私たちがやったこと (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102149324

感想・レビュー・書評

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  • 短編7作。
    精神の結びつきを突き詰める。
    狂気であるが狂喜なのだろう。
    分からなくもない自分にゾクゾクした。

  • アメリカ現代特有の、乾いた、印象。柴田訳の妙はいくばくか。表題作が一番よかった。デルヴォーのイメージを想起された。

  • HIVと同性愛をテーマにした『よき友』が印象的。

  • 同著者の 「家庭の医学」 は好きだけど、この本はあんまり。
    柴田さんの訳もいつもは嫌いではないけど (むしろ好きだけど)、この本の訳はもうひとつ。
    いまや翻訳文学と映画字幕と歌詞の世界でしか生きていない芝居がかった台詞回しが、なんとなく気持ち悪い。これはエリザベス・ギルバートの 「巡礼者たち」 を読んだときとまったく同じ感想 (そういえば 「巡礼者たち」 の翻訳者さんは柴田さんの教え子さんですね)。
    「~なのさ」 とか 「~なんだぜ」 とか 「~するっきゃないわ」 とか 「~だい?」 なんて言い回し、現代の話し言葉ではもう使われていないでしょう。だから、そういうのが会話の中で出てくるたびに 「ああ、これはウソだ。翻訳者がノリノリになって演じているだけなんだ」 と鼻白んでしまう。レズビアンの女性の口調もしかり。 「いかにも」 すぎて、私はダメだった。さらに、翻訳書で 「おぢさん」 なんて表記を目にしてしまうと、翻訳者の過剰な演技に一気に萎えてしまう。そのへんを 「これはそういうフレームの中で語られているんだから、それでいいの!」 と割り切って読めたら、純粋にストーリーを楽しめるんだろうけど。
    しかしながら、残念なことにストーリー自体も好みではなかった。表題作 「私たちがやったこと」 と 「よき友」 は魅力ある作品ではあるけど、私は好きじゃない。 「ナポレオンの死」 は読みすすむのが苦痛だった。

  • 表題作の短編「私たちがやったこと」

  • 読むきっかけ・感想:某サイトでオススメされていたから。柴田訳リンク中だったから。
    感想:『私たちがやったこと』は設定の過激さもあって衝撃的でした。少女という時代を過したことがある人間としては、『アニー』がすごすぎた!
    レズビアン作家という前知識なしに読んでいたのですが、そういった要素が加わることで思いがけず広がった感じ。

  • 柴田元幸氏訳。短編集。

    たんたんとした語り口だけど、情熱的に相手を愛する主人公に私は共感できた。何度も読みたい本となった。

    私は知らなかったけれど、レベッカ・ブラウンは有名なレズビアン作家。
    口絵の写真では男性に見えるけれど、読めばその女らしさがよく伝わってきます。

    表題作は米国の春琴抄。

  • 『結婚の悦び』『私たちがやったこと』『アニー』『愛の詩』『ナポレオンの死』『よき友』『悲しみ』収録。
    現実的・日常的な場面を描いているはずなのに、すごく幻想的で非日常的な雰囲気です。
    レズビアン作家というだけあって、恋人が男女を意味しないところも、独特の不思議な感覚を作り出しているのかも。

    『私たちがやったこと』で、互いが不可欠になるために、耳を聞こえなくした“私”と、目を見えなくした“あなた”は、
    二人だけの世界を作り上げようとして、二人だけの合図で、二人だけの濃密な関係を築いたはずなのに、
    次第に正常なはずの機能も歪んで、どろりと煮詰まったような感覚になっていくのがすごかったです。

    恋人同士の二人の世界が、外部の地位や名声が入り込むことでバランスを崩していったり、
    逆に外部との関わりを排斥して二人だけの世界を完結しようとするあまり、内側からバランスを失ってしまったり。
    それはリアルだなと思いました。

  • ・誰かの日常の断片がとても抽象的・主情的に描かれている。登場人物に特定の名称をつけないでストーリィを展開させていく手法が多い様。
    ・女の人の作品かな?と思いながら読んでいたけれどやっぱり女性作家だった。ロマンティックでファンタスティック。
    ・内容は大きな括りで『愛』がテーマの短編7作。色々な形があるし、捉え方があるし、表現の仕方があるのだ。

  • 読んでいて、悪夢をみているかのような、それでいてとても甘美な感触の残る不思議な短編たち。
    『体の贈り物』とだいぶ雰囲気が変わっていたのでちょっとびっくりしたけれど、本の中の「よき友」には内容的に通じるものがあるのかな。
    この人のつむぐ物語は小説ならではのものだと思う。例えば映画などで映像化しようと思っても、全く意味のわからないものになるか、はたまた最高に陳腐なものになるかのどちらかだろう。だれかに挑戦して欲しいなぁとは思うけれど。

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著者プロフィール

1956年ワシントン州生まれ、シアトル在住。作家。翻訳されている著書に『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』『家庭の医学』『犬たち』がある。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。

「2017年 『かつらの合っていない女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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