人間の土地 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102122020

感想・レビュー・書評

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  • 辛く悲しいことがあると僕は『人間の土地』を読む。

    そして、雪山で遭難し生還したギヨメの話をゆっくりと噛み締める。

    読み終えると、暖かい太陽の下でのんびり昼寝をする。

    そして僕はまた毎日へと戻る。

  • 航空黎明期
    星を編む事ができるようになった頃の話
    航空線が無い時代の空を飛ぶ事の意味や、生きる事の素晴らしさを非常に分かりやすく教えてくれる尊い本
    安全に空の旅が楽しめる現代とのジェネレーションギャップが鮮度抜群にページを進ませる

    星の王子様よりこっちを読もう

  • これは、作者サン・テグジュペリが、職業飛行家としての15年の思い出を綴ったものだ。

    はじめの数ページを読むだけで、この本の語り手である「ぼく」と、星の王子さまの語り手「ぼく」が同一人物だということがよくわかる。
    当然だ。作者は同じで、「人間の土地」は作者の実体験であり、「星の王子さま」は作者の実体験のように語られるのだから。
    ただ、「星の王子さま」を読んだ時に感じたあの気持ちを思い出させてくれたのだ。うれしいような、懐かしいような、でも少し切ない気持ちを。

    彼が教えてくれるのは、人間の本質、生きることの本質だ。

    ---- ---- ----

    たとえ、それが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる、そのときはじめて、ぼくらは平和に生き、平和に死ぬことができる、なぜかというに、生命に意味を与えるものは、また死にも意味を与えるはずだから。
    ・・・・・・『人間の土地』224頁

  • 哲学的。ひたすら美しい表現で描かれている。この本はあの「星の王子様」の著者の作品。読後、「この本は、一生自分の手元にあるであろう本だ」と確信した。

  • 今ほど、飛行機が安全な乗り物ではなかった時代。飛行機パイロットとして、生命の危機や未開の地を飛行する中で、筆者が考えたことをつづっている。。

    特に心に残ったのが、「人間であることは、とりもなおさず責任を持つことだ」の部分。どんな人にとっても、責任というものを背負っていて、その責任を果たすことで、社会を変革しているのだということ。それは、仕事の大きさに関係ない。

    まだまだいろいろ学べそうなので、また後日再読したい。

  • 『星の王子様』で有名なテグジュベリの、『星の王子様』以上の名著。
    職業飛行家としてのテグジュベリの経験を綴った書。
    きっと相当難しいんだろうけど、堀口さんの訳の読みにくさは異常。
    内容は、ヘタな哲学書よりも人間の本質や自然の尊さを学び取ることができるもの。テグジュベリの偉大さはこの本にこそある。

  • 大切にしている本。
    これから先、何度も何度も読み返すだろうな。

  • 職業飛行家としての劇的な体験から、本質的な人間のあり方を探った著作です。
    いくつもの死地をくぐり抜けてきた人だからこそ、この人間本質の発見に説得力を感じます。
    砂漠に墜落し、蜃気楼と現実の間をさまよう描写の凄まじさは、実際に体験しないと書けないでしょう。

    「なぜ憎みあうのか?ぼくらは同じ地球によって運ばれる連帯責任者だ、同じ船の乗組員だ。新しい総合を生み出すために、各種の文化が対立することはいいことかもしれないが、これがお互いに憎みあうにいたっては言語道断だ」

    この言葉がフランスの作家によって言われたということを、私は頭に留めておきたいと思います。

  • 星の王子様より面白いかも。
    少なくとも2章[僚友]は鉄板。
    わずか20ページ強の文章なのに人間って存在について
    すごく洞察があるし、エピソードそのものが感動。

    雪山で遭難した飛行士、ギヨメ(サン=テグジュペリの親友の1人)が
    雪山を5日間歩いた末に救出されたときに言った言葉。

    「ぼくは断言する、ぼくがしたことは、
    どんな動物もなしえなかったはずだ」

    この言葉が重い!!!
    何が人間を人間たらしめるのか、っていう問いへの
    一つの答えがここで示されてます。

    読んでる途中で
    『ギヨメお帰り!よく帰ってきた!!』
    って思った。

    読みやすい各章区切りなとこもおススメ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「星の王子様より面白いかも」
      「王子」の面白さはとは全く別物ですからね。「人間の土地」は現実的と言うか元気が湧きますネ。
      「星の王子様より面白いかも」
      「王子」の面白さはとは全く別物ですからね。「人間の土地」は現実的と言うか元気が湧きますネ。
      2012/10/12
  • 宇宙から見ても分からない様々な事柄。
    地球のちょっと上空を飛ぶからこそ見えてくること。

    • yurinippoさん
      ずいぶん前にコメントいただいてたのに気付かずに済みませんでした。
      >地球のちょっと上空を飛ぶからこそ
      おっしゃるとおり、今よりゆっくり低...
      ずいぶん前にコメントいただいてたのに気付かずに済みませんでした。
      >地球のちょっと上空を飛ぶからこそ
      おっしゃるとおり、今よりゆっくり低く飛ぶ飛行機だからこその目線ですよね。

      それから、素敵な本棚なのでフォローさせていただきました。
      2010/02/01
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著者プロフィール

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。1900年6月29日、フランスのリヨン生まれ。
幼少の頃より飛行士に憧れてその職につく。飛行士と兼業して、飛行士の体験をもとに『南方郵便機』、『夜間飛行』などを発表。
第二次世界大戦中、亡命先のニューヨークにて『星の王子さま』を執筆し、1943年に出版。同年軍に復帰し、翌1944年7月31日地中海コルシカ島から偵察飛行に飛び立ったまま、消息を絶つ。
その行方は永らく不明とされていたが、1998年地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くの海域でサン=テグジュペリのブレスレットが発見される。飛行機の残骸も確認されて2003年に引き上げられ、サン=テグジュペリの搭乗機であると最終確認された。

サン=テグジュペリの作品

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