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- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102145067
感想・レビュー・書評
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FMA銀行の巨額融資先が、キャシュフローの悪化により倒産。一部の支店で取り付け騒ぎが起こるが、アレックスの機転により他店への波及を避けることができた。一方、贋札シンジケートに潜入していたマイルズはその贋札製造の核心に近づいた。潜入捜査に感づいた組織は情報の中継点に圧力をかけてくる。いっぽ、巨額融資の焦げ付きから頭取の跡目争いからころげおちたロスコーの運命は。
FMAをめぐる人間模様を精緻に描かれた秀作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
後半最後に向かうに従い展開が速くなってくる。ハッピーエンドには終わらない。銀行の頭取合戦は一方の死による終焉。スパイもばれて拷問となる。これからどうなるか。明るい未来でないことが予想されるが、それでも皆、幸せなのだろうか?使命に生きるという感じがした。
読み終わって全体を振り返るともう30年前の著作でありながら、真髄は古さを感じない。金の根本はいつの時代でも変わらないということだろう。そして欲望も。金本位の制度は維持する必要があることがわかる。本書ではクレジットカードを取り上げているがカード発行の趣旨は本書で語られている通りだろう。そして意図した方向に、個人に負担がかかる方向に進んでいる。当時は予想しえなかったインターネットの普及により、現在のお金、経済というシステムは机上の数字を受け渡しするだけとなっている。誰が多くの点数を集めることができるか、つまりゲームと同じである。