アクロイド殺人事件 (新潮文庫 ク 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102135013

感想・レビュー・書評

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  • 名高きアガサ・クリスティの最高傑作。小学生の時に学校図書室で友達と競うようにホームズ物に親しんでいたため、その衝撃度も大きかった。わかるでしょ?(笑)ページをめくってその文字を読んだ時、しばらく思考力が停止し、おそらく何度もその文字を繰り返して見ていたと思う。(笑)
    本作品は比較的ミステリに擦れていない若年期に読むべし!
    クリスティを世界的に有名にしたトリックもさることながら、人物描写とその機微、情感などが秀逸であり、その中でのポワロの立ち位置も面白い。仮に違う結末であったとしても、普通のポワロ物として佳作になったと思われる。そうしたことが本品を名作とする所以である。

  • 随分と前に読んでいたので、最初結末を憶えておらず、誰が犯人だっけと読みだした。
    流石にアガサ・クリスティー読ませる流れがあるなぁと思いながら、途中で、そうだこいつが犯人だったと思い出した。

  • 名作ですね。ミステリーが好きな割には初めて読みました。犯人は序盤から予測がつきますが、動機は読んでいかないとわかりません。怪しい人がたくさん出てきますが、見事に一つずつうまく説明していっています。

  • ゴシップが唯一の道楽であるような、イギリスの片隅にあるキングズ・アボット村。村の名家といえばキングズ・パドック荘とファンリー・パーク荘の二つ。そのうちのひとつ、一年前に夫を亡くしていたキングズ・パドック荘のファラーズ夫人が睡眠薬の過剰摂取で亡くなったところから物語は始まり、その翌日に夫人の再婚相手と噂され、彼女からの最後の手紙を受け取っていた村一番の富豪、ファンリー・パーク荘のロジャー・アクロイド氏が何者かに殺害されているのが発見されます。

    義妹アクロイド夫人、姪フロラ、秘書レイモンド、執事パーカー、養子ラルフ、家政婦ミス・ラッセル、小間使いアーシュラ、親友ブラント大佐、そして事件当日に目撃された謎の男。警察による捜査が開始され、ファンリー荘の関係者たちの思惑が交錯するなか、村でかぼちゃ作りに精を出しひっそりと隠遁生活を送っていた謎の外国人の正体が「小さな灰色の脳細胞」をもつ名探偵ポワロであることが明らかになります。被害者の姪、フロラのたっての希望から、ポワロは町医者ジェイムズをワトスン役に迎えて事件の真相究明に乗り出します。

    名探偵ポワロ・シリーズ長編第三作は、クリスティの代表作のひとつであり、ミステリ小説史上に残る名著。

    本作の情報をお持ちでない方には、できるだけ何も調べずに通読されることをお勧めします。

  • イギリスの片田舎で資産家のロジャー・アクロイド氏が刺殺される。アクロイドの血の繋がらない息子ラルフ・ペイトンは整った風采ながら金遣いにだらしなく、事件以降姿をくらませていることから、事件の犯人として捜索が続いていた。ペイトンの婚約者で姪のフロラはペイトンの無実を証明するため、探偵を引退し隠遁生活を送っていたポワロに助けを求めるが・・・。

    ***
    ヘイスティングズの代わりに語り手兼助手として出てくるシェパード医師がキモになる話。ヘイスティングズと比べると冷静かつ感情的でないから、読者の代弁者の役割とは違うなと思っていたが、読者を騙す側だったとは!奇跡的にネタを知らずに読み始められてラッキーだった。
    というか、これまで読んだポワロの多くはヘイスティングズが執筆した手記だったんだということを忘れていて、本作を読んで思い出した。
    シェパード医師のお姉さんのキャロラインはミス・マープルの原型らしい。なるほど確かに情報収集能力に優れている。
    でも、ポワロのように足を使って真相のパーツを集めていく方が読んでいて楽しいなぁ。本作もポワロのキャラクターが出ていて好きだったし、ポワロの外見、性質の説明が要所でうまく挟まれているなと感じた。訳者の方も訳し方が上手いんだと思う。

    冒頭をちょっとばかし読んでみたら、なるほどな犯人視点。
    今度読む時は、シェパード医師が犯罪を巧妙に隠そうとするレトリックに着目して読みたい。

  • 再読
    ミステリ史上もっとも有名な犯人が登場する作品なので
    さすがの私(ページ名参照)も真相を覚えていた
    真相を思い出せるミステリを読むのはとてもまれな経験かもしれない
    もしかしたらはじめてかも
    ヘイスティングス大尉が好きな種の内向きな事件構成という
    「本格ミステリ」部分はもちろん良く出来ているけれども
    やはりキャロラインのキャラクタが印象に残る

  • 『そして誰もいなくなった』と『オリエント急行殺人事件』の超有名な2作品しか読んだ事なかったので3冊目のアガサ。
    翻訳のせいか昔の作品だからか、登場人物の言葉使いが苦手だった。
    途中で犯人はわかったし今となっては手記だったパターンも新しくないけど、これが90年前の作品ってすごいな。伏線もたくさんあったし色々意見はあるようだけど、わたしは「フェア」だと思った。

  • 賛否両論あるという、この作品。私はまんまと騙された。

  • ポワロもの。クリスティの作品のいいところは、読者が推理をするにあたってさしあたり必要となる手がかりが、物語の中でほぼすべて(100%とは言いませんが)、描かれていること。このあたり、犯人が登場人物一覧に載っていなかったり、終盤になって突然、物語の中に登場したりする「後出しジャンケン」感のあるドイルのホームズものとはちょっと違います(とは言え、ホームズものはそれはそれとして推理小説として非常に面白いのですが)。

    その例に漏れず、この作品の犯人もしっかりと登場人物一覧の中に名を連ねています。丁寧に読み進め、時々出されるヒントを回収していけば、犯人に辿り着くのは難しくないはず。少なくとも、名前のスペルやニックネーム、当時のイギリスの法律を知らないとトリックや犯人の動機が読み取れない他のポワロものよりは易しいはずです。

    解説にも書かれていますが、この作品のトリックは「作中の犯人が作中の探偵を欺こうとする」ものではなく、「作品の著者が作品の読者を欺こうとする」もので、当時は画期的なアイデアだったのだと思います。そこを踏まえて読むと、より面白く読み進めることができます。

  • 推理小説は普段あまり読まないのだけど、レビューに心惹かれて読むことが時々ある。本作もその一冊。でも、毎回結果は同じで、冒頭と最後だけしっかり読んで中盤はどうも回りくどく感じてさらさらと流すように読んで終わりにしてしまう。うーん。探偵小説の面白さがいまひとつわからない…

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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