青い麦 改版 (新潮文庫 コ 4-1)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102123010

感想・レビュー・書評

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  • 典型的な話なんだけど、よく書けていて、生物学的な恋愛感覚だろう。とはいえ夏のバカンス。そこらへんがいいんだな。なぜそういうことになるのか?海岸だ。轍だ。

  • フランス人作家 Coletteが1922年に発表した長編小説。幼馴染の少年フィルと少女ヴァンカ、そしてフィルの前に突然現れた未亡人ダルレー夫人の三角関係を描いた物語です。ダルレー夫人というスパイスが効いた思春期の一幕の中で、大人へと変化していくフィルとヴァンカの心の機微が瑞々しく描かれています。多くの訳本があるので、自分に合ったものを探すのが良いと思います。それにしても、とてもフランスっぽい作品です。

  • 堀口さんの翻訳、助詞の使い方が特殊すぎてかなり読みにくい。

  • 中編というほどの長さだが、物語がなさ過ぎて軸をつかみきれず、そのふんだんな修辞語を駆使した自然と心理描写を味わうことができなかった。むしろそれが苦痛だった。楽しくない読書をすることほど無駄はないと思う。しかしこれをコレットのせいにしたくはない。1世紀前のフランスほどロマンのない現代日本において、16歳の坊主と娘の恋物語はあまりにも甘すぎる。旅行先の解放的な自然の中であれば、あるいは僕もロマンチックに「青い麦」に浸れただろうか。


    17.9.12

  • フランスの恋愛小説。なんとも官能的。重要な部分が具体的に書かれていないので、余計にエロティックでもやもやする。
    それにしても、ヨーロッパのティーンエイジャーの恋愛物って、「朗読者」にしろ同じような展開。性の衝動を抑えきれない若者が、中年の女性に導かれ、はまってしまう。
    この本では、主人公の青年には幼馴染のガールフレンドがいて、夏のバカンスの期間のみ一緒に過ごすのだが、遠慮と気恥ずかしさから一歩踏み込めない。読んでいるほうもじれったいのだが、そこに色っぽい女性が登場し、彼はあっという間に別人のようになってしまい、ガールフレンドは戸惑う。
    ヨーロッパの子どもは、ませているな…日本だと同年代の子たちは高校受験とか頑張っている時期なのだけれど、この本に出てくる子たちは、恋愛のことで頭がいっぱいのようだ。翻訳は、訳された時代を考えるとそれほど古臭くなく美しいのだが、わかりづらいのはおそらく原文がわかりづらいのだろう。元の言語によって比喩が全く違うのが面白い。原文が英語だと元の表現を無意識に想像しながら読む癖があり、集中できないことがあるが、フランス語なので大丈夫だった。

  • 薄い本だが。なかなか一筋縄ではいかない。読み進むのに時間がかかった。思春期の男女の心理、行動に優れた表現もある。高校生くらいの時に読めば、また違った受けとめ方ができていい読書となっただろう。

  • #あとがきによるとこの小説はもともと一幕劇として構想されたものらしく、「最後の台詞で照明がつくと観客は、この登場人物が15歳の少女と16歳の少年だと気づいてびっくりする」とか当初は、『ロミオとジュリエット』意識してたのかしら。ロリ設定と、短期間で登場人物が劇的に歳をとるところ。

    #しかしいま読むと描写が魅力的なのは、だんぜんダルレー夫人の方で。オレンジエールから氷をつまみ出すカットのエロめかしさや、「生きた鰻から取出した鰻の心臓のように、彼女から遠く離れていながら、僕はまだあの歓喜にときめいているほどだもの」!

    (2009/05/15)

  • 少年と少女、そして年上の人妻との三角関係とその終わりを描く。題材はいかにもドロドロのメロドラマといった風情だが、コレットの筆がそれを色彩豊かな詩編に変えている。パレットの上に出した絵の具を混ぜながら色を作るように、人物の心情は極彩色も、混ざって彩度が落ちた暗色も、すべてそのままに描かれ、取り繕うことがない。ただ、それは少年、少女、人妻のみで、それ以外の登場人物は全く平板に描かれる。それだけに3人が一層引き立っている。
    (2015.8)

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー「ブックサロン」で登場。
    http://harajukubookcafe.com/archives/935

    ゲスト中沢けいさんの人生を変えた一冊。

    「高校一年か、中学3年の時に読んで、あ、じゃあ『海を感じる時を書こう』と思ったきっかけの本です。当時、落合恵子さんの「スプーンいっぱいの幸せ」という本が読まれていて、その中にこの本が登場したので、読んでみようと思ったんですね。」(中沢けいさん)


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://harajukubookcafe.com/
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

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  • とにかく青い。何もかもが。
    そこが眩しく美しい。

  • いつもサガンの本の隣に置いてあり、気になっていたので読んでみた。
    15才の少女と16才の少年の南仏ブルターニュ地方における恋物語。
    サガンを彷彿とさせるが、訳のせいか、やたら読みづらい…。題名はなかなかうまいと思ったけど。

  • 思春期である二人の大人になりきれず、子どもにもなりきれない複雑さを描く。
    大人が馬鹿にするようなことだって当人たちにはとても深刻なこと。
    無邪気さと大人びた様子の変化にはっとする。

  • 20130112

  • 16歳と15歳! 幼なじみの少年少女! ブルターニュ夏の海! とまあ、ズドンとくる直球な青春物語。この夏、俺はキメるぜ! とばかりにヴァンカへの恋心を募らせるも、年上マダムへの肉欲に勝てず悶々とするフィリップには「お、兄さん青春してるね」と言いたい気分になり、すべてお見通しでどうにもならない嫉妬を抱きながらも想いを貫くヴァンカには「なんて強いコなの、大人だね」と思ったりなどつい、おばちゃん目線になりました。こうでもしなければ瑞々しさがまぶしくて。常日頃「リア充爆発しろ!」と口走る人には勧められないお話。

  • 10代の、恋に目覚め始めてきた頃の子供達のお話です。
    正直言って、今の私には昔のこと過ぎて共感できないけど、初々しさを感じることができます。

  • 中学時代を象徴する一冊。中学生諸君に読んで欲しいなぁ。なんでか知らんけど。

  • 話は青春恋愛小説の王道・・・といったところでしょうか。

    思春期らしい葛藤と成長していく過程は読んでいてとても共感できました。


    しかし、どうにも訳が苦手です。正直言って読みづらい・・・
    言い回しも古い印象で、読点の使い方等に違和感を感じました。

    内容自体はよかったと思うのですが、それらの点で星3つの評価にしました。
    他の翻訳者の「青い麦」も読んでみたいと思いました。

  • 体と心の歩みに揺れる青春期の恋を詩的に描いた小説。
    幼馴染が日々加える美しさと変わらぬ健やかな振る舞いに、驚きとやさしさと意地悪な気持ちが錯綜する16歳の少年が主人公。

    彼女は僕のものだ。と高まるばかりの所有欲と年齢との隔たりにもどかしさを覚える一方で、彼女は無垢であって欲しいと願う矛盾を抱える点に懐かしさを感じました。恋人を頭の中で神格化してしまいがちな。

    物語は、心のスキマお埋めしますとばかりにマダムが快楽へと導き、恋人との関係が変化していきます。
    思うよりずっと女性は現実的で逞しいですね。

  • 1153夜

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