- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102118016
感想・レビュー・書評
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最初、日本語訳が1955年のものということでちょっと古くて読みづらいと思った。
だけど、セシルちゃんの大人びた感じと、感情に素直になれない部分を一見回りくどいような日本語訳が微妙に表現しているような気がして、最後のほうは癖になる感じがして、面白かった
衝撃と面白みがありすぎて、処女作というのが信じられない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本語への翻訳に問題があり、日本語になっていない文章になってしまっている。その為、何を書いているのか理解できず、翻訳者が誰なのかが重要である事を知った。別の翻訳で読み直したい。
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すごく好き
なんでかわからないけどピタッとハマった感じがした
全然ピュアなお話じゃないのに -
サガンが18歳で書いた処女作。
気怠い空気感で鋭く繊細な作品。
巧みな心理描写で少女の危うさが見事に表現されていると思う。
17歳の主人公セシルは、これを書いた18歳のサガンの投影なのかもしれない。
色々な経験が少ない少女だからこその残酷さで相手を傷つけ、失って初めて犯した罪の重大さを知ることになる。
セシルほど残酷なもので無いにしろ、私も随所で主人公セシルの気持ちに似た感情を過去に感じていた事を思い出す。
心の奥、遠く消えかけていたその感情が、サガンの言葉を読むごとに蘇ってくる。
サガンの言葉はリアルでとても鮮やかだ。
朝吹登水子さんの訳も素晴らしく、少し難しさを感じる箇所はあったが、サガンの雰囲気にとても合っていると思った。 -
ストーリーはどうでもよくて、こんな批評性を持った小説を18歳の著者が書いたことに驚くばかりだ。訳者の解説を読むと納得もいくが、出自というのもデカいという現実も突きつけられる。
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数ヶ月おきに数ページずつ読んで一年 ついに読み終わった…
詩的で表現力の塊だな〜!と思うし、人間とその情の観察眼がずば抜けているな〜!とも思う。
フランスってみんなこんな感じなんですか?とにかく恋愛というか、情が移り気っていうか 不倫!浮気!
読み終わり、第一にセシルの自業自得では〜???感傷に浸る権利はそこにあるんか〜???と思った。そして文章がうめ〜!詩的!とも。
言い回しが詩的すぎてどうにもストーリーの展開が分からないな…って思ってふと裏表紙見たら普通に重大なネタバレがあってひとしきり笑った
たぶんこの頃の裏表紙の作品紹介ってこういうものですよね 忘れてました でもそのおかげでラストに向かって興味が湧いてモリモリ読み進みました ネタバレOK派だからむしろ良かったです(?)
そしてあとがきで理解が深まったのでとても良かったです
初版昭和30年、平成17年の141刷、翻訳は朝吹登水子さんのものを読んでいます
あとがきで、当時19歳のサガンの自宅を訪ねたインタビュー(?)が載っていて、それを読むと「悲しみよこんにちは」のセシル=サガンなのだろうな…それにしてもブルジョワで文化人だわね…と、いろいろ納得させられた。
p31
私たちは劇のすべての要素を持っていた。女たらし、半商売人、理性の勝った女。私は海の底に水色とバラ色の美しい貝のような石を見つけた。私はそれを採るためにもぐった。私は昼食まで、優しいすりへらされた石を手の中ににぎっていた。私はそれが幸福のマスコットで、夏じゅうこれを離さないでいようと思った。私がどうしてこの石を失くさなかったかわからない。なぜなら、私は何でもみんな失くしてしまうから……。今日、この石は桃色に、暖かく私の手の中にあって、私を泣きたくさせる。
p56
砂に砕ける波の音と一致した私の心臓の上のシリルの鼓動を覚えている。一、二、三、四、心臓の鼓動と、やさしい砂の上の音と、一、二、三、……一。彼は呼吸を取戻し、そのくちづけは正確で親密になった。私はもう海のざわめきが耳に入らなかった。ただ耳の中で、自分自身の血の、速い追撃の足跡をきいた。
p99
その後は恋の輪舞だった。欲望に手をさし出す恐怖、優しさと熱狂、そして、乱暴な苦痛に続いて勝ち誇った快楽が…… 私は幸運だったーーそれに、シリルに必要なやさしさがあったことーーその日から快楽を知ったということは……。
p157
ただ、私がベッドの中にいるとき、自動車の音だけがしているパリの明け方、私の記憶が時どき私を裏切る。夏がまたやってくる。その思い出と共に。アンヌ、アンヌ!私はこの名前を低い声で、長いこと暗やみの中で繰り返す。すると何かが私の内に湧きあがり、私はそれを、眼をつぶったままその名前で迎える。悲しみよ、こんにちは。 -
本棚を整理していて見つけた古い文庫本、朝吹登水子訳で、昭和46年発行59刷とある、を再読した。といっても内容は、ほぼ忘れていた。救いのない物語。ファザコンの青臭い姉ちゃんの愛欲まみれの自己中心的愛の争奪戦。
なぜこの小説が売れた?「悲しみよこんにちは」とか「ブラームスがお好き」とか、サガン流の今も古びた感じのしないタイトルのせい? -
誰に借りたかもらったかも定かでない本。ながいながい独白のような。しかし夏休みが長いのはうらやましい。余計なことも起こるようですが
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これはティーンだからこそ書けた物語だと思った。
そしてティーンの頃から書いていたから、サガンはこの視点を持ち続けられたのではないだろうか。
大人になるにつれ薄れていくことの多い青春期の感覚を。
しかし大人の女性の描写も素晴らしい。
どの年代の女性が読んでも響く。 -
小悪魔的。文章美しすぎる、原文はもっとかな〜。