- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102118221
感想・レビュー・書評
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100ページで挫折。
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サガンの22作目。
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「夏に抱かれて」F.サガン著・朝吹由紀子訳、新潮文庫、1992.03.25
250p ¥400 C0197 (2018.07.07読了)(2018.07.05拝借)
【目次】
第一章~第十六章
訳者あとがき 朝吹由紀子
☆関連図書(既読)
「悲しみよこんにちは」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1955.06.25
「ある微笑」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1958.05.05
「一年ののち」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1960.01.15
「ブラームスはお好き」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1961.05.10
「すばらしい雲」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1968.03.25
「熱い恋」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1970.03.10
「優しい関係」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1971.08.20
「冷たい水の中の小さな太陽」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1972.09.20
「スウェーデンの城」F.サガン著・安堂信也訳、新潮文庫、1973.05.25
「幸福を奇数に賭けて」F.サガン著・安堂信也訳、新潮文庫、1974.01.30
「心の青あざ」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1975.05.30
「失われた横顔」フランソワーズ・サガン著・朝吹登水子訳、新潮社、1975.12.10
「時おりヴァイオリンが・・・」F.サガン著・安堂信也訳、新潮文庫、1976.03.30
「草の中のピアノ」F.サガン著・安堂信也訳、新潮文庫、1976.07.30
「愛と同じくらい孤独」F.サガン著・朝吹由紀子訳、新潮文庫、1979.05.25
「絹の瞳」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1980.07.25
「乱れたベッド」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1981.03.25
「愛は遠い明日」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1987.01.25
「赤いワインに涙が…」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1987.08.25
「愛の中のひとり」F.サガン著・朝吹登水子訳、新潮文庫、1989.08.25
「ボルジア家の黄金の血」F.サガン著・鷲見 洋一訳、新潮文庫、1990.05.25
「私自身のための優しい回想」F.サガン著・朝吹三吉訳、新潮文庫、1995.08.01
「愛という名の孤独」F.サガン著・朝吹由紀子訳、新潮文庫、1997.10.01
(表紙・裏より)
1942年のあの夏は、この世で最も輝いた美しい季節だった。ドイツ軍の占領間近いフランスの東南部ドーフィネ地方に住む実業家シャルルのもとに、幼友達のジェロームが愛人アリスを連れて訪れた。二人はレジスタンスのために心優しい男の館を利用しようとした。しかしジェロームを苦悩させる激しい愛の嵐がシャルルとアリスを襲う……ひと夏の大人の愛の優しさと悲しみを描く長編小説。
文庫: 249ページ
出版社: 新潮社 (1992/03) -
2015/10/2
メモ
そのままシンプルな意味で、
サガンらしいようで、サガンらしくない作品だな、と。
具体的なようでいて、ふとサガンらしい雰囲気を醸し出したり。
歴史的背景が、リアルで事実なので、
イメージですが、
いつもの作品が抽象的な香水の香りであるのなら、
今回は生活感のある匂い、のような。
ジェロームの一側面が、自分と重なっているように感じてしまいました。218 -
本当は両想いだけれども、まだお互いに片想いをしている男女が感じる幸せな瞬間がたくさん詰まった20-30代の大人の恋愛物語。空気の振動までも描くサガンの表現力が素晴らしい。心理描写が精緻で、サガン自身、本当に感受性が豊かなひとなのだろうと思う。
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第二次世界大戦下のフランスを舞台に、アリス、ジェローム、シャルルの三人の間に揺れ動く感情を描いた作品。
ドイツに対するレジスタンス運動を率いるジェロームと、その恋人アリスは、ジェロームの旧友シャルルの家を訪れる。彼の住んでいる田舎はドイツの占領とはまだ無縁の地で、彼自身ものんきに過ごしていた。
この三人は三角関係になるのですけど、あんまり昼ドラみたいにどろどろしていなくて、サガンらしいあっさりとした客観性とまるで自然風景を描写するような美しく繊細な表現でもって、いっそ軽やかでさえあります
おもしろいのがジェロームとシャルルが正反対の性格(ジェロームは堅物でヒューマニスト、シャルルは女好きで陽気)でありながら、昔から「相手の女を奪っても恨まない」というような協定を結んでいて、二人がお互いに対して抱いている思いや、アリスに対して抱いている愛情の違いなんかも対比されてておもしろかったです。
また訳者さんのあとがきにもありましたが、「小説の大半が一週間の間に展開されているのに対して、最後の章はその進行の速度を増し、出来事を素早く報告する形で終結へと導かれているが、この技法も実におもしろい」、読者は置き去りにされていると感じる方もいるかもしれませんが、その突き放され方がかえって自分によっては余韻が残ってよかったです。 -
なかなか
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暢気な色男シャルルが個人的な経験を通して対独レジスタンス活動に手を染めることになるというのが一つの肝ではあり、軽佻浮薄な男が恋愛を通じて天然の誠実さに目覚めるというのはサガンがよく試みることで、結構なことだとは思うけれどこの小説では取ってつけたようでうまくいっていないと私は読んだのだけれど、もしかしたらサガンはゴミ拾いのボランティアとかに参加するような気楽なレジスタンスを描こうとしたのかもしれないしそのへんは不明。とにかく個人的にはつまらなかった。主人公アリスを愛するシャルルとジェロームがおそらくサガンの意図に反して質的に大差ないように読め、どっちでもいいから早く選びなさいと思ったので途中で飽きたし。アリスが鬱病でデリケートという設定も、これはモテる病なのか? という印象のみを与える描き方でたぶん手抜き。きっと不調だったんだろう。
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サガンが戦争やレジスタンスといったアイテムを使うと、かえってハーレクインロマンス的になってしまうという印象をなんとなく受けた。