かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159019

感想・レビュー・書評

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  • 小6、中3、高2と3回分の読書感想文でお世話になりました笑
    うち後ろ2回は学校代表に。そりゃ回数重ねれば内容の理解度も上がるしね…苦笑

    小説の内容と全く関係ないが、当時は本当に読書が苦手で、本が手放せない人になるなんて想像もしていなかった。
    もっと若い頃から読んでおけば…とは、思わないが、本はただ知識を与えてくれるだけではなくて、壁にぶつかった時に寄り添ってくれたり、救いになってくれることもある、ということを当時の自分に伝えたい。

  • H30.2.2 読了。

    ・「最も高く飛ぶカモメは最も遠くまで見通す。」
    ・「つまりカモメにとって飛ぶのは正当なことであり、自由はカモメの本性そのものであり、そしてその自由を邪魔するものは、儀式であれ、迷信であれ、またいかなる形の制約であれ、捨てさるべきである。」

    ・読んだ内容はじわじわと後でわかってくるのだろうか?ただ、孤高のジョナサンは、かっこいい。

  • おもしろかったのですが、なんだかずっともやもやしながら読んでいました。
    そのもやもやの正体が訳者あとがきに書かれていて納得。
    食べることとメスのカモメ、つまり性愛に関することが排除されて、男性の友情や師弟関係のみに焦点が置かれていることに不自然さを感じていたのです。
    カモメという野生の生き物の物語として語られるから余計に、生きて命をつないでいく本能の部分が描かれないことに引っかかってしまいました。
    けれど、そんな本能も振り切って、ただただ飛ぶ歓びを突き詰めていったジョナサンだから、普通のカモメには辿り着けない境地に至ることができた、とも言えるのか。

    ジョナサンがさまざまな飛行技術を試して研究を重ねていくシーンには、ひとつのことを極限まで追求するわくわく感をはらんだストイックさを感じました。
    でもフィジカルって大事だから、ちゃんと食べてちゃんと寝てコンディションを整えるのも必要では…とも、やはり思ってしまう。
    求道者について、頭の中であれこれ堂々巡りを繰り返しつつ読了。

  • そう、重要なのは食べることではなく、飛ぶことだ。風になることだ。
    急降下、宙返り、きりもみ、そして全速力――飛ぶことだけのよろこびを味わうために、光りかがやく空の果てまで飛んでいく一羽のかもめ、ジョナサン・リヴィングストン。
    群れから追放された異端のかもめは、強い意志と静かな勇気をもって、今日もスピードの限界に挑戦する。夢と幻想のあふれる現代の寓話。幻の第4章を加えた完全版として、復刻。
    1970年代、資本主義や物資主義に背を向けたヒッピーや競争社会に疲れた人々にとって、ベストセラーとなった「かもめのジョナサン」。
    食べるエサを探す手段としての飛行技術というよりは、純粋により早くより高く飛ぶことを追求するジョナサン・リビングストンの姿は、広告により購買欲を刺激する資本主義や出世を追い求める競争社会や広告でブランドものを売りつける物質主義に疲れた新たな価値観を探したい若者の心を掴んだ。
    だが、「自由を追い求める手段としての飛行」を追求する姿勢や飛行技術が忘れさられ、神がかりさを強調する神話的なエピソードやジョナサンとその直弟子を神格化するジョナサンの信奉者の堕落を描いた幻の第4章は、イエス・キリストや仏陀の教えを歪めて衰退する宗教のようでほろ苦い。
    とはいえ、生活にまみれてしまった大人にも、社会に出る前の子供にも、ぜひ一度でいいから読んで欲しい現代の寓話。

  • とっても有名な小説だけど初めて読んだ。
    これは読む年代によって感じ方が変わりそうな気がする。もっと若いときに一度読んでおけばよかった。

    かもめのジョナサンは食べることよりも飛ぶことそのものに大きな興味を抱く、言ってしまえば異端なかもめ。
    そしてそのことがきっかけである日群れを離れることになり…

    心のなかに何か欲求や希望があっても、それだけに焦点を当てて生きていくのは簡単なことではない。
    突き詰めることによって他者から異端視されて煙たがられることもある。
    だけど本当はそういう生き方をしたいと願っている者が、煙たがる群れのなかにも存在している。
    そんな群れのなかの者は、自分の本当の欲求に気づいたとき、どういう行動を取るのか。

    面白いのは、訳者の五木寛之さんが、この物語に対してあまり肯定的ではないということ。
    肯定的でないというか、ちょっとした危機感を抱いているというか。 確かにその気持ちも少し解るような気がする。
    でも私は、ジョナサンたちのような異端視されながらも自分の欲求に忠実に生きる者が正しくて、それを妬んだり排斥するような群れに生きる者が間違っているとか、この物語はそういうことを言いたいのではないと思った。
    どっちの生き方も“あり”で、どっちが正しいとかいう問題ではない。無理してるわけじゃなく群れで生きる方が心地よい人だってたくさんいるだろうから。
    自分の意識に気づいて生き方を考えてみる。そのきっかけを与えるような寓話で、それを分かりやすく両者に役割を与えて描いているように私は感じた。
    自分にとって本当に大事なものは何なのか。目的は何なのか。金銭や賞賛を得たいからそれをするのか。それともただそれが好きだからするのか。

    自分のことを異端かも?と考えている人はとくに共感できるのかも。
    私は今は思わないけどそう思ってた若い考えのときがあったので(笑)尚のこと、もっと前に一度読んでおけばよかったかなと思う。
    でも今読んでも、私は私が思う生き方をしていいんだ、という想いは改めて与えてもらった。

    この作品と対になってる(?)小説もあるらしいから、それを読めばまた感じ方に変化が生まれるのかもしれない。

  • 寓話として物語は進められていくが、
    カモメを人間に変えれば自己啓発小説になる。
    どれだけ馬鹿にされようと、自分のやりたいことをやり、
    人を愛しなさいということだと思う。
    自分の限界を決めずなんでもチャレンジできる人間ってかっこいいですよね。
    アメリカらしい作品。
    やっぱり成功者ってドMしかなれないんだなぁ。

  • 恥ずかしながらこの歳にして初読みとなります。

    世界的に有名な本ということで楽しみに手にしてみました。

    予想に反する展開に少し戸惑いを感じてしまいました。

    カモメのジョナサン・リビングストーン。

    彼はカモメとして生まれるも、他のカモメと違い飛ぶ事を追求していく。

    他のカモメよりも速く飛ぶ。

    その結果、群れから追放されるが、そこで師匠ともいえる存在と出会い、更なる高みを目指す。

    新たな飛行技術を手にしたジョナサンはやがて自分と同じく飛ぶことに意味を見出そうとする仲間に出会い、彼らを導いていく。

    カモメの物語。

    しかし、そこには神とか、人生の意味等を考えさせられる。

    不思議な物語でした。

    説明
    そう、重要なのは食べることではなく、飛ぶことだ。風になることだ。急降下、宙返り、きりもみ、そして全速力――飛ぶことだけのよろこびを味わうために、光りかがやく空の果てまで飛んでいく一羽のかもめ、ジョナサン・リヴィングストン。群れから追放された異端のかもめは、強い意志と静かな勇気をもって、今日もスピードの限界に挑戦する。夢と幻想のあふれる現代の寓話。

  • かもめになぜか魅かれる私。
    海をギャーギャー飛んでるうるさい鳥なのに。
    「カフェかもめ亭」も好き。
    そういえば、勤めている会社の名前にも「かもめ」が
    ・・・いや、個人情報になるのでやめておこう。
    自由なかんじがする海や鳥に魅かれるんだろうか。

    かもめのジョナサンが速く飛ぶこと、美しく飛ぶことを追究していく物語。
    バシャバシャと水を跳ねさせ、ギャーギャーとえさをあさっているかもめたちの中、スーと美しく降り立つジョナサンの姿が印象に残っている。
    かもめという枠に囚われない生き方、限界を決めつけない生き方に自由を感じた。

  • ただ、ただ、速くありたい。

  • 途中からジョナサンがスーパーサイヤ鷗になるwww
    前半は飛行技術に情熱を注ぐ熱い話だが…後半が、ヒッピーが薬で「とぶ」ような内容になり笑えます…
    前半だけを絵本にして、後半はバトル漫画にするのが
    良いでしょう

  • ということは、わたしも本を読み続ければ、いつかは向こう側の世界に行ける。

  • ヒッピー!
    って思ったら、1970年にアメリカで発行とあった。ジョナサンが達観する境地はブッディズムでいう即身成仏のそれに近い気がする。

    長年の間、勝手に児童向けの寓話かと思ってたけれど、全然違って驚いた。何より自分の無学にびっくりした(笑)。

  • 人生で一度は読むべき名作
    (大宮図書館スタッフT)

  • 「星の王子さま」に近いものがある。
    読み進めていく中で、あぁそうゆうことか…と自分の生きる世界と重なり活かせる文がいくつもある。
    自由、成長、個性…
    また時を経て読みたい。
    人生の中で大切なことがここに書かれている気がする。

  • 心・魂の重要性を描いた物語だと感じた。
    ある意味、とても崇高なお話、なのだろう。
    しかし、残念なことに、私は完全に同意する気になれない。
    肉体を抜きにした崇高さなんて、ないと思うから。
    そして、肉体を置き去りにした魂を信じることの危険性は、日本でも証明されていると思う。
    しょうもないしきたりや、圧力や、自分たちの愚かさに気づかないところや、そういったものへの反骨精神は非常に共感できる。
    しかし、そういった人たち、食べ物や生活に追われる姿を見下す視線は、まだまだ成熟しきっていない青いジョナサンを感じさせる。
    泥の中に咲く蓮の花ではない、のだ。
    そして、蓮の花は、根や茎、泥にすら支えられて生きているものなのに・・・・

  • 五木寛之の文書が好きでこの本は彼の訳だったことと有名な本だったので持っていた。
    今、城山三郎の著書「少しだけ、無理をして生きる」を読んでいる。
    その中で、この本の著者について触れている章があった。
    そんな訳で、積んであった山の中からやっと読む機会が巡ってきた。

    さして情報を持っていずに読んだのだが、読んでいて虚をつかれたような感じがした。
    寓話のような感動系の話かと思っていたのだが、全く違なり精神世界というか宗教的というかそんな印象を受けた。

    餌をとるために飛ぶのではなく、飛ぶことを極めるために飛んでいるジョナサンは異端として群れからはぶられてしまうが後に悟り群れにもどり教えを説く。
    読んでいて違和感だらけだったし、根底に宗教に対する不信感があるからかもしれない。
    写真も多く100ページもないほどの量ではあるが寓話とは、全く思わない。

    五木寛之氏が巻末に解説を書いているのだけれどそちらはとても興味深かった。
    氏も解説の中で「この物語が体質的に持っている一種独特の雰囲気がどうも肌に合わない」と述べている。
    そのことは、もしかしたら原文よりも寓話的ではなくなっているのかもしれないなとは思う。
    私も、氏と同じくこの本が支持と共感を得た事に関して興味を覚える。
    1970年代のアメリカでヒッピーの間から徐々に全土に広まっていったらしい。
    この本がベストセラーになったのは時代背景が大きかったのだろうか。
    群れの中で埋没することを嫌い、個性的というより異端な存在としていたいということを望む人々に支持されたのではないだろうか。
    現代の人々は何を思うのか、やはり手放しで称賛するのだろうか?
    何となもやもやが残る。

    はたまた、もう少し若いころに読んでいたらとらえ方も違ったのかもしれない。

  • 『森博嗣のミステリィ工作室』から。
    哲学だなぁ。
    森さんの「スカイ・クロラ」シリーズと「ヴォイド・シェイパ」シリーズは、この作品の影響を受けているように思う。

  • 読む時々で発見がありそうな、薄いけど不思議な本。
    2015.12.5

  • 頭を悩ませながら三回読みました。想定を違う方向にふっとばされて、今は気持ちが散り散りです。
    ファンタジーとして読むつもりでいたので、まさかこんな世界だったとは・・・。理解をしようともがく程どつぼにはまりそうです。これ、僕が高校生の時に読んでいたら、自分の中にあった孤独や理解されない事に対する疎外感に共鳴して、愛読書になっていた可能性があるような気がします。
    昔の僕は、理想の世界を夢想して正義感で一杯でしたが、その理想の世界には親も友人も知人も不在で、顔のわからない不特定多数が存在するだけでした。
    今では周囲が愛おしすぎて超越した意味合いでの人類愛はもう持てません。あるのは自分と地続きの人々の連続体としての世界への愛おしさだけになりました。
    これは読む人によってアメーバーのように形を変える本ですね。ある意味怖いです。
    これは完全版を読んでもう一度考え直したいと思います。

    自分への覚書
    ・報酬を求める事よりも、事象(仕事と置き換えてもいい)に対して向き合え⇒食べる事、報酬を受け取る事は重要な事だと僕は考える。この話の中ではそれを極端に否定しすぎているので違和感に感じるのか?・・・。

  • part1は好きだけれど2からあまり魅力を感じない。その事だけメモしておいて後で考えよう。
     ◆part1 40頁 彼のただ一つの悲しみは、孤独ではなく、輝かしい飛行への道が目前に広がっているのに、そのことを仲間たちが信じようとしなかったことだった。彼らが目をつぶったまま、それを見ようとしなかったことだった。

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著者プロフィール

1936年、アメリカのイリノイ州に生まれる。空軍パイロット、郵便飛行士、エアショーや遊覧飛行をしながらの地方巡業を経て作家になる。代表作として、ヒッピーのバイブル的小説となった『かもめのジョナサン』の他、『イリュージョン』、『ОNE』などがある。2012年、自家用飛行機を操縦中に墜落して瀕死の重傷を負ったが、一命を取りとめ、現在はリハビリに励んでいる。

「2013年 『ヒプノタイジング・マリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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