衛生・住宅事情(洗濯屋にまつわるエトセトラ)、アルコール依存、洒落歌、グルメうんちくなどが散りばめられていて、さながらアナール学派的な歴史の教科書として読める。

  • 「どんな本もなんかしら得るものがあるだろう。つまらないのは作品じゃなく、味わい方を知らない自分の方だ。」
    とこれが僕の本の読み方のモットーで、読むのが辛くても最後まで読むようにしてたのだけど、この本はダメだった。一度投げた。「そろそろ読めるだろう」と思って始めたけど、3週間かかったなぁ。
    いやでも読んで良かった。眠くなることは何度もあったけど、今まで読んだ本の中では一番「凄絶」だったように思う。
    当時のフランスはこんなに苛烈だったのかなぁ。感情や欲望に振り回され、涙し、怒り、喜んだのかなぁ。すごいなぁ。
    自由とか、福祉とか、貧困とか、労働とか、色々な言葉が頭を巡るけど、この熱にあてられていまいち冷静に考えられない。譲らないところは譲らず締めないと。堕ちていく堕ちていく。

  • 一人の選択女がどん底まで落ちぶれていく様子を描いた作品。絶頂期からどん底までのジェットコースターのような様子と、ヒロインを狂わせたろくでなしの男たちに、胸が痛んで腹が立つ。

  • 話の結末は悲しいですが、細かい部分が面白くて、暗い場面でも笑えます。
    特に比喩が面白いです。おじさんの頭をラードで作った膀胱のような頭と例えたのが気に入りました。
    アルコール依存症の末期患者の症状の描写も面白いです。
    めちゃくちゃに暴れまくるクーポーとそれをみて愕然としているジェルベーズと冷静に観察記録をつけている医師の様子が三者三様で面白いです。

    登場人物に暴力を振るう男が多いので、ぞくっとする場面もおおいですが、面白おかしい描写がたくさんあって、いい塩梅だと思います。

    笑える場面以外でも比喩が効いています。蒸留装置やパリの街を人間や怪物のように例えています。描写が詳しいので頭の中に情景を思い浮かべやすいですが、その分説明が長く、会話文抜きの段落が続くので読むのに時間がかかりました。

    ルーゴンマッカール叢書を読んだのはこれが初めてですが、他の巻も読んでみたくなりました。
    『居酒屋』を読んでランチエに腹が立ったので叢書のどこかでくたばっているといいなと思います。

  • 作者であるゾラは自然主義文学の祖であるということで、無味乾燥でなんの味もしない胸糞悪い小説を予想していたのだが、まったくそんなことはなかった。むしろ、なんてヒューマニズムに溢れた小説なんだろうと思った。こんなに人間心理に深く切り込んでいる人が、人間を愛していないわけがない。
    簡単にいえば、一人の女性の若くしての成功から悲惨な最後までの、人生の転落を描く物語である。粗筋はそれ以上でも以下でもない。
    だが、その緻密に描かれた十九世紀パリの風景、そして登場人物の造形が、まるで自分が物語の場に居合わせているかのような臨場感を醸し出す。程度の差こそあれ、舞台を現代日本に変えても通用しそうな普遍性がある。なぜなら、軸となるのは貧困、怠惰、そして他人への悪意といった、現実の社会には必ずあるものだからだ。生きる上で避けては通れないこれらの人間の陰の部分を、わかりやすいシンプルな形で描き出そうとした作者の情熱には尊敬の念がいくらあっても足りない。
    自分は、小説にありがちな「なんだかよくわからないけどすごいものを見せられた感じ」に常々疑問を持っていたので、このように徹頭徹尾目に見えるもの、身近にある確かなもので構成するこの手法には大賛成だ。
    ・・・まあ、こんなこと書くと百戦錬磨の老獪な小説読みの方には「若いねー」とか言われるんじゃないかとちょっとヒヤヒヤするけど

    文章も非常に読みやすい。作者が入念にプロットを立てて、全て計算して書きあげたのがよくわかるよく。文章がよく整理されている。
    章立てもきっちりしている。各々の章にプロットポイントを振り分け、ある程度独立したエピソードとして作ってある。なので七百ページというアホみたいなボリュームなのに、読み進める内に頭の中でストーリーが空中分解することはまずない・・・と思う。

    もうちょっと早い時期に出会えていたら! ナナの方も時間を見つけて読むぞ!

  • 一言。素晴らしい♪そして。只管陰鬱にさせる小説ナンバーワン

    19世紀仏蘭西の時代感がドブに咲く花の様に鮮やかに
    残酷に描かれていた。

    遣る瀬無い位のリアルさに、胸はむかつくが
    先を読まずにはいられない負の快楽に浸った。

  • パリの貧しい人たち。真面目な働き者であったはずの夫婦が、勝利を得たことで見事なまでに転落していく様に、作者のパリの民衆に対する愛着を感じとることができます。

  • セザンヌと友達だったとは…!

  • 世間で、そして世界で評価されているのがわかる作品です。確かに、細々としたことを延々書き綴っている箇所がそこらじゅうにあり、現代の作家であればきっと5分の1くらいの分量で書けてしまう作品とも言えます。当時のフランスの下層民の悲惨な暮らしぶりを活写と言われるのかも知れませんが、下層だから悲惨という感じはしません。むしろ真面目に働きさえすれば小市民の幸せは十分享受できる暮らしぶりです。主人公が悲惨な状況に陥るのはすべて本人の怠惰に原因があり、それが血筋(←マッカール叢書の構想に基づく?)なのかもしれませんが、全く同情の余地を感じません。同じアパートに住む少女ラリーの最期が切ないです。

  • 再読。これまでエミール・ゾラは数編読んできたが、『居酒屋』『ナナ』を読んだのは中学生の頃で、当時はよく味わえなかったのではないかと思う。
    1877年、フランス自然主義文学の筆頭にあがるこの小説は、執拗なディテールの描写を重ねながら、パリ下層階級「プロレタリアート」の悲惨な人生を彫りだしていく。ゾラ自身がパリに出てきた頃相当に貧乏だったようで、こうした生活光景は見慣れたものだったのかもしれない。
    冒頭、共同洗濯場で繰り広げられる若い女性同士の壮絶な喧嘩が印象的だが、このへんを新聞連載で読んだ当時の読者たちがブーイングを浴びせたのだろう。
    「洗濯女」の主人公ジェルヴェーズはいきなり子ども連れのまま男に捨てられるが、やがて善良な別の男と結婚、自分の店を構えることも出来て、夢が叶い、つかの間幸福な生活を送る。しかしその後は延々と、幸福が崩壊していく過程であり、作者のまなざしは容赦がない。
    不幸のきっかけはまずは夫の飲酒と怠惰(無為)、そして彼女の食欲と性欲であるようだ。
    しまいには食うものがなくて街路のゴミ箱を漁るまでに至るが、娘(のちの『ナナ』の主人公)は出て行って踊ったり異性と遊んだりという生活に身を投じ、夫はアルコールまみれで錯乱して死ぬ。
    読んでいてやりきれないこの「落下」の記録は、意地の悪い親戚や近所の連中のまなざしがあまりにも浮薄で冷酷なこともあって悲惨である。
    ついでに、主人公の近所で、亡くなった母親の代わりに年少の弟妹を育てながら懸命に家事をする少女のエピソードがあるが、ここでも父親は飲んだくれで、しかも鞭で毎晩娘を痛めつける。完全に児童虐待の例だが、これなんかはいまの日本でもよく聞く話だろう。
    悲惨へとまっしぐらに落ちていく生命のあわれさを冷徹に描いた、ディテールが固められているだけに極めてリアリスティックな文学の名作で、印象はたいへん深い。
    私などは経済的には貧困というほどではないが、心理的な意味で、この「墜落するだけの人生」の感じに共感が強かった。それは凄まじい物音を伴って結末へと走る弾丸のようだ。
    ついでに『ナナ』も読み返してみるか? しかしもっと辛くなってしまうだろうか。

  • ゾラを自然主義小説の頭領たらしめる作品。ゾラは「ある労働者一家の避けることのできない転落を描こうとした」と述べており、実際にその不道徳な内容から当時轟々たる非難を浴びたようですが、落ちぶれたジェルヴェーズが少女ラリーの死に心打たれる場面や、彼女を想い続けたグージェからの誘いを断る場面などからは、この作品が如何に道徳的であるかが伺えると思います。時間をかけて読了しましたが、お酒を飲むのはまだそんなに怖くはありませんw

  • あれよあれよと言う間に、谷底へ落下。
    そのスピードの早さといったら…
    なんか、「男ってどーしよーもねーな!」の一言に尽きる…。

    色々思うところはありましたが
    、珍しく外国の小説で最後まで読めた本。

  • ゾラは、多くの後続影響を与えた作家だ。この作品を読むと、日本の「耽美主義」とか、フランスの後続の作家の原点を見ることができる。わたしは元々モーパッサンが大好きで、その延長線上で読み始めた。

    なんというか、救いの一切無い話。
    若い頃、こういったヨーロッパ文学を好んで読んだ気がするけれど、今は、気分が暗くなるので、今はあんまり好きになれなかった。

    男性が書いた女性像だからなのか、私自身がジェルヴェーズに一切入り込むことができなかった。ダメな男にはまって身を持ち崩すところは理解できなくもないけれど、堕落していく様子がイマイチなんで?と思ってしまって。

    でも、きっと人間の堕落なんてこんなものかもしれない。今は、社会の制度や法律に守られ、堕落しないで踏みとどまることが比較的楽だけれど、社会制度が無いような時代、一生懸命働いても、老いて働けなくなったらどうなってしまうのか・・・。不安を打ち消すためにひたすら酒を飲む。明日を考えなくてもいいように。そんな酒がますます将来を不安なものにし、さらに酒を飲む。

    人の幸福が素直に喜べないというよりむしろねたみの対象にしかできない人たち。妻を殴り殺し、さらには娘も暴力によって死に追いやり、それでも娘の死に嘆くアル中の男。女主人公には入り込めなかったけれど、そんな様々な人間模様がおどろおどろしく、生々しく描かれているところが本作品の魅力であろう。

    ともかく読んでいて、気分が暗くなるので、もう読み続けたくない・・・と思いながら最後まで読んだが、次に「ナナ」(ジェルヴェーズの娘が主人公となっているゾラの作品)を読むかどうか、悩み中。大体内容はわかるし、(椿姫みたいな内容じゃないの?と思ってるんだけど・・・)どう考えても救いの無い作品のようだし、でも、この作品の中のナナがどのように成長するのか、どういう複線が張ってあるのか、興味がある。

  • 壮絶な生活描写。人間も、貧乏も、お酒も、こわい。人は、欲があるから迷うのか。特に食欲。

  • 人格と生活の崩壊は日常から生まれていく。それは特別だからではない。誰でもありえる堕落なのだ。

  • ささやかな幸せを夢見た下層労働階級の人々の見事なまでの転落人生。
    貧乏が人を堕落させていくのか。堕落が人を貧乏にさせていくのか。

    やはり僕の中で、「金がなくても幸せ」なんて生温かい価値観なんて持てない。それどころか、どんな幸せな人々でも金がなくなれば簡単に不幸になれると思う。

    それにしても、酒が人を転落させていくことは間違いないかも。
    自分の周りを見ても浴びるほど酒を飲んでる人はやっぱりダメな方向に行ってる気がする。お酒はほどほどに。

  • 居酒屋
    19世紀のパリの労働者たちのリアルな描写。主人公の誕生日の祝いにご馳走を食べるシーンは圧巻。食べるは飲むわで奴らの胃袋は底なしか穴が開いているかと思うくらい。主人公の夫もアル中になりながらも死ぬまでが長い。主人公はいるが、本当の主人公は〈居酒屋〉だろう。主人公である も最後は〈居酒屋〉で酒を飲むようになり、最後は気が狂って死んでしまう。悲惨な話だがフロベールのような冷たさやモーパッサンのようなペシミズムもない。バルザックのような暖かさがある。続編「ナナ」の主人公であるナナが興味深い。父親を堕落させるきっかけを作ったし、母親の破滅のトドメを差した。英才教育を受けたジュリエットの上をいくのかもしれない。成長したナナが楽しみだ。

  • 読んで一番にやっぱりお酒って怖い…!って事をまずは思いました。

    ちょっとの自分にご褒美するくらい悪くない…なんていう軽い気の緩みがじわじわとやる気を失わせてしまう過程、だんだんと薄れていく羞恥心、破産、退廃、貧困、飢え、暴力………

    怖い。一度崩れ始めるとあっという間に信頼も失ってしまう。前半のジェルヴェーズの負けん気があってちょっと見栄っ張りなところが好きだっただけに、なんだかやるせない…!

    そして何より!ランチエのちゃっかり世渡り上手がめちゃめちゃ腹立ちます!

    ナナにも登場するのかな。なんかもう、こてんぱんにやられちゃって欲しい!!

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