日々の泡 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.67
  • (133)
  • (128)
  • (262)
  • (19)
  • (5)
本棚登録 : 1582
感想 : 161
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102148112

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みながら、自分の加齢をひしひしと感じた。昔読んだ時は描写の美しさと、コランとクロエ可哀想!みたいなピュアな感想しかなかったのに、今読むと「お金が無いって本当にツラいよな〜」みたいな感想になってしまう(恋愛部分はさして……。アリーズの肩を持ちたい)。

    果たして労働は尊いのか卑しいのか。金が無いと人間的文化的な生活は出来ないという絶望感。俺をすりこぎにしちまった奴!そいつはだれだ!だれなんだ!hey you !(from ヘイ・ユー・ブルース)

    昔も今も、イケメン料理人のニコラが好き。

  • 夢のような儚いお話。

  • 久々に文学作品を読んだ気になりました。
    もはやファンタジー。
    状況があまり理解出来ない、不思議なことが次々と。
    そして栄華からの転落振りがすごい。
    お金に何も心配なかった人達が老けてやつれて労働することになり。。。
    というか「彼は何のために労働しているのだろう」というセリフがすごい笑
    金持ちは労働はするものではない、みたいなね。

    著者がジャズトランペッターであることから、デュークエリントンなどが度々登場します。
    サルトルとかも。パロってパルトルって表記されてますが。
    訳なので何とも言えないんですが、文章での表現がお洒落。
    あとは演出。すごい粋な演出などを仕掛けてくる。
    (上で書いたように、演出がすごすぎてわけ分からなくなる。)
    戯曲のような感じ。(戯曲は劇でしか見たことなくて、読んだことはないんだけど)
    感情表現や行動も。

    ちなみにこの本、「うたかたの日々」という別の邦題もあるようです。
    翻訳モノって、訳者の訳風というんだろうか、クセが出ますね。
    訳者のフィルターを通して読むことになるので、いつか自分で読んでみたいと思うのです。
    (英語ならまだしもフランス語はムリだろうなぁ。。。)
    その訳者が自分と合っていればいいんだろうけど。

  • ひびのあわ。響きがいいよねぇ。 あわ。
    原文で読んでみたくなった。フランス語かぁ。
    うぅ、良さを直接に感じてみたい。
    でもこの曽根さんの訳、私は好きだな。簡潔な文体で、情景が浮かびやすくて。

    ほしみっつなのは、読後、やりきれない気分になってしまったから。
    人物を自分に置き換えてみたりもしたけれど、やはり現実ばなれしすぎてて、この想像もフワフワのままに終わってしまった。
    う〜ん。
    クロエって名前はどうしても、高校のときの友人を思い出させる。ふふ。
    デュークエリントン、聞いてみよう。

  • 言葉遊びに溢れた幻想的な世界で刹那的に生きる若者達。儚さの中にしかない美しさを知っているからこそ、人々はこの物語を愛するのでしょう。

  • 毎日おしゃれをして、料理人の手の込んだ食事を食べて、乱痴気騒ぎをしている。仕事もしていない若い主人公がお金がなくなったらどうなるのか心配になる。しかもコラン夫婦は労働を馬鹿にしている。まるで『アリとキリギリス』のキリギリスみたいだ。
    妻のクロエが倒れたと聞いて慌てているのはわかるが、スケート場の案内人がもたもたしていたから殺すのは怖すぎる。
    読んでいくとだんだん、ファンタジー要素の強い本なのだとわかってくる。

    蒸気機関、肺に蓮ができて毎日花が必要になる病気、銃は人肌で温めて作る、など要素としては面白いと思うが、好きにはなれなかった。

  • 数回読んでいる気がするけど、いつも忘れている。
    学生時代とかに読んだ方が印象に残るのかもしれないと思った。

  • 再読。葬儀の場面とクロエ悪女説以外覚えてなかった。全く印象に残ってなかったけど、結構人が死にまくってたんだ。この世界観はなんかちょっとラリってる感じやね。嫌いじゃないけども。

  • 輝かしい愛の日々からの肉体と精神の病魔による転落劇というのはいまだ反復され続けているものだが、ただ若いというだけでない、あまりの純粋性がはらむ危うさは、やはりひとをたじろがせる。
    死して時代の寵児となったヴィアンの悲痛と諧謔の日々はどんなジャズを奏でていたんだろう。

  • 不思議な話。
    「異邦人」とかよりも理解しづらい。

著者プロフィール

(Boris Vian) 1920年、パリ郊外に生まれる。エンジニア、小説家、詩人、劇作家、翻訳家、作詞・作曲家、ジャズ・トランペッター、歌手、俳優、ジャズ評論家など、さまざまな分野で特異な才能を発揮した稀代のマルチ・アーチスト。第二次大戦直後、「実存主義的穴倉酒場」の流行とともに一躍パリの知的・文化的中心地となったサン=ジェルマン=デ=プレにおいて、「戦後」を体現する「華やかな同時代人」として人々の注目を集め、「サン=ジェルマン=デ=プレのプリンス」 とも称される。1946年に翻訳作品を装って発表した小説『墓に唾をかけろ』が「良俗を害する」として告発され、それ以後、正当な作家としての評価を得られぬまま、1959年6月23日、心臓発作により39歳でこの世を去る。生前に親交のあったサルトルやボーヴォワール、コクトー、クノーといった作家たちの支持もあり、死後数年してようやくその著作が再評価されはじめ、1960年代後半には若者たちの間で爆発的なヴィアン・ブームが起こる。

「2005年 『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ボリス・ヴィアンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×