芝生の復讐 (新潮文庫)

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制作 : Richard Brautigan  藤本 和子 
  • 新潮社 (2008年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102147030

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芝生の復讐 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 状況の風景と心象の風景とが渾然一体となって伝わってくる。面白いと言うより心地よいと言う方が読後感として適切だろう。

  • 大好きなブローティガン。数少ない現在も出版されているもの。『アメリカの鱒釣り』の続編にあたる。少しその点についても触れられるのでそちらを読んでからこちらを読むべきである。短いチャプターをつないでいくのは『西瓜糖の日々』に近いがこちらはひどく自伝的内容である。名訳者・藤本和子と、リチャード・ブローティガンが出会えて本当によかった。原典は簡易な英語で綴られているようなのでいつか原典にも当たってみたいと思う。

  • どうしようもない愛おしく、
    同時に心の底から嫌悪する「アメリカ」。

    (もちろん「」の中は任意です。
    あなたも思い当たる言葉を入れてください。
    僕だったらあれやこれやそれや。)

    なんであれ、
    そんな引き裂かれた場所に立つ人は、
    どんなふうに振舞えばよいのかと聞かれれば、
    それはブローティガンのように、と答えます。

    まるでライフルを持ったキチ○イのような。
    まるでなにも知らない子供のような。
    まるで死を直前にしてチューブにつながれ、
    ベッドに横たわる老婆のような。
    まるでそれを見守る息子のような。

    自伝的でノスタルジックなトーンのみで書かれた
    (なんてことだ!)「談話番組」と
    「きみのことを話していたのさ」に涙涙。
    でも、それでさえこの感情の渦のような
    短編集のほんの一部の側面でしかありません。

    たぶんそれはなにをもってしても代えがたいなにか。
    文字を順番に書いて/読んでいくことでしか得られないなにか。
    言葉だけがなしうるなにか。

    いまいましくもいまいましい四月初旬は、
    「芝生の復讐」からはじまる。
    僕はそんなふうにして「アメリカ」「文学」
    を読んでしまったのだった。

  • 「西瓜糖の日々」と「アメリカの鱒釣り」は生に満ち溢れた(少なくともすごく肯定的な)雰囲気だったのにこれはなんとも言えない影とアメリカを問い続ける問題意識みたいのが見え隠れしていて、今まで読んだ作品とは違った雰囲気を味わえた。

    私はこういうの好き。

    「太平洋のラジオ火事のこと」が一番よかった。

  • ブローティガンの天才をあますところなく味わえる62の物語。雨の日に部屋にこもって読みたい本。自分の心の一番孤独なところに強く響いた。

  • 『アメリカの鱒釣り』のあとの数年間に書かれた短編というか掌編集。自伝的な要素というか、幼少期の思い出や個人的な思い出にまつわる話が多かった印象。その他、寓話っぽいものや不条理なもの日常の一コマ、ジャンルはわりと雑多でさまざま。嫌われものの川の「カーセイジ川の凹地」とか童話っぽくて好きだったけど、普通の日常がなぜかマジックリアリズム的幻想に溶け込んでしまうような表題作もとても好きでした。単純な幻想文学ではけしてなく、かといってリアリズムでもない、ブローティガンのファンタスティックさって、説明するのが難しいですね。

    ※収録作品
    芝生の復讐/一六九二年版コットン・マザー・ニュース映画/1/3 1/3 1/3/カリフォルニアは招く/カリフォルニア現代生活に関する短篇/大平洋のラジオ火事のこと/エルマイラ/コーヒー/『アメリカの鱒釣り』から失われた二章――「レンブラント・クリーク」と「カーセイジ川の凹地」/サン・フランシスコの天気/こみいった銀行問題/シンガポールの高い建物/無限の三五ミリ・フィルム/スカルラッティが仇となり/天の鳥たち/冬の絨緞/アーネスト・ヘミングウェイのタイピスト/サン・フランシスコYMCA讃歌/きれいなオフィス/庭はなぜ要るのか/年寄りバス/タコマの亡霊の子供ら/談話番組/きみのことを話していたのさ/万聖節の宵祭は船でゆく海原/やぶいちごモータリスト/ソローのゴム輪/44/40/完璧にカリフォルニア的な日のこと/東オレゴン郵便局/青白い大理石の映画/相棒/たがいを知ること/オレゴン小史/ずっと昔、人々はアメリカに住むと決めた/カリフォルニアの宗教・小史/いまいましい四月/一九三九年のある午後のこと/伍長/糸くず/ドイツおよび日本両国全史/競売/装甲車/カリフォルニア一九六四年の文学生活/みずから選びし旗じるし/カリフォルニア一九六四年において高名であること/ある娘の思い出/九月のカリフォルニア/習作・カリフォルニアの花/裏切られた王国/朝がきて、女たちは服を着る/デンヴァーのハロウィーン/アトランティスパーク/犬の塔からの眺め/グレイハウンド・バスの悲劇/気のふれた老婆たちが、今日のアメリカのバスに乗っている/正しい時刻/ドイツの休日/砂の城/許してあげよう/星条旗うつし絵/第一次世界対戦ロサンジェルス航空機

  • なんとこの短編集、『アメリカの鱒釣り』から失われた二章ー「レンブラント•クリーク」と「カーセイジ川の凹地」が収録されている。勿論、藤本和子訳。巻末には熱い訳者あとがきと、なぜか岸本佐知子の文章もある。

  • #ただ好きだ。どうしようもない。ページの端を三角に折っていくと、文庫の角が倍に膨らむ。小口にちいさな稲妻ができる。唇を寄せ、その稲妻を呑み込む。

    (2009/05/22)

  • 読みおおせていない。

  • ブローティガン「芝生の復讐」も読んだ http://www.shinchosha.co.jp/book/214703/ ブローティガンヤバイ。こういう脆いバランスで暴力と繊細な幻想世界を繋ぎ合わせることができる人は、本人もぎりぎりなのかな。精神的に不安定な作家を次々に出すアメリカ。いったいどういう国なんだ(つづく

    ヨーロッパだと精神崩壊はたいてい宗教や土着との葛藤だしフランスなんて周りを置いて勝手に内面世界へ入り込んで行く感じだけど、アメリカの不安定さは全然違う種類。一人を怖れる寂しい人たち。想像上の恐怖に押し潰される。孤独と暴力が直結する国。なんなのメイフラワー号で何があった(おわり

  • 太平洋のラジオ火事のこと
    青白い大理石の映画
    たがいを知ること
    ずっと昔、人々はアメリカに住むと決めた
    糸くず

    が、好き。

  • ブローティガン「芝生の復讐」も読んだ http://www.shinchosha.co.jp/book/214703/ ブローティガンヤバイ。こういう脆いバランスで暴力と繊細な幻想世界を繋ぎ合わせることができる人は、本人もぎりぎりなのかな。精神的に不安定な作家を次々に出すアメリカ。いったいどういう国なんだ(つづく

    ヨーロッパだと精神崩壊はたいてい宗教や土着との葛藤だしフランスなんて周りを置いて勝手に内面世界へ入り込んで行く感じだけど、アメリカの不安定さは全然違う種類。一人を怖れる寂しい人たち。想像上の恐怖に押し潰される。孤独と暴力が直結する国。なんなのメイフラワー号で何があった(おわり

  • 【本の内容】
    雨に濡れそぼつ子ども時代の記憶と、カリフォルニアの陽光。

    その明暗のはざまに浮かびあがる、メランコリアの王国。

    密造酒をつくる堂々たち祖母、燃やされる梨の木、哀しい迷子の仔犬、ネグリジェを着た熊、失われた恋と墓のようなコーヒー、西瓜を食べる美しい娘たち…。

    囁きながら流れてゆく清冽な小川のような62の物語。

    『アメリカの鱒釣り』の作家が遺したもっとも美しい短篇集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 久々のブローティガン。何度読んでも格別だ。穏やかな眼差しの先には寂寥が垣間見える。自ら命を断たざるをえなかった軌跡が見え隠れする。

  • やっぱりブローティガンと藤本和子さんがワンセットで好きなんだなとり
    感想の言葉がなかなか浮かばないのに、好きなんです。何回が読んでいますが読んでいるうちに眠ってしまう日もあれば、あるフレーズのところで泣いてしまう日もあります。文庫の表紙絵もとても好き。

  • アメリカの風景が詩情豊かに、ときに不気味に語られる。

    個々の話はあまりにもまとまりがない。シュールですらある。

    アメリカの鱒釣りを読んでから読めば楽しめたのだろうが、とても面白いとはとても言えない。

  • そうか、こんな表現があったのか、と思わせる短編がいくつも。
    これに収録されている、「サン・フランシスコYMCA賛歌」は池澤夏樹編世界の文学・短編コレクションⅠにも収録されています。

  • 何が良いかなんて説明できないから語れない。表紙にグっときた人はきっと中身も楽しめる。「どういう状況?意味?」と考えてしまう人は今読むの止そう。

  • 西瓜糖の日々、の作者の半自伝的な短編集。すごく短いものばかり。
    でも何故か西瓜糖の日々、よりも好きでした。なんだろう地に足のついたメランコリア、とでもいうような確かさがあって、それは架空の国を生きるのではなく、実際にある国を、アメリカを生きた人間のことだから、かもしれない。

  • アメリカ1970年代の小説。藤本和子さんの訳文が村上春樹氏に影響を与えたということで有名な一冊。

    ということで、どうしても村上春樹の世界との比較を意識しながらの読みになってしまう。短編の多くでは1970年代を迎え、少々鬱屈としたアメリカの雰囲気を感じることができる。この本の登場人物たちは決して不幸ではないですが、どこか孤独で断絶している。彼らは「都会の」という修飾も持っていないほんとうに普通のアメリカ人であり、村上春樹が表現した「スタイリッシュな孤独」より更に救いがないのかもしれない。「羊男の冒険」の主人公が北海道で邂逅したモノでさえこの世界には残っていないのだ。
    その断絶しているという実感から逃れるために、小説の人たちは光あふれるカリフォルニアを目指すのかもしれない。

    そしてアメリカは1980年に入り「ハリウッドから来た男」ロナルド・レーガンのあふれる光によって傷を癒される。

  • 古き良きアメリカの幻想を紡いでいく詩的なスケッチの数々…もう笑っちゃうくらい美しい短編集。村上春樹の原点ともいえる巧みな比喩とユーモアで、どのページを開いても心震える一節に出会います。名訳。

  • 短編集というより詩集のようでした。


    たとえば汚くて惨めな一場面も、この人は美しく書いてしまうんだなぁ。なんだろな、これ。


    けっこうパラパラと読んだので、じっくり読めたやつとそうでないやつがあったけど


    西瓜糖の日々が読んでみたくなった。

  • さらっと読めてしまいしょうしょう残念。

  • 読むほどに「だからどうした!」「それがなんだってんだ!」と何度も思い、読むほどに、他人というものに出来るだけ好意的になりたいと思う。

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雨に濡れそぼつ子ども時代の記憶と、カリフォルニアの陽光。その明暗のはざまに浮かびあがる、メランコリアの王国。密造酒をつくる堂々たち祖母、燃やされる梨の木、哀しい迷子の仔犬、ネグリジェを着た熊、失われた恋と墓のようなコーヒー、西瓜を食べる美しい娘たち…。囁きながら流れてゆく清冽な小川のような62の物語。『アメリカの鱒釣り』の作家が遺したもっとも美しい短篇集。

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