- Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102118054
感想・レビュー・書評
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フランス人・ジョゼと
アメリカ人・アラン。
夫婦の葛藤と行く末を描いた物語。
「一年ののち」に続くジョゼの物語。
冒頭、ジョゼはアメリカ・フロリダにいて
アランというアメリカ人と結婚していた。
アランはジョゼに執着し、嫉妬し、妄執する。
何度も繰り返される冷たい詮索と息苦しい圧迫。
ジョゼは行きずりの船乗りと情事を持つ。
そして、何度もの夫婦の葛藤や言い争いののち、
ジョゼはパリへ。
アランは追いかけてくる。
別れそうで別れない。
アランの圧迫に嫌気を感じつつ、
どこかで求めているジョゼ。
途中、「一年ののち」で
ジョゼを思っていた
ベルナールが出てきて
ジョゼを救おうと試みるが、
それはやはりジョゼ本人次第。
恋愛とは、孤独な魂を埋め合う葛藤。
アランの圧迫を逃れて、
孤独になりたいジョゼ。
しかし、孤独になると、
いつもアランとの時間を思い出す。
その堂々巡り。
ラスト。
疲れ切った二人の会話で
物語は終わる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サガン独特の恋愛する男女の心理描写が相変わらず巧みで、期待を裏切らないサガンの空気感を楽しむ事ができました。それを壊さない翻訳も素晴らしいのだと思う。
今回もサガンが活躍した当時のフランスのブルジョワジーの世界が読み取れるのと同時に、フランス人から見たアメリカ人の印象の様なものも描かれていて面白かった。
ジョゼが夫の執着に苦しみ逃げ出してもまた戻ったり奔放な行動を取ったりする様や、アランが嫉妬のあまり行き過ぎた言動に走る姿は、同年代の頃に読んだらとても苦しい気持ちとなったりどちらかに共感できなかったりするのだと思うが、この年代を通り過ぎた今の自分にはどちらの気持ちもわかる様な、追憶の中にいる様な気分になります。 -
サガンの5作目、いつごろ読んだか?
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サガンのプロットには主張がなくて、話を引っ張るのは気持ちのうつりかわりが中心になっているが、それは驚異的なことだと思う。そこにはリアルがあるが、真実というには悲観的すぎる。彼女のリアルはおしゃれで、テンポがいい、言葉に力がある、ガチガチ、表現は的確。
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「一年ののち」の続編。
嫉妬深い夫のアランに悩まされるジョゼ。なんだか息苦しい。 -
(1971.10.14読了)(1971.10.06購入)
*解説目録より*
異常な嫉妬と妄執で妻ジョゼを悩まし、冷たく詮索する美貌の夫アラン。その息苦しい圧迫から逃れ、わずかの呼吸の場を情事の中に求めるジョゼ。そして最後に、傷ついた闘士のように寄りかかったまま動かない二人―。パリを背景に、孤独の魂の触れ合いや愛の葛藤をさりげない会話の中に描き出した美しい作品である。
☆関連図書(既読)
「悲しみよこんにちは」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1955.06.25
「ある微笑」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1958.05.05
「一年ののち」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1960.01.15
「ブラームスはお好き」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1961.05.10 -
読んでいる間中、ずっと息苦しいのに、気になって読むのをやめられなかった。
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カッコいいけど嫉妬深いアランと結婚したジョゼ
かなり言ってること「甘くねーか!」←中年になって読んだからだろう
と思うところ多々あり(^_^;)
前作からエドワール(ベルナールじゃないね)が出てきたり
シリーズもん大好きな心をくすぐられ。。。
現代で言ところのプチモラハラ男からの脱出な話で
これまたハマり。。。
続編「失われた横顔」を読むわけで。。。 -
画像が出ないのが残念な、綺麗な装丁。
もちろんジョゼに感化されて読んだわけです。
アメリカ人のお金持ち、アランを夫に持つジョゼ。
アランから向けられる愛情(嫉妬)を受け止められないジョゼ。
その二人の周りに登場する他の人たち。
どうやら三部作の二作目らしいので(またしても順番間違え)
他のも読んでみようかどうか思案中。
サガンなら他にも読みたいものがあるしなぁ。