優しい関係 (新潮文庫 サ 2-7)

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  • 新潮社 (1971年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102118078

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優しい関係 (新潮文庫 サ 2-7)の感想・レビュー・書評

  • 引っ越しの本棚整理中にうっかり手に取り、再読。

    サガンは中学生の頃にはまっていて、なかでもこの作品が好きだった。
    ウン十年ぶりに読んでみると、なんともまあ昼ドラチックで。
    何(どこ)に共感して好きだと思ったんだ、中学生の私?
    ……と思ったものの、作品としてはやはり惹かれるところが多くおもしろかった。
    すっかり忘れていたので、サガン作品で「舞台がハリウッド」に驚く。

    見返りを求めず、自分の何もかもを捧げて主人公を守り愛する青年。
    そしてそんな風に愛されることに、恐れを抱きながらも彼を見放せない中年女性。

    中学生の私はいったいどちらに憧れたんだろう。
    当時に思いを馳せてセンチメンタル気分に浸ってしまった。

  • 1つの決められた道を進むと倦怠が来て、別の道がちらちらと見えて、常に満足しない気分をもつ女性のゆらゆらした気持ちを描いてる。
    この本のドロシーは、繊細な心の側面を完璧に守ってくれるひとりのヒッピー少年と、社会的生活や性的楽しみなどを完璧に与えてくれる成熟した男性の二人と関係を保つ。そして物語の最後は楽しげ。
    二面性というか心のなかにくすぶる繊細な微細な「満たされなさ」を上手に描いているのかなと思う。

  • ああ、人が人生を愛するとき、人生がどんなに魅惑的であるか、私はいくら言っても言いたりない。日々の美しさ、夜のときめき、アルコールの、そして快楽の幻惑、愛情の激しい戦慄、仕事の興奮、健康、自分が生きていることを感じて目ざめるときの信じられないほどの幸福、自分の前に差し出された巨大な一日、この豊饒な時間のすべてを持つこと、睡眠が枕の上に私たちを再び死のポーズに凝固させるまで……。(p.55)

    いったい人間たちと、彼らの最も内奥な欲望、つまり彼らの幸福への恐るべき意思とのあいだを常にへだてている壁は何なのだろう?それは、まさに彼らが心の中にいだく幸福のイメージなのではないだろうか。彼らはそれを心の中で育むので、彼らの生活はそれとは永久に相容れないものにしてしまうのではないか。(pp.73-74)

    「でもね」と私は言った、「私に言わせれば、人はふつう、つきあいのある人間についていろんなことを知りすぎているわ、うんざりするくらい。その人がだれといっしょに住んでいるとか、なんで生計をたてているとか、だれと寝るとか、自分自身をどう思いたがっているかとか……とにかく知りすぎていますわ。すこしぐらい謎の部分があったほうが気持がやすまるんではないでしょうか?そうお思いになりません?」(pp.115-116)

  • サガンはストーリーテラーだ。いわゆる純文学とは違っている。
    人の感情をつかんで描くのが天才的で、それが我々にとっては荒唐無稽にもうつる話にリアリティーを与えている。
    このむちゃくちゃな話をオブラートに、軽いがただ軽いだけの話にしていないのがすごい。
    いやーやっぱり好きだなぁサガン。
    この話は特に幸せだった。

  • サガンの作品はどれも短いし、何度でも読める本が多いです。サガンは魅力的な女性だったのだろうと思いますが、サガンの作品の何がいいのかと言われると難しい。
    サガンらしいフランス的な言い回しや、美しい文章でしょうか。代表作と言えば「悲しみよこんにちは」で、作品としてはそっちが一番だと思いますが、物悲しい感じの「失われた横顔」も好きですし、本書にはどこかユーモラスで楽天的な感じがあり特に好きです。

  • 美しい不能な男

  • サガンの小説に出てくる主人公は、美しいものと楽しい人生を愛する楽天家で、不幸よりも断然幸福が似合う女性ばかり。そんなところが私がサガンの小説を好きな理由なのです。

    でもこの小説には、こんなくだりがあった。以下、引用。
    「たやすく幸福になれるということは、考えてみれば、恐るべきことだ。幸福というものは、非常に束縛的なもので、神経衰弱と同様、それからのがれることはできない。ひどく厭なことが重なり、身をもがいて抵抗し、自己を防衛し、ある考えにとりつかれている最中、突然、幸福が額にぶつかる、小石のように、太陽の閃光のように。そして人は生きていることの喜びでいっぱいになって、うしろへつれもどされるままに身をまかせるのである。 」

  • 好きだった人にもらった本。

  • 純真無垢な心とでも言うんでしょうか。あんな無償の愛、捧げられてみたいです。まあ人を殺されるのは遠慮したいですけど。(笑)

  • (1971.10.23読了)(1971.10.06購入)
    *解説目録より*
    いささか浅薄で思慮にも欠けアル中気味ではあるが、自分の道をごまかしなく歩こうとする黄金の心の持ち主ドロシーと、無償の愛に生きるヒッピー青年ルイス……。若い世代の心の動き、その悩み、愛情、人生を眺める視線、男と女がかもし出す不透明な雰囲気などその文学的才能と鋭い感性でとらえるサガンの第七作。

    ☆関連図書(既読)
    「悲しみよこんにちは」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1955.06.25
    「ある微笑」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1958.05.05
    「一年ののち」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1960.01.15
    「ブラームスはお好き」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1961.05.10
    「すばらしい雲」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1968.03.25
    「熱い恋」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1970.03.10

  • 途中から、どう物語を着地させるのだろうと読み続けたが、タイトルの意味のわかる終わり方だった。

  • ハリウッドを舞台に、魅力的な恋人を持つ中年女性が拾ってしまった美しい青年。轢きかけたルイスを数日介抱したことで、ドロシーに愛を抱いた彼は、彼女を悲しませる人を殺していく。やがてその美しさからハリウッドで成功を収めていくルイスだが、ポールと結婚しても尚ドロシーからは離れないのでした。
    なんて粗筋はどうでもいい。相変わらずとにかく文章が美しすぎる。面白かった。

  • サガンは読んでいて心地よい。

  • 図書館て゜借りました。

     恋愛本。女性視点。ドロシーの一人称。
     天使のように美形の青年、ルイス。LSD中毒でおかしくなったいたところを、車で通ったポール、ドロシーカップルの前に踊り出て、骨折重態。
     ドロシーは45歳の、ほぼアル中のシナリオライター。その青年を家に入れ、世話をする。無償の行為に、ルイスはすっかり、ドロシーを愛してしまう。
     そしてドロシーを苦しめるものを、的確に屠っていく。

     ルイスが可愛いのです。すごく。子供みたいで。そして共感はできるのですよ、彼に。
     ドロシーの言葉がいいのです。
    「私生きることが好きだわ。お日様が好き。もっと生きていたいわ」
     殺される間際に、「殺さないで」「死にたくない」という言葉は出ても、この言葉はなかなかでないかと。無夜もきっと、ドロシーのような存在を見つけてしまったら、好きになるでしょうね。

     この三角関係は、体の関係には至らず、母と息子(弟)と母の恋人って感じで安定して、ポールはルイスを受け入れます。
     この殺人鬼と三人で暮らすという形が、ドロシーの幸福だからです。
     いい男ですね、ポールは(こういう男を手に入れられたら、人生勝ち組でしょう)

  • フランス人の恋愛感覚だから描けたもの。新しい関係であるし、許しあった優しい関係がそこにあった。愛って本当はこれ位軽くて、これ位優しいものかもしれない。読み終わった後に、朝吹登美子が何故、「優しい」関係と訳したのか解る気がする。

  • 大人になったらまた読んでみたい。

    江國さんっぽいような。

  • 「LE GARDE DE COEUR」魂の護衛
    サガンといえば『悲しみよこんにちは』
    でも、こっちがすき。
    彼女と彼と、彼。
    中年男女と青年のおはなし

  • ルイスのキャラクターが良いです。
    荒唐無稽ではある。

  • 『優しい関係』はサガンの小説。1968年発表、パリのジュリアール書店から発行された。ハリウッドが舞台で、この映画産業の中心地をサガン的に上手く利用して物語を作っている。キーパーソンであるルイスという男性がまたいかにも映画的な珍奇な人物として描かれていて、「私」とポールという男性の恋愛関係に複雑さをもたらしている。

    サガンは本作においてもまた「三角関係」をテーマとして選んでいるが、今回はルイスという珍奇な人物によって、それにひとひねり加えている。シナリオライターであるドロシー(語り手である「私」)は、映画会社の代表者をつとめるポールと恋愛関係にあって、話は二人が車で夜を過ごすための場所に向かっているところから始まっている。そこにLSD中毒のルイスが飛び込んでくるのだった。その後、「私」はルイスを自宅に連れ込んで、しばらくは彼の怪我の治療という名目のもとに一緒に暮らす。ルイスはあらゆることに冷淡で、俳優として見込みがあり、実際に作品に出演する段になっても、何一つ無関心な態度を変えることもない。しかし、彼は何の代償もなく自分に接してくれる「私」に対して、強い愛情を抱いていたのだった。

    後々、ルイスという男がノーマルな恋愛ができない事情が明らかになっていくわけだが、ポイントは、その代償として(といっていいだろう)、「私」に危害を加える人間を軽蔑し、片っ端から物理的に攻撃を仕掛けていくということだろう。いかにもハリウッド映画にありそうな筋立てだけど、小説でやるとなるとチャレンジングなものになる。『優しい関係』においてルイスという人物に説得力があるかどうかは各自が判断することになるのだが、個人的には意外に良くできているように思えた。

    解説によれば、本書の原題はLe Garde de Coeurで、意味は「心の護衛者」になる。もちろん、ルイスが「私」を守っているという解釈で正しかろうが、実際読んでいると、彼は「私」を厄介ごとの渦中に引き込んでいるともいえなくない。一体彼は「私」をどんな風に守っているのかという点が問題なのだけれど、この点について、「世俗から」守っているのだと簡単に付け加えておく――言ってみれば、ルイスは、日々生活をするなかで被る疎ましい出来事から彼女を守っているのだ――傲慢な社長の不条理な人事、有名女優の嫌がらせ、あるいは映画監督の無意味な罵声といったものから。

  • 初めてサガンを読みました。
    とっても、大らかで温かい本だったと思います。
    主人公のドロシーがとても素敵です。
    男性もたくさん出てきます。
    どの人もたいてい美男子と表現されており、
    それだけですでに好感がもてますが笑、
    みな愛すべき人物たちです。

    ドロシーの人生に対する愛情が所々で表現されていて、
    それだけで十分、私は幸福を感じることができるのでした。

  • 7作目。

    サガンもこういう作品を書くんですね。
    私の好きな心理描写よりも、どちらかといえばミステリーやサスペンス色が濃くて、
    そういう意味では早く続きが読みたくなる作品ではありますが、
    好きか嫌いかを問われると難しいなぁ。

    全作品「熱い恋」でも感じましたが
    邦題が原題とかなりニュアンスが違うような気がして
    非常に残念。

  • 絶対的中性の存在として描かれる青年と、若いとは決して言えないが、恋愛を一通り経験してきた主人公の女性とそのフィアンセの三角関係をモチーフに描かれる人々の距離、幸せの尺度。3人の様々な幸せの形はお互いに干渉し合い物語を彩って行く。

    青年のあり得ない設定が有りがちなモチーフを際立たせ物語を動かす鍵になっている。何か起こる度、そうあって欲しいだろう女性の願望を書き上げようとしているのかしら、と想像したりした。短絡的に恋愛小説とは決して言えず、人と人の距離感のようなものを描きたかっただろうと推察せざるを得なかった作品。

    たとえ異性と距離がゼロになっても結ばれてはならない関係、青春で片付けられない大人の関係、設定の要素と物語のフラグの立ち方など計算されていてなぜか推理小説の様。しかし、その中でも距離感を描く要素や作者の恋愛観の様なものが素敵に思われました。

  • ルイス気持ち悪い。。。

  • *ブログ感想あり*
    http://blog.livedoor.jp/marine0312/archives/51575422.html

    相変わらず読みやすく、優雅で、ちょっと楽しくちょっと哀しい恋愛物語
    ルイスが「NANA」のシンのイメージ。すきです。
    「人生は素敵」と繰り返す、主人公ドロシーも好き。

  • 初めて読んだサガンの小説です。
    タイトルに惹かれて買いました。
    (サガンにとって「優しい」ってどんな優しさなんだろうという疑問から)

    よかったです。
    サガンの小説は恋の悲しさも表しているけれど、この小説は妙な明るさといったらいいのか、
    そういうものがあって、読んでいて心地よかったです。

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