奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫)

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制作 : Helen Keller  小倉 慶郎 
  • 新潮社 (2004年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102148211

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奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今まで名前だけ聞いたことがあったが実際にどんな人か全く知らなかった。ある本で、ヘレンケラーについて簡単な紹介がありどのようにして言葉を学んでいったのか想像がつかず興味を持って読むことにした。
    ヘレンケラーは1歳の頃病気で目も耳も聞こえなくなってしまい、徐々に成長するも自分の考えを伝えることができずよく癇癪を起こす少女であったが、7歳の頃サリバン先生に出会うことで「ことば」の存在を知り、世界が大きく広がり、愛にあふれた人生を歩んでいくようになった。
    この本は22歳の時に書かれた本の翻訳ではあるが、サリバン先生に出会う前の記憶から19歳でハーバード大学の女子部に合格し、大学に通っている現在のことまでが描かれている。
    目も見えない、耳も聞こえない中、ことばを習得するのは並大抵の努力ではできないと容易に想像がつくが、言葉は英語だけにとどまらずフランス語やドイツ語など5ヶ国語もマスターしている。それだけでなく、歴史や地理、聖書など多岐にわたる分野についても心から興味をもち勉強をし、勉強だけでなく、自然の中での体験や絵や骨董品、演劇などの芸術も好きだったと。普段あまり意識していないと目と耳から情報を得ることが多いが、ヘレンはその両方が遮断されており、残された感覚をフルに使ってそれらを感じ感動するのだと。都会の道と田舎の道が全然違うことも感じるし、しゃべっている人の口にふれることで何と言っているかもわかるのだ。
    自分が同じ状況ならここまでできるものなのか全く想像できないが、出会った人に感謝し自然に感謝しあらゆることに感謝して全てのことに愛情をもって接することが、ヘレンを亡くなって50年以上経つ今も世界的に有名な偉人した大きな要素だったかもしれない。
    愛情に溢れたヘレンを感じて、今までよりも身のまわりのものに愛情を感じられるようになった気がした。

  • ヘレン・ケラーが偉人と言われる意味がよくわかった。
    大学入試や入学後の猛勉強ぶりのタダ者でなさ。
    周りの助けもあったとはいえ、例えば数学で図形を学ぶために、針金で模型を作り、触って理解できるようにするなど、学ぶために労力や工夫がいる。
    授業や講義にはサリバン先生がついていて、教科書の内容と教授の話を絶えず指文字で翻訳してくれる。
    でも、それは時間に連れて進んでいくもの。
    ノートも取っていたようだが、かなりの部分を頭に入れていたようだ。
    凄まじい吸収力。
    子どものころの汚点として書かれている盗作疑惑事件も、この吸収力のなせる業なのかと思った。

    サリバン先生との出会いで、よく語られるのが、あの「ウォーター」のエピソード。
    演劇などでは野生児のようだったヘレンに体当たりで教育する姿が有名だけれど、この本ではほとんどそんなことは出てこない。
    出会って間もなくまず、人形という言葉を指文字で覚え、言葉に魅了されて次々と覚えていく。
    二十一歳の彼女の自伝だからか、むしろサリバンの教育をほとんど抵抗なく受け入れたような印象だ。

    水という言葉は、最初に獲得した言葉ではないようだ。
    それは、彼女が大病によって障害を負うまでに、つまり一歳の赤ちゃんの時には、すでに理解し、それを発音できそうなところまで達していたことがこの本を読むとわかる。
    恐ろしく知的に恵まれていた人だったようだ。
    この自伝で語られるのは、むしろ言葉を獲得し、知識を得ていくことの喜びと、周りの人々への愛だ。
    家庭環境に恵まれなかったサリバン先生が、ヘレンに「あなたを愛している」と伝え、愛というものを教えていく姿は感動的だ。

    最後に、この本で最も驚き、印象も深かったのは、文章の美しさだ。
    「夜明けとともに起きて、こっそり庭に出かけることもある。草花はしっとりと露に濡れている。バラの花を手でつつむと、柔らかな弾力のある感触がする。朝のそよ風に揺れる、ユリの美しい動き――この喜びを知る人はまずいない。花を摘んでいると、花の中にいる虫を捕まえてしまうこともある。花ごとつかまれたことに気づくと、虫は慌てて二枚の羽根を動かす。その時のかすかな振動を私は手に感じることができる。」
    子どものころの思い出を語ったくだりだ。
    全身で世界を感じているせいか、彼女が文学を好んだせいか、描かれる世界が何とも美しい。

  • 22歳のヘレン・ケラー自身によるエッセイ。
    飾らない彼女の言葉はとても魅力的で、その真っ直ぐな心に強く惹かれた一冊。
    なんとなくですが、ここからまた新たな一歩を踏み出せるような気がしました。

  • 無理やり嫌な食事を口に詰め込まれるような学びなど要らない、自分の心で体で摘み取りに行くものしか欲しくない

  • 読んでいたはずだったんだが…。

    奇跡の人は、どっちだ?という気持ちで読んだ。

    でも、ガラスの仮面とか、部分的にしか知らない人だったので、自分で書いたものを読めてよかった。
    “ウォーター”が潜在的に残っていた、とは。
    そこからぐんぐん、か。
    いろいろな経験と年齢をみてびっくり。すごい。

  • ヘレンケラーは目も見えない、耳も聞こえないという不自由な体でありながら私たち以上に勉強ができ、社会に貢献しているのですごい人だなぁと思った。また、私たちから見たら目も耳も使えない体なんて不便で大変そうだなと思うが、逆に目と耳から入る情報を遮断することで、心の目と心の耳の能力が開花されこの世界の心を感じることができるのだと読んで感じた。この心の目と心の耳は忙しい現代の私たちに忘れがちなものだと思う。私も何かで壁にぶつかったりくじけそうになったりしたら、目を閉じ一人きりになって静かに少しでも心の目と耳を研ぎ澄ませてみようと思う。

  • ヘレン・ケラーは恥ずかしながら名前しか知らない人だったので読んでみようと思い読んだ。
    窓ぎわのトットちゃんを彷彿とさせる好奇心を大切にする育て方が豊かな人間を生むのだとこの本を読んで思った。
    周りの環境が良かったのはヘレン・ケラーの努力によるものであろうと考える。

  • 2歳頃からの難聴が37歳にして治り、気持ちの複雑さが半端ない。

    ゆえに聾者や難聴者関係の本を読んでしまう。

    だからヘレンケラーを読む。

    小学生向けの自伝は読んだことがあるが。

    まずはじめに驚くのが、電話を発明したグラハム・ベルはもともと聴覚障害者教育に携わっていて、ヘレン・ケラーのアドバイザーだったということだ。

    やはり、という感覚がとても大きいが、聾者は言葉を覚えられない。覚えられるのだが、とんでもない努力をしなければならない。しかも目も見えないので、指で手のひらに文字を書いて言葉を知るのだが、モノに名前があることから知り、単語を知り、文章で理解する、という言葉の広がりをあきれるほど地道に、しかも繰り返していく。

    霧の女王事件では、意図はなかったが、結果として盗作になってしまい、自分の記憶や言葉を疑い、言葉の危険性を知り、言葉遊びをやめて、より言葉使いに慎重になる。

    そして大学に行けるほどの能力を持つことになる。
    宗教心も持ち、人としても強くなる。

    読み手としては、ヘレンケラーの本の趣味を語る箇所が多すぎて、自己陶酔的な面は否めなかったが、3重苦を持った人間が知力を得るまで、どのような訓練をしたのか、その過程を知ることができた。

    また、たぶんほとんどの人は、ヘレンケラーがすごくてサリバン先生がフォロワーくらいにしか思っていないだろうが、この自伝を読むと、二人は一心同体だったことがよくわかる。生活も死ぬまで一緒だったし、授業も一緒に受けている。サリバン先生もそうとう知力がついたのではないかと思ってしまった。

    だから、というかヘレンケラーも自覚しているようだが、その言葉がヘレンケラーの言葉なのか、サリバン先生の言葉なのか、わからなくなることがある。改善の余地はないので、一心同体でよいのか。

    余談だが、ヘレンケラーはこんなに需要があったのだから、リッチなのだろうと思っていた。しかし実際は世の中に必要とされるまで時間がかかっており、42,3から収入を得られるようになっている。(死後も著作が売れているが。)ヘレンケラーでさえも、という感想だ。最後まで希望を捨てなかった彼女はやはり尊敬できる。

  • ヘレンは凄い人ですが、本の内容はイマイチでした。

    乙武さんの五体不満足もそうなんですが、どうしても私はね!ってアピールに感じてしまう。

    想像を絶するような苦難を乗り越えて、健常者以上に人間らしく生きているのは素晴らしいと思いますし、実際私の身に同じことが起きたら、とても耐えられないでしょう。

    だからこそ、少しでもその苦労や、創意工夫をもう少し知りたかった。

    正直なところ、彼女が好きな本などは、ほんの少しでよかったのでは?と思ってしまいます。

    それと、文章も、文章内の行動も、ほとんど健常者のような雰囲気なんですよね。
    成長後に書いたものだから仕方ないですかね。

    エンタメ性の高い、原田マハの本を先に読んだのが失敗でした。あれは面白かった。

    内容的に少し期待はずれということで、低評価になってしまいました。

    あまりオススメしません。

  • 2014/4/12 読了
    自伝なので当然なんだけど、少し話が冗長だったかなぁ。。と感じた。1歳で目と耳が聞こえなくなった人が22歳に執筆した作品という意味では、知性あふれる素晴らしい内容だとは思う。いつかまた再読してみたい。

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奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫)の作品紹介

わずか一歳で光と音を失い、七歳までことばの存在を知らなかったヘレン・ケラー。三重苦の彼女は、サリバン先生の愛に導かれ「ことばの世界」に目ざめる。そして負けず嫌いで前向きな性格と驚異的な努力により、十九歳で名門ラドクリフ・カレッジ(ハーバード大学の女子部)に合格-知的好奇心に満ちた日々を綴った若き日の自伝。大人のための新訳。

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