大女優の恋 (新潮文庫 ハ 9-5 フェレット物語 4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159057

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  • 第3巻の主人公バッジは小さいころにモンタナの牧場でデルフィン(小型の馬)に乗る訓練を受けたことがある。
    第2巻に出てくるストローブも小さいころに同じ牧場でバッジと夏をともにすごした。じつを言えば、第1巻で救助隊の頼れるエンジニアのボアもだ。
    そういう細かいお楽しみがこのシリーズの随所に出てくる。
    物語には直接の関わりはないが、それでもたぶんこの世界観には関わりがある。どのフェレットも、どこかで他のフェレットを支えているし、影響を与えている。だから、フェレットたちはしっかりと身を律して、立派に生きようと努めている。

    さて、第4巻は、その牧場の主モンティと、幼馴染の大女優ジャスミンとの恋。でも、やっぱり物語で描かれているのは「働くということ」。脇を固める元世界的料理人のクッキーや、フェレットだけでなく牧場で飼われているレインボー・シープという羊たちも自分たちが何をもって働くのかを真剣に考えている。

    この物語の中には、フェレットたちの善良なる世界を端的に表す印象深いシーンがある。
    それは、旧友のクッキーが大女優ジャスミンをその心のおもむくままに生きさせようと思って、モンティの部屋を訪ねさせようとするシーンだ。
    動揺するジャスミンが「いけないわ!もどりましょう!」と言うと、元世界的シェフは立ち止まる。
    フェレットは嫌がるものを無理にどこかに連れていったりは決してしないからだ。
    次の瞬間には、立ち去ろうとするジャスミンにクッキーが「ジャスミン、聞いてくれ!」と言う。彼女はもちろん立ち止まる。
    フェレットは友達に聞けと言われたら、必ず耳を傾けるものだからだ。

    あー、なんという素晴らしい世界だろうか。
    嫌がるものに強いることなく、聞いてほしいと言われれば耳を傾ける。
    シンプルなこのルールが守られることがあったなら、こんな世界が立ち現われるのだ。

  • 題名の割には
    どっちかというと大女優の恋人側に
    視点が置かれている話。

    シリーズの他の話と
    こうつながるのか~、という感じ。

    自分の夢に生きるのか、
    そのさらに向こうでどう生きるのか、
    なんか天上人視点のお話で
    よくわかんなかった。

  • 道を選ぶ時、友人の存在に羞じない道を、
    と行動できるって幸せだと思いました。
    ジャスミン可愛い。
    レインボーに会いたい。

  • 「俳優は、ひとつの生涯を多くの人と分かち合う事ができる。
     俳優は、ふつうならふれることもなかったはずの生涯を、みんなに経験させてあげられる。
     俳優は、別の判断をくだしたらどうなるか、もっと賢くて思慮深い人間になったらどうなるか、みんなに見せてあげられる。」

    レインボーをもふもふしてみたい。
    想い続けることとは、難しいようで簡単なようで、でもむつかしいのです。

  • HAPPY END

    とても気になる生き物が出てきました。
    レインボーです。
    カラフルでいい匂いの動物さん。
    ホントにいたらいいのに・・・。

    閑話休題

    大女優の恋。
    でも、そんな言葉は出てこないのです。
    純粋で透明な想い。
    まるで純愛小説です。
    フェレットですけど。

    このシリーズ映像化してほしいです。
    クレイアニメとかで。

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著者プロフィール

1936年、アメリカのイリノイ州に生まれる。空軍パイロット、郵便飛行士、エアショーや遊覧飛行をしながらの地方巡業を経て作家になる。代表作として、ヒッピーのバイブル的小説となった『かもめのジョナサン』の他、『イリュージョン』、『ОNE』などがある。2012年、自家用飛行機を操縦中に墜落して瀕死の重傷を負ったが、一命を取りとめ、現在はリハビリに励んでいる。

「2013年 『ヒプノタイジング・マリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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