- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102116203
作品紹介・あらすじ
歯医者の予約をすっぽかし、大事な顧客の葬式にも現れなかった父の身に、何か起こったのでは?気を揉む娘リーガンと怪我で入院中の妻のもとへ、身代金百万ドルを要求する電話がかかった…私立探偵の娘と著名なミステリー作家の妻に、なんとか監禁場所を伝えようと頭を絞る父。強運のアマチュア探偵、アルヴァイラおばさんの秘策とは?クラーク母娘初のコラボレーション。
感想・レビュー・書評
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アメリカの作家メアリ・H・クラークとキャロル・H・クラークの母娘共作の長篇ミステリ作品『誘拐犯はそこにいる(原題:Deck the Halls)』を読みました。
『見ないふりして』、『君ハ僕ノモノ』 、『さよならを言う前に』に続き、メアリ・H・クラークの作品です。
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歯医者の予約をすっぽかし、大事な顧客の葬式にも現れなかった父の身に、何か起こったのでは?気を揉む娘リーガンと怪我で入院中の妻のもとへ、身代金百万ドルを要求する電話がかかった…私立探偵の娘と著名なミステリー作家の妻に、なんとか監禁場所を伝えようと頭を絞る父。
強運のアマチュア探偵、アルヴァイラおばさんの秘策とは?
クラーク母娘初のコラボレーション。
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2000年(平成12年)に刊行されたメアリ・H・クラークとキャロル・H・クラークの母娘初のコラボレーション作品です。
“サスペンスの女王”と呼ばれるメアリ・H・クラークと、その娘キャロル・H・クラークのコラボ作品ですからねー 期待通り……面白かったです、、、
クリスマス・ストーリーとして描かれた作品なのでサスペンスフルでありながら、どこか温かみのある雰囲気が漂っている作品でしたね。
父親ルーク・ライリーとルークの運転手ロジータ・ゴンザレスが誘拐された事件を、ルークの娘で私立探偵のリーガンとルークの妻でミステリ作家のノーラがNY市警重要犯罪捜査課の刑事ジャック・ライリー(同じライリー姓ですが、ルークやリーガンの肉親ではありません……)と協力しながら解決しようとする物語……そこに、63歳で詮索好きだが、頭の回転の速いアルヴァイラ・ミーハンという強運のアマチュアおば(あ)さん探偵も登場し、ユーモアと軽妙さを加えられていましたね、、、
もっとも卑劣な犯罪といわれる誘拐がテーマですが、犯人の二人組がどこかチグハグで笑いを誘うような行動もあって、憎めない誘拐犯として描かれており、冷酷とか凶悪という感じはなかったですね……登場人物の魅力とサスペンスとユーモアのバランスが良い作品かな。
仄かなロマンスを感じさせるエンディングも好感が持てますね……事件の解決があまりにもスムーズで現実味に欠ける部分があるのは確かですが、クリスマス・ストーリーですからね、これくらいの軽さで良いかな と思います、、、
これでメアリ・H・クラークの在庫は読み切っちゃいました……メアリ・H・クラークの他の作品も読んでみたし、娘のキャロル・H・クラークの作品も読んでみたいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クラーク親子による、クリスマス向けのサスペンス。どうやら、クラークは毎年クリスマスに、こういう本を出すことにしたらしい。クリスティの向こうをはってるのか?
ともあれ、クラークならでの安心感で、読み進められてほどよく満足感もえられ、クリスマスらしくほのぼのとする。
良作だが、人に「いいよ」と勧めるほどではない。 -
おばあちゃんにもらった本
はじめて読む人だからちょっと楽しみ -
誘拐された父親とその運転手を何とか無事に救い出そうとする私立探偵の娘と、ミステリ作家の妻。
偶然彼女らと知り合ったアマチュア探偵を中心に織り成す誘拐譚。
とは言うものの、基本クリスマス向けに書かれた軽い感じのミステリなので緊迫感は少なめ。誘拐犯たちもどこかしら抜けていて憎めないし、事件そのものと同じくらい人間描写に力を入れている。
「クリスマスプレゼント」的な1作。
なので当然事件は大団円だし、読後感もよろしい。
ミステリとロマンスを一緒に読んでいるような感じ。それでもプロットはしっかりしている。気軽に読めて楽しいミステリだった。
夏じゃなくって、きちんとクリスマスに読めばよかった。