日々の泡 (新潮文庫)

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制作 : Boris Vian  曽根 元吉 
  • 新潮社 (1998年3月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102148112

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日々の泡 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 安部公房、川上弘美と並んで
    わたしの中の奇々怪々小説家TOP3。

    あまりにも美しい「うそばなし」 に
    おもわず溜息 エンダ 嫉妬。
    最後の最後まで美しい嘘が無数に咲いて来るので
    とてもしおりじゃ追いつかなくて
    メモ紙を千切ってお気に入りのページに挟み込みながら
    ゆっくり ゆっくり 読みました。

    岡崎京子さんもすきなのですが
    意地でもこちらを先に読んで正解でした。
    視覚で色や輪郭を狭めてしまう前に
    「文字」を食べて 濾過して 味わうこと
    文字で読むことの美しさを体感出来る本だと思います。

  • こういうの好き。駆け足で読んでしまったから、もう一度、ゆっくり再読したい。

    翻訳がちょっと、ずれているというか・・・。「ナイロン靴下」ってストッキング??他にも随所に、ええっ?と思うような表現で、夢の世界から現実に一挙に戻ってしまうことがあったのがとても残念

  • ◆ほんとうに大切なものは、かわいい少女そのものと、彼女との恋愛だけなのに…。生まれたままが一番素敵なのに…。この「なのに…」がとてもつらい。美しく儚く苦しい物語。シャンパンの泡のようなJazzと諧謔に酔いしれながら静かに世界に失望していく。
    ◆曾根元吉訳(1970)。ハヤカワepi文庫・伊東守男訳(1979)と読み比べ。◆最初はハヤカワ伊東訳より硬く古めかしい訳に思えたが、読んでいくうちに気にならなくなる。ハヤカワ版に比べて言葉遊びを拾っている率も少ないが、その分、見え隠れする時代の思潮・空気感がより鮮明に訳出されているように思われた。
    ◆ハヤカワ版小川洋子の解説よりも正統派の解説で、読解の役に立ち、ありがたかった。

  • この小説が原作の映画「ムード・インディゴ」を見に行く前に読み返した。
    読むのは、もう何度目かわからない。
    好きな小説は何かと聞かれると、一番に浮かぶ小説。
    「20世紀で最も悲痛な恋愛小説」と言われているそうだけれど、空気はとても軽やかだ。
    ただ、読者を選ぶのは間違いない。
    現実と虚実が編み込まれた、ひどく悪趣味で美しい世界。
    その文章=小説の額縁は、中に描かれている愚かで、けれど(というべきか、だからこそというべきか)胸を打つ恋人達の姿にぴったりである。
    容赦ない、しかし不思議な明るさを持ったラストが見事。

    ちなみに映画の「ムード・インディゴ」は星をつけるなら三つ。
    悪くはなかったけど…うーん。

  • 幻想と皮肉と遊びと悲壮の入り交じった、美しいメルヘンです。根底に暗澹とした「不条理」が見え隠れしているところなんかは、いかにも当時のフランスらしい感じもしますが、簡単にフランス文学と一括りにはできないほど力強い作品だと思います。耽美で独特な描写は、このボリス・ヴィアンでしか見たことがありません。

    ストーリーだけ追ってしまうとなんだかいただけないのだけど、その見せ方は本当に秀逸です。ストーリーのトーンと同調して、描写の色合いも変化していくところはとても見事でした。おおまかに言うと、前半はライトでファンタジック、透き通った色水のようなのですが、物語が進むにつれてそこに濃紺のインクがぽたりぽたりと滴り、暗く滲んでいくような感じです。

    普通の青春群像劇として読むと、現実と空想の境目にあるこの世界観を味わえないどころか、嫌気が差してしまうんじゃないでしょうか。通勤途中に途切れ途切れ、ではなく、休日の晴れた昼下がりに紅茶でも淹れて読み始めるのがいいと思います。
    他の作品も読んでみたいなあ。

  • 舞い上がりすぎて、なぜか安島さんにオススメの本とか訊いてしまった。
    わたしは大概音楽とかライブとあまり関係ないことを喋りすぎな気がする(;´д⊂)
    でも勧めてくれたので、読みました。
    とてもおもしろかった。
    初めは綺羅綺羅しい恋愛小説かと思ってたんだけど、一筋縄じゃいかなかったw
    こういうシュールさは好きです。
    綺麗なだけじゃなかった。描写とか美しいんだけど。
    けっこうめちゃくちゃ。おいおいってつっこみたくなるけど、その投げ捨てるみたいな奔放さとか好き。
    斜陽の様子はかなり切ないし、最後もほんと哀しい。
    むしろ無茶苦茶なところが、悲哀さを増すんだろうね。
    ひどい!って言いたくなっちゃう。
    作者はかなり若くして亡くなってる。最近ほんとに、良い作家さんの夭折って多いんだなぁと思う。
    残念だなぁ。
    この人の本をもっと読んでみようと思います!

    美男でお金持ちのコリン、友人で収集癖のシック、料理人のニコラと、クロエ、アリーズ、イジスの美女3人。華やかで純粋な恋愛模様の前半と、斜陽の切ない後半。軽快だけどシュール。

  • 労働の価値に対する問答、個の実存と喪失、左様な愚直で生々しいテーマを、瀟洒な象徴詩的表現と幻想的な世界観で包含した哀しい恋愛小説。サルトルやコクトーも絶賛した、現代フランス文学の白眉。

  • 夢のような儚いお話。

  • 久々に文学作品を読んだ気になりました。
    もはやファンタジー。
    状況があまり理解出来ない、不思議なことが次々と。
    そして栄華からの転落振りがすごい。
    お金に何も心配なかった人達が老けてやつれて労働することになり。。。
    というか「彼は何のために労働しているのだろう」というセリフがすごい笑
    金持ちは労働はするものではない、みたいなね。

    著者がジャズトランペッターであることから、デュークエリントンなどが度々登場します。
    サルトルとかも。パロってパルトルって表記されてますが。
    訳なので何とも言えないんですが、文章での表現がお洒落。
    あとは演出。すごい粋な演出などを仕掛けてくる。
    (上で書いたように、演出がすごすぎてわけ分からなくなる。)
    戯曲のような感じ。(戯曲は劇でしか見たことなくて、読んだことはないんだけど)
    感情表現や行動も。

    ちなみにこの本、「うたかたの日々」という別の邦題もあるようです。
    翻訳モノって、訳者の訳風というんだろうか、クセが出ますね。
    訳者のフィルターを通して読むことになるので、いつか自分で読んでみたいと思うのです。
    (英語ならまだしもフランス語はムリだろうなぁ。。。)
    その訳者が自分と合っていればいいんだろうけど。

  • 恋愛小説。か。
    大半の恋愛小説で、恋愛こそ至上という小説は、その恋愛を素晴らしいものに描いている。
    しかし落ち着いて考えたら、それを至上と描くためには、他を落とすという書き方もある。
    他を落とすとなると、他の恋愛を落とすことに躍起になりそうなんだけど、コレは違う。

    恋愛以外のすべて。地面も、家も、他人の死も、すべて適当。

    だからこそ、恋愛のみが真実。

  • ひびのあわ。響きがいいよねぇ。 あわ。
    原文で読んでみたくなった。フランス語かぁ。
    うぅ、良さを直接に感じてみたい。
    でもこの曽根さんの訳、私は好きだな。簡潔な文体で、情景が浮かびやすくて。

    ほしみっつなのは、読後、やりきれない気分になってしまったから。
    人物を自分に置き換えてみたりもしたけれど、やはり現実ばなれしすぎてて、この想像もフワフワのままに終わってしまった。
    う〜ん。
    クロエって名前はどうしても、高校のときの友人を思い出させる。ふふ。
    デュークエリントン、聞いてみよう。

  • 僕にとって現代フランス×幻想×恋愛小説というのは最悪の食い合わせだったようで、酔ったような甘い雰囲気と、鼻につくしつこいナンセンスにひどく胸焼けを起こしてしまった。幻想描写は南米の作家のようにドライな方向とか、ラブレーのように徹底的にお下品とか、澁澤龍彦のように偽学術的とか…そういうののほうが好みだな。

  • なんだかよくわからないけど、でも、すっごく良かった。

  • 小説というより散文詩。かな?
    音楽的で、
    入り混じる虚構は朦朧とした意識が見せる幻覚のようでもあり、
    難しかったけどおもしろかった。

  • とても不思議な小説。
    「20世紀の恋愛小説中もっとも悲痛な小説」と評されていますが(裏表紙より)、恋愛小説なのかな、という感じです。

    二組の恋人たちが出ています。途中まで幸せだったのが、それぞれが悲劇的な最後を迎えます。あまりの落差に驚くかもしれません。

    それだけですと、よくある小説で終わってしまうのでしょうね。しかしこちらの作品はとても不思議な世界観です。例えるならばディズニーアニメのような世界観です。魔法も高度な科学もでないけれど、現実ではない世界です。スピードスケートで通り過ぎる人に巻き上げられて二階まで飛んでしまったり、銃を種から育てたり。SF(すこし・ふしぎ)といった感じです。それが話の悲劇を少しやわらかく見せています。きっと、現実的に描写すると一気に品がなくなると思います。

    不思議な世界観は読んでいてとても面白いです。「不思議の国のアリス」的な、読んでいてもっとこの世界はどうなっているんだと知りたくなります。折角ならば内容ももう少し、不思議な感じだったならばよかったんじゃないでしょうか。
    わたしは恋愛小説を読んでも雰囲気が苦手で、途中で投げ出してしまうことがよくあります。しかしこちらは不思議なふわふわした雰囲気に包まれていたお陰で、最後まで読めました。恋愛小説が苦手な方や、少し変わった恋愛小説を読みたい方におすすめです。

  • 読み始めと読み終わりでは全然印象が違う小説。

    最初はシュールだなあ、なんて笑いながら読んでいた。
    けれども、現実と非現実が絡み合い混じりあうように紡がれる文章が、どんどん笑えなくなってくる。
    シュールというよりサイケデリック。

    好き勝手に生きているように見えて、生きていくための手段を全くもたない登場人物たち。
    奔放に生きるというよりも、緩やかに死んでいくかのように。
    自覚のない自傷。
    彼らが痛ましくてしょうがない。

    自分を生かすことすらままならないクロエ。
    クロエを支えたいのに、気持ちばかりでなんの力もないコラン。
    ふたりの生は、どんどん小さく儚くなっている。

    しかしそれよりも、シック。
    彼は自分が破滅に向かっているのを知っていながら、自分の力では止められない。
    だからアリーズから離れようとするのだが、それに対してアリーズの取った行動。
    シックとアリーズの、気持ちのかけ違いが哀しい。
    警察が踏み込んできたとき、シックの心の一部は解放されたんではないだろうか。

    現実と非現実の入れ替わりが、よい意味で引っかかる。
    咀嚼するのに時間のかかる文章だ。
    そして、私が読んだこの本は、訳が古い。
    それがまあ、いい意味で味になっている部分もあるのだけれど、やっぱりこれはちょっと古すぎるような気がするので、これから読もうと思っている人は早川書房や光文社古典新訳文庫で出ている新しい訳『うたかたの日々』の方で読んだ方がいいかもしれません。
    新訳読んでないから断言はできないけど。

    この本の訳の古さって、例えば
    “電気オーヴンの指針は、七面鳥の焙り焼きにあわせてあり、『ほぼよろし』と『ちょうどよろし』とのあいだを揺れ動いているところだった。もうそろそろ取り出す時間だ。ニコラが緑色のボタンを押した。知覚接触子が始動して、ひっかかりもせずにすべりだすと、その瞬間に指針は『ちょうどよろし』に到達した。”
    1970年って、こんな言葉使ってました?古すぎません?
    知覚接触子って、センサーってことだよね。1970年にはない言葉だったのか。

    ちなみにデューク・エリントンのレコードをかけるのは“電蓄”
    古くない?
    さすがにステレオとかレコードプレーヤーって言ってませんでしたか?

    いろんな意味で面白かった。

  • ハツカネズミは太陽の光線とダンスを踊り、
    空気中には恋が流れている。
    黄色と紫で彩られた婚礼の花嫁は、
    やがて胸に大輪の蓮の華を宿して病に臥せる。

    一歩踏み出せばたちまち花畑が足元に広がるかのように、
    ボリス・ヴィアンの筆は彼だけの世界を描き出す。

  • 読みながら、自分の加齢をひしひしと感じた。昔読んだ時は描写の美しさと、コランとクロエ可哀想!みたいなピュアな感想しかなかったのに、今読むと「お金が無いって本当にツラいよな〜」みたいな感想になってしまう(恋愛部分はさして……。アリーズの肩を持ちたい)。

    果たして労働は尊いのか卑しいのか。金が無いと人間的文化的な生活は出来ないという絶望感。俺をすりこぎにしちまった奴!そいつはだれだ!だれなんだ!hey you !(from ヘイ・ユー・ブルース)

    昔も今も、イケメン料理人のニコラが好き。

  • なぜか村上龍の「だいじょうぶマイフレンド」を思い出しました。テンポ感が似ているのかな?

    森永チョイスってまだ発売されているんでしょうか??
    あれ、アイスクリーム挟んで冷やしておくと、めっちゃ美味しいんだよね~

  • ふふふ。美と食と恋。ああフランス。

  • 影絵のような本

    恋愛とジャズ以外のものは消え失せたっていい、醜いんだから

    と断言した作家、ボリス・ヴィアン。

    この言葉通り、この作品の中では人々が醜く残酷でコランとクロエ、ニコラとイジス
    愛する人がいる彼らだけが美しかった。


    また、労働をしてボロボロになっていくコランを通して、彼がどれほど労働を否定しているかがよく伝わる。全く効率の悪い、誰がやってもかわらない、すり減らすだけの行為。

  • 数回読んでいる気がするけど、いつも忘れている。
    学生時代とかに読んだ方が印象に残るのかもしれないと思った。

  • 頭の中が色んな絵でいっぱいになった。家が丸くなるのとか、小さくなって行くのはとても微笑ましくて悲しかった。いい作品

  • 容姿端麗、有り余る資産、そつのない社交性。
    コランの優雅な愛と凋落の日々。
    シュールで戯画的な描写。
    美しくもあり、残酷でもあります。そして滑稽なのです。
    美しい悲痛な愛の物語の裏に、持たざる者の鬱屈を、シニカルな視線を感じます。
    愛を失い貧乏になったコランは無邪気に問います。
    何も悪いことをしていないのになぜ?と。
    でも彼が恵まれた生活を享受できていた理由も何も無いのです。

  • 日々の泡 / ボリス・ヴィアン 読了 2013/09/30 #本
    いつか読もうと買っていたこの本、ムードインディゴというこれを元にした映画が公開されるということで、やっと読んでみた。
    全てが夢の中のような、訳者がいう、〈まともに受け取られまい〉とした作風なのだろう。
    肺の中に睡蓮が咲く病気になってしまったクロエと、その病気を治すには多くの花がいることになり、そのためにお金がなくなり、酷い仕事につかなければならないコラン…
    多くの夢のような話の中で、例えば、カクテルピアノ
    半リットルのためのピアノをスリーコーラス弾くと、虹色に輝く液体をたたえたグラスが取り出され、弾いたブルースの味がする…
    全てが夢のようだが、死ぬ人の数も多く、また貧乏になって死んでしまうクロエの葬儀は悲しい。

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日々の泡 (新潮文庫)の作品紹介

愛を語り、友情を交わし、人生の夢を追う、三組の恋人たち-純情無垢のコランと彼の繊細な恋人のクロエ。愛するシックを魅了し狂わせる思想家の殺害をもくろむ情熱の女アリーズ。料理のアーティストのニコラと彼のキュートな恋人のイジス。人生の不条理への怒りと自由奔放な幻想を結晶させた永遠の青春小説。「20世紀の恋愛小説中もっとも悲痛な小説」と評される最高傑作。

日々の泡 (新潮文庫)のKindle版

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