その名にちなんで (新潮文庫)

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制作 : Jhumpa Lahiri  小川 高義 
  • 新潮社 (2007年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102142127

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その名にちなんで (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ベンガル人の両親から生まれ、アメリカで育つゴーゴリ。自分の名前や、自分を取り囲むインド的なあらゆるものから逃れようともがく。
    ゴーゴリはインドを離れアメリカで暮らし始めた両親の苦労も知らず、自分の名前の由来も知らず、家族から離れ、名前も変えてしまう。アメリカ的なものに憧れ、感化され、恋人の前にいる両親を恥ずかしいさえと思うようになるが、父の死を境に少しずつ変わっていく。
    本当に大切にすべきものこそ、本当の意味で大人になるまでは、嫌で嫌でたまらないものかもしれない。
    結局離れることができなかった彼のルーツに、運命の怖いほどの大きな力を感じた。

  • アメリカ生まれのインド人青年の自分探しの物語。インド人青年が アメリカ社会に溶け込み、拒絶しながら、自分の原点や居場所を探している

    ゴーゴリーにとっての原点は 名前なのでは

    著者は 母、恋人、妻 との関係から ゴーゴリーの苦悩や 発見を 描きたかったのだと思う。短編 停電の夜「3度目で最後の大陸」を 肉付けした感じ

  • 本当に好きすぎてどこが好きなのか何度も考えて読み返している。

  • 今年読んだ小説の中で、最高!読み終わった後の余韻が心地よく、深い感動。日々を大切にしたくなった。

  • ベンガル人の夫婦が、アメリカに来て、仕事を得、子供が2人できる。子供(兄妹)は大きくなって、兄は何度か恋をして、結婚して、奥さんの不倫で離婚する。父親は心臓発作で死に、未亡人の母親はカルカッタへ帰る。
    何が面白いんだろう・・・

  • 決して選ぶことのできない自己のルーツ
    どれだけ複雑に歩いて行っても、一筆書きのようにその根っこはつながっている

    とはいえ、この国は曖昧模糊としていて、上書きを重ねて、ルーツってなんだってことにもなりそうな

  • 映画も本も両方それぞれよかったです。

  • ベンガルから渡米した夫婦の生活と
    その子供の名前をめぐる物語。

    文化の違いや家族、彼女のことなど
    いろいろなことで悩みながら成長していくゴーゴリの姿がじんわりきた。
    私も小さいころ名前を変えたいと思ったことがあったな・・・

  • 語り口が初体験、語られる人がころころ変わる。
    だが、その人でない他の人はどう思っているんだろうとすごく気になってしまう。
    違う場面で、ああこの人はこう思ってこうした行動をとっていたんだなとわかる。
    男女関係はこんなにころころ変わってしまうのか?
    自分はそれほど変わらないし、相手もそれほど変わっていないのに。
    もともと、一緒になったのは偶然なのか?
    全部偶然でもろいのか?
    対照的に生まれてからずっとつきまとう名前。
    それは変えようと思えば変えられる。
    しかし変えたところで、それが消えることはない。
    それが、人生に大きな影響を及ぼすし、自分の基礎をつける。
    ゴーゴリふらふらするなよって思う。
    でも、ようやく手にとったあの本は彼を導いてくれるんじゃないかな。

  • いつか再読したい

  • インドからアメリカに移ってきた夫婦。
    また、そこで生まれた子供たち。
    伝統色が強い土地で育った人は新しいものに馴染めないし、新しい土地で育った人は伝統を嫌う。
    でも反抗や執着から両極端に走るのではなく、最終的にはどちらも肯定的に認められるようになるという話だと思いました。
    また、多様な生き方があることを感じさせてくれる話でもあります。

  • 「停電の夜に」のジュンパ・ラヒリの初の長編小説ということでかなり期待したのだが、「ゴーゴリ」とロシア文学の作家の名をつけられたインド系アメリカ人のこの名に対する心の揺れとアメリカのインテリ層たちの恋愛遍歴みたいな話で、パーティーでマリファナを吸ったりと関心できない場面があったり、次々と交際相手が簡単に変わるなどアメリカらしいといえばそうなのだが、私にはなじまなかった。
    最後まで読めたということで★三つ。ただ、ベンガル人の習慣や考え方など勉強になることもあったし、「ゴーゴリ」が大切なことに気づいたことで後味は良かった。

  • 「親から受け継がされる伝統に、どういう態度をとるか」ー訳者 小川高義
    新しい世界に飛び込まなければならないときに、アイデンティティと環境への順応の必要性との間に揺れる人間心理を丁寧に描き出している。こういうのは、理屈で言ってもそう簡単にわかることではない難しい問題だと思うのに、読者に上手く追体験させていると思う。実体験を想起して、色んな感情がぞわっとかきたてられた。大切にしたい本になりそう。

  • 映画もよかった。

  • ようやく読めた。「停電の夜に」がすごく好きで、読みたい、読みたいとずっと思っていたのだけれど。
    テーマは人間のルーツとアイデンティティ、と言っても嘘にはならないかもしれないけど、そんな単純に括っちゃいけない美しい小説、だと思う。そう、"The namesake"というタイトルがすべてを物語っている気がする。

    ゴーゴリとアショケ、父と子のシーンももちろん素敵だし心に響くのだけれど、アシマ、マクシーン、モウシュミの3人の女性の姿も負けないくらい深く胸に残った。知っているようで知らない、知らないようで知っている、そんな女性たちだったから。

  • インド人夫婦がアメリカへ移住し、生まれた子どもにロシア人作家からとった「ゴーゴリ」という名前をつける。
    ゴーゴリが子どもの頃から成長するまでをつづった本。
    私も小さい頃名前が嫌だったから、ゴーゴリの気持ちは分かるけど、あんなに簡単に名前を変えられるのもどうかと思う。
    インド人でありながら、インドへ行ったら外国人。

    読むのに時間がかかったが、ハっとするとこあり、ただダラダラ読むとこありで、まぁおもしろかった。

  • ベンガル人のアメリカ移民二世が主人公。
    彼はその出自から、自らのアイデンティティについて深く考えるようになる。
    アメリカ人であると同時に、ベンガル人コミュニティでの強い結びつきの中で生きる主人公家族。どちらでもあると同時に、どちらにもなりきれない、そういう違和感の中でなおさら自分の輪郭は際だって感じられ、それは時に深い孤独にもつながってしまう。

    この作品のことを考えるときいつも、テレビで見た、生きるとは選択することの連続であり、選択することは非常に困難である、という内容の、コロンビア大学の講義を思い出す。
    講義をしていた教授は盲目の女性で、カナダ移民であるシーク教徒の両親から生まれ、アメリカで教育を受けたとのことであった。
    シーク教徒という女性の選択が狭められた価値観で生活し、アメリカの自由な環境で教育を受けた彼女だからこそ、選択することの重要性と困難さに気づくことができたのであろう。

    違和感をもってしか自己の輪郭をなぞることは困難であるということや、自分のおかれた環境の同質性を実感せずにはいられなかった。

  • 自分の母親のことを思って悲しくなった。母親に対する自分の態度の情けなさ。わかっててもなお改めない自分。
    モウシュミが必死に抵抗してるの、わかる気がする。
    原文通りなんだと思うけど、文章が「、」でいっぱいつながっていて、句点のたびに主語何だっけ?と考えて読んだのでちょっと疲れた。『停電の夜に』要検証。

  • あなたは自分の名前が好きですか?
    ある家族の人生とアイデンティティの物語である。
    ゴーゴリという名前と、そう命名した理由がカギとなっている。

    ラヒリの他の短編集2冊があまりにも良かったので、この長編は少し間延びしていて、作品全体の色が薄まったような気がして、少し残念。細やかな描写や文章のは味わい深く、流れる空気は変わらないのだけれど・・・。

    アメリカに住むゴーゴリの家族が8ヶ月間インドで過ごすあいだ、家を学生に貸す・・・というくだりがある。私も昔イギリスで、ベンガル人の家を一定期間借りていた事があった。安く一軒家を借りることが出来て喜んでいたのだが、キッチンの引き出しや戸棚、居間のソファーや寝室のワードローブからも漂ってくる、家中に染み付いたスパイスとオイルの香りに往生して、住み始めて直ぐは、「寝てもさめてもカレー風味やん!」と文句を言っていた覚えがある。時とともにそれも心地よくなったのだが、ラヒリの小説を読むと、あの家の匂いを思い出す。
    でもあの時は、家主一家の里帰り先の生活に思いをはせた事はなかったなあ。今思うと、きっとあの家族にも色々な家族の歴史の物語があったのだろう。
    もちろん、あのころあの家に住んでいた私達にも、その後フランスに渡った同居人の友人達にも、その後、それぞれのターニングポイントがあって、いろんな事が積み重なって、「今」があるんだよね。
    うーん・・・人生って、どこでどうなって、なにがあるかわかんない。 




  • 映画もうまく出来ていたように感じる
    年齢重ねてまた読むのもいいな

  • 作品を貫くテーマは「自分とは何か」というアイデンティティの問題だろう。
    簡単に言うと、アメリカに生まれたベンガル人男性の青年期までの成長を辿ったもの。正確には彼と彼の父母の物語だ。
    物語は特に派手な事件は起こらず、静かな調子で紡がれていく。
    勿論、成長の過程で恋愛、葛藤、裏切り等、小さな出来事はいくつかある。だがそれは誰しもの人生上で起こり得るレベルのことで、さほどの衝撃があるものではない。
    加えてこの著者の筆致は常に登場人物から一定の距離を置いているため、必要以上に感情移入しすぎることなく、淡々としている。
    などと書くとまるでつまらなそうとしか思えないが、逆にこの内容で読ませるのはすごい。激しく感情を揺さぶられるのではなくて、読後じんわりとあたたかな気持ちになる作品だった。
    また、作中で出てくるベンガル人の風習や付き合いは、馴染みがない世界な分とても興味深かった。だが昔の日本の村社会も似たような濃さだったんじゃないだろうか。

    終盤、主人公と別の道を進んだ彼女は、その後幸せになれたのだろうか。最後まで自分のかつえを自覚しないままの姿が、どこか痛ましく映った。
    まあ主人公の選択の方が好ましく見えるのは私が年を重ねたせいもあるんだろう。どんなに抗ったって出自は自分の人生に影響を与えているのだし、そうである以上、受け入れた方がずっといいと思うからだ。
    この作家はやはり好みだ。新作が翻訳されたらまた読みたい。

  • 当たり前のことながら、毎日生きていくことが人生になるんだな。
    十人十色、それぞれに様々な形がある。
    自分というもののこと、家族のこと、どのエピソードもでしゃばらず、しかし真摯に丁寧に語られる。
    これを傑作といわずして何を傑作とするのか。

  • 『停電の夜に』最後の『三度目で最後の大陸』が発展したような長編。
    名前が鍵になり移民一世や二世の心境と家族の偶発的出来事を淡々と丁寧に綴る。気づけばアシマの視点、ゴーゴリの視点を柔軟に行き来しながら移入。日常的出来事なのに読後異文化間コミュニケーションを乗り越えたような充実感。捨てられない両親の文化と血筋を保ちながら、自分で作り上げて行く二世としての人生。長期的視点じゃないとわからないことがちゃんと描かれている。

  • 2011/01/22 ブックオフで225円
    いま原書を読んでいるので、それが終わったら

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その名にちなんで (新潮文庫)の作品紹介

ゴーゴリ-列車事故から奇跡的に父の命を救った本の著者にちなみ、彼はこう名付けられた。しかし、成長するに従って大きくなる自分の名前への違和感、両親の故郷インドとその文化に対する葛藤、愛しながらも広がってゆく家族との距離。『停電の夜に』でピュリツァー賞などの文学賞を総なめにした気鋭のインド系米人作家が、自らの居場所を模索する若者の姿を描いた待望の初長編。

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