月と六ペンス (新潮文庫)

  • 新潮社
3.81
  • (114)
  • (133)
  • (157)
  • (12)
  • (5)
本棚登録 : 1211
感想 : 144
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102130056

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 語り手の皮肉が個人的には多すぎた。

  •  画家のゴーギャンをモデルに、天才の傲慢な奇行とそれに悩まされる人々の葛藤を描いたモームの傑作。
     
     才能があったら、何をしてもよいのだろうか?人を傷つけてもよいのだろうか。

  • ゴーギャンの伝記に触発されて書かれた本。平凡な株式仲買人が妻子を捨て、友人の妻を自殺に追い込んでまで美を追求する一生を描く。月は人間をある種の狂気に導く芸術創造熱、六ペンスは人間社会のくだらない因習や絆を表す。人間の不可解性について考えさせられる作品。

  • 綺麗。

  • すごく面白かった。マイ・ベスト入りかもしれない。
    芸術家が主題ではありながら、むしろ語り手を含めた普通の人の描写において巧みなのだろう。正確には、超越した芸術家を前にして普通の人の弱さ、あるいはしなやかさ、そういった心の機構が軽やかに彫り出されている。とりわけストローヴの造型には息を飲むしかない。パリでの人間模様などは、ほんとにすごい。ストリックランドを前に一応強く出れるがそれでも負けていることを感じざるを得ない語り手のやりとり、芸術家に振り回されざるを得ない女性の心理、何度も読み直したいくらいだ。(いかんせん恋を馬鹿にしすぎている気もするが)
    タヒチに入ると人間関係の緊張感はなくなってしまうが、逆に芸術と自然の気迫が伝わってくる。
    はたしてこれが通俗小説なら、僕はもっと通俗小説をいっぱい読んだ方が良さそうだ。

  • 画家ゴーギャンの伝記から暗示を受けて書かれた作品とのこと。タヒチに逃れ壮大な大壁画を完成させるという帯に引かれて読んでみる。

    タヒチに渡るのは後半1/3くらいからでしたが、前半ロンドン、パリでの描写とはまったく違い別の作品を2つくっつけたかのよう。とにかく、前半のそのシニカルな描写にはこっちがまいってしまいそう。諜報機関の激務で精神を病んでの療養中に書かれたという経緯も関係あるのか?と勘ぐりたくなくるくらいです。

    全てを捨て去ってただひとつのことにとりつかれてしまった人間・・・付き合いたくないけど、傍で見ていたいです。

    ゴーギャン自身による「ノア・ノア」の方が面白かった。(これはタヒチ紀行だから、観点がぜんぜん違いますが・・・)

  • ゴーギャンの伝記に暗示を受け、書かれた小説。

    だから「ゴーギャンがモデル」と言うわけでは無いらしい。
    (人物像に共通点が無いわけでは無いが)

    主人公ストリックランドは、
    そこそこ成功した株式仲買人であったが
    突然、絵を描くために妻子を捨ててパリへ…

    このストリックランドと言う人が
    全く私の好みでは無いタイプの芸術家。
    (アンリ・ルソーの
    純粋無垢なエピソードとかのほうが、
    聞いてなんだか嬉しい)

    「絵を描く」と言う情熱を取り去ったら
    本当に本当に嫌だなあ。

    でもふと疑問、
    出奔前は、家庭の夫兼父親として
    仕事に行ったりパーティーに出たり、
    本当に普通だった、ようだ。

    パリへ出ていくとなってからの
    性格や行動の変化が激しすぎるなあ。

    箍が外れた、と言う事なのかしらん?

    印象に残ったのは、語り手の友達、
    リンゴほっぺのオランダ人、ダーク・ストルーヴ。

    実際身近にいたら、お人よし過ぎて
    イライラしてしまうかもしれないけれど(!)
    でもやっぱり、良い人だ。

    この人に会えて、良かったな。

    全体を通して、ある人のスキャンダルを聞いているというか
    そんな感じの小説。(下品と言う意味ではありません)

    モームの本はもちろん翻訳で読んでいるので
    行方さんや中野さんの力もありましょうが、
    文章が平明でだからと言って
    世俗的でないというところが
    気に入っている。

    やっぱり私は「人間の絆」が好きだ。
    また、「人間の絆」を近日中によむなり。

  • ゴーギャンを題材に話が作られているという。

    ゴッホのいろいろな話を読んだことがあるので、ゴーギャンが題材ならすごく、破天荒、非常識かと思った。

    文章は、予想外にたんたんとしていた。

    月と6ペンスは、どちらも○。
    大きさがすごく違う。

    自分の理解が、ひょっとしたら全く違っているかもしれない。

  • 天才の狂気

  • 芸術家という生き物を絵に描いたような物語。

    素晴らしい芸術を生み出す人が必ずしも奇特とは限らいけれど、人々はこういう人こそ芸術家だと崇めるものですよね、という読者に向けた皮肉が小気味よかった。

    大きな感動はないけれど、ドラマとしては面白い。

全144件中 61 - 70件を表示

サマセット・モームの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
サマセット・モー...
ポール・オースタ...
フランツ・カフカ
ヘルマン ヘッセ
ポール・オースタ...
フランツ・カフカ
ウィリアム・サマ...
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×