一年ののち (新潮文庫)

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制作 : Francoise Sagan  朝吹 登水子 
  • 新潮社 (1960年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102118030

一年ののち (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  人の数ほど男女関係もさまざま。特別な筋がある本ではなく、複数の男女関係の入り乱れる様子を描いたもの。その中から見えてくる、恋愛関係の曖昧さと、恋愛に求める価値観の違いが面白かった。
     今の自分では、彼らの哲学はほとんどわからない。だけど、恋愛に対する様々な価値観に触れられたことは大きい。そして、男と女の間には、超えてしまうと戻れない曖昧な一線があるのかなと考えた。
     熟練したように見える人々でも、恋愛感情に弄ばれるものなのかな。

  • 気に入ったのは、静かな諦めと、薄笑いの中の絶望と、友人に対する嫌悪と、愚かな自分。
    ぼくにとっては、ベアトリスに恋する愚かなアランも、ジョゼと語り合う虚しいベルナールも、ファニーに慰めを求める堕ちたエドワールも愛すべき友人であり、憎悪すべき自分自身だと感じる。
    相手がいる身で女と共に寝、感動した口調でその夜だけの愛を語る。
    でもそれが酷い事だろうか。肉体的な欲望ならまだ止める理性はあるが
    逃れられない悲しみや差し迫った絶望の中でその場の優しさに心許してはいけないだろうか。
    辛い時にそばにいて優しくしてくれる人がいたら。
    そんなことを考える。

  • 『ジョゼと虎と魚たち』より。

  • 淡々としているけれども実は昼ドラ並にドロドロとしている。
    サガンの登場人物達は皆好きになってしまうけれどベアトリスが特に好き。

  • 続編を読むために再読。

    粗くてエネルギッシュ、初期のブルーハーツのようなエネルギーを感じた。
    本当に自分が思ってることに迫っていくワクワク感、書いていて何かが明らかになって進んでいく興奮、それにのっかってただかきつらねた文章。実際にレベルがどうとかじゃなく、本人にとってそれを書くことにどういう意味があるかが何より大事なんだろう。いいなぁ、楽しかったろうなぁ。
    一つ一つの言葉が世界を広げていく、やりすぎてる位ロマンチックだけど、この世界ではそれがリアリティー。
    短編小説のように説明する言葉の数は少ないが、その選択は的確で、それがかえって人物、展開の濃さをうんでいるとおもう。
    おれはこの本好きだなぁ。

  • 「ジョゼ」が出てくるサガン三作目。
    ストーリーは特に魅力的な訳でもない。悲劇ではないが報われないし、言うなれば単なる群像劇。それでも読ませるのは、やっぱり類稀なる文章力に魅せられるから。

  • 遠くから眺めるとだらだら続いている日常を描いているんだけど投げずになんとなく読んでしまうフランス的な雰囲気のそれ。
    あーもうだめだなこの人たちー、とぼんやり思いながら苛立ちの描写には共感するところがあったり。
    どこかで終わりを予期しているのにそれは今じゃない、といつも言われているような感覚になった。

  • 孤独から逃れようとして恋をしたり
    恋人が居て愛されれば孤独ではなくなる

    そんなことは全部ウソだ。
    誰かを好きになり愛すれば愛するほどに人は孤独の意味を知るようになる。
    身近にその存在を感じるようになる。
    どんなに好きでも決して一つにはなれなくて個々の存在であると認めても傍にいることを選ぶ、そして時間が過ぎ一年がたち、その優しい痛みを抱えたまま隣にいる相手を愛する。

    いくら時を重ねても誰かを愛しても愛さなくなっても、そこにはただ変わらず流れる一年が毎年訪れるだけなのだと。

  • 登場人物に苛つくなぁ。
    みんながみんな自分勝手だ。

    雨の降る午後に気怠げに読むのが向いていそう。


    なんでジョゼなんだろう。

  • 一年とは短いようで、人生の全て、始まりから終わりまでの一連の流れがそこには集約されている。そこには必ず一つのベクトルが敷かれており、その流れは何者にもどうする事も出来ない。人はその大きな流れに絶望し、感嘆とする。空虚な流れを、パリに住むある階級の男女間の交流に描いたフランソワーズ・サガンの第3作目。

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