- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102146019
感想・レビュー・書評
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何度読んでも好きだわぁ。
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勉強不足なので、はじめてこのノーベル賞作家の存在を知ったが、なぜかこの本が家にあったので(息子が読んでいたのだろうか?)読みはじめたら、なかなか途中でやめられない本だった。壮絶描写される裸の人間のダークサイドに、吐き気を覚えるくらいだ。
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戦争中、イギリスから疎開する少年たちの乗っていた飛行機が無人島に不時着した。大人のいない世界で彼らは隊長を選び、知恵を絞り、協力し合って生活していたが、次第に激しい対立を起こすようになる…といった内容。
大人がいれば…と少年達がしばしば口にしていたけれど、大人でも似たようなものだったのではないかと思う。
正論が通用しない、人の意見など始めから聞く気がない、短絡的で自分の過ちを認めようとしない、暴力で支配しようとする。…子供だからではない。こういう人間は大人でも嫌になるほどいる。こういう人間とどう向き合っていけば良いのか。そういう事を深く考えさせられる本だった。 -
南の無人島に不時着した少年たちのサバイバル冒険物ではなく、ともすればすべきことを忘れ刹那的な行為にふけり、重大な失敗を繰り返すという、イタい姿を描いていく。しかしその視線は、そういった少年たちをフラットに見るのではなく、秩序なき社会は混沌とし、その中で人はやはり権威を求めようとして、猥雑な神を崇拝するに至るのだ、という結論で見下ろしている。イギリスの子供たちはきちんとしなければならないという、主人公の少年の煩悶は、戦場にかける橋のアレク・ギネス演じる将校を連想させた。
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ゴールディングの戦争体験が影響された作品。
登場人物のあらゆる行動が作者の思想の象徴となっている。
読み返す度に発見がある。 -
1954年発表、ウィリアム・ゴールディング著。疎開地へ向かう飛行機が墜落し、無人島で生活を始める少年達。
まず、眼鏡やほら貝、火、豚などの配置の仕方がうまい。それによって寓話的雰囲気が満ち、読者がいろいろと考えたくなるのだろう。
ストーリーをもっとも単純に読めば、野性と理性の対比、そして理性を保てないと悲劇を生む、となるのだろう。だが私にはどうもそうは思えない。むしろこのようなサバイバル生活に突入してしまったら、理性で物事をコントロールしようとするなんて土台無理だ、そして前提としてもっとも重要なのは権力だ、ということなのではないだろうか。
悲劇的な内容も、その権力の重点がストーリーの前半と後半では移り変わったにすぎず、うまく対応できなかったものは死んだ、ということだけだろう。
そもそも私は、理性にすがってばかりいるラーフがあまり好きになれなかった。むしろ、野性が溢れているジャックこそが正真正銘の少年そのもの、という気がする。
ただ今までは、その野性を大人という権力がうまく支配していた。その大人が消えた時、まさに少年はイノセンスを失い、自身が大人になっていく。とすると、自分を上回る権力が消えた大人は……、という部分がラストシーンだろう。つまり、少年達は救助されたが、今度はそこで似たような状況(戦争)に巻き込まれ続ける、ということだ。そして士官は全くそのようなことを自覚していない(まるで物語冒頭の少年達のように楽天的だ)。虚脱感溢れるバッドエンドだと思う。 -
それぞれの欲求を押しつけあう祭りのような騒々しさ。サイモンが異端とされた訳はおのずと見えてくる。
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「野生条件に置かれた人間の理性と本能」をベースに、昆虫を虐殺することに愉しみを見出す「少年の純粋な残酷さ」を交えた作品。
登場人物たちのその後を考えさせる結末が秀逸であり、同時に虚無感も感じさせる。 -
ものすごく読むのに時間がかかった
話がおもしろくないわけではなく
翻訳がいまいちなんじゃないかと…
共感できる登場人物が全くいない
主人公はいけすかないやつだし(子供だとしてもイラッとする
ライバルも同様だし(子供だとしても近寄りたくない
金魚の糞キャラもうっとうしいし(子供だとしてもめんどくさい
とにかくサイモン以外の登場人物は好きじゃないw
子供を描いているというより
人間を描いてる印象を受けたのでそこが高ポイント
人間も理性を外すと
やはり動物なんだなー
もっと読みやすい訳なら星4つにしたかもしれないな