宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

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制作 : Simon Singh  青木 薫 
  • 新潮社 (2009年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159743

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 壮大なる宇宙に魅了された科学者達の格闘を描いた作品。古代ギリシャから現代にいたる。前半はヒックバン理論にたどりつくまでの歴史。後半も楽しみだな。

  • サイモン・シン「宇宙創成〈上〉」を読了。今月22冊目。

    著者の処女作「フェルマーの最終定理」が最高に素晴らしかったので、買ってきた3作目。2作目は「暗号解読」という、これがまた面白そうなテーマなんだけど、まだ出会えていないので未購入。

    もともとは「ビッグバン宇宙論」という題名だったくらいなので、基本的にビッグバン宇宙論への歴史が綴られている。上巻ではハッブルが宇宙が膨張しているという事実を観測から見出すところまで収録。

    上巻で出てくる著名な人物としては、アリストテレス、ガリレオ、コペルニクス、ニュートン、ケプラー、アインシュタイン、ハッブルなど。

    翻訳物であるにもかかわらず、翻訳が大変に素晴らしい仕事をしている。翻訳にありがちな読みにくさなど全く感じられず、最初から日本語で執筆されたんじゃないかと疑うほどに良い仕事をしてて、ちょっと感動的ですらある。

    個人的に意外なエピソードだったのが、天の川銀河の外にも銀河があるんだよって事実が確定したのが1923年という、わりと最近だということ。それまでの宇宙観では全部、天の川銀河の中に観測される天体は含まれる・・・と考えられていたとか。まだ100年もたってないんだねぇ。というか、一般相対性理論の発表の時期にも、まだ天の川銀河が唯一の銀河だったという事なのか。

    またニュートンの重力理論とアインシュタインの重力理論とのせめぎ合いは、既に正解とされているもの、価値観を、新しいものが置き換えていく事がどれだけ困難な仕事なのかという事を分からせてくれる。この辺のエピソードは現代社会においても組織論的な置き換えで読んでも役に立つかもしれない。

    理系のテーマではあるけれども、各章の終わりには「まとめ」としてノートを取ったように分かりやすくまとめられているので、容易に理解できるし、人間のドラマとして圧倒的な時間的スケールが描かれているので、文系な方にもおすすめな一冊。まだ下巻を読んでないけど。

  • 古代ギリシャ時代の宇宙観から最新の宇宙理論までを描き切った壮大なノンフィクション。宇宙論に関する本は哲学書以上に哲学を感じさせてくれる。セーガンのコスモスの感動が甦る。

  • これだけ文庫になるのを待ちわびた本は、村上春樹以外にない。「フェルマーの最終定理」「暗号解読」と読んできて、次は宇宙論の本が登場するというのだから、期待するのも仕方ない。そして、中身はというと期待以上のものであった。ふつう、読んだら1週間以内で感想を書くのだけれど、どういうわけか、本書のレビューを書くのは忘れてしまっていたらしい。探してもどこにもない。さあ、こうなると内容はすっかり忘れているかというとそうでないからすごい(私の中では)。ちょうど、昨日は皆既日食があった。もちろん、関西は部分日食で、しかも天気はくもり。なんとか、雲の切れ間から、3割くらい欠けた太陽を見ることができた。しかし驚くべきは、8割がた欠けた状態でもほとんど外の明るさは変わらない。だから、気にしなければ部分日食は気付かないで通り過ぎていく。しかし、皆既日食となれば、その5分ほどの間、暗がりの中で、太陽近くの金星や1等星を見つけることもできる。古代、皆既日食を体験した人たちは、どう思って、どのようにその仕組みを考えて行ったことだろう。本書は、もちろんビッグバンという考え方が生まれてきた背景、論争、その名前の由来などが一番の醍醐味なのだろうけれど、それと同じくらいに、前半登場する古代の人々の、地球、月、太陽の大きさや、それぞれの間の距離などの求め方がおもしろい。また、恒星日という考え方も初めて知った。そう、アインシュタインの一般相対性理論も日食の日にその正しさが証明されたのであった。

  • ・「家が石で造られるように、科学は事実を用いて作られる。しかし石の集積がいえではないように、事実の集積は科学ではない」―アンリ・ポアンカレ

    ・古代ギリシャ人たちは、太陽の直径を知るには太陽までの距離がわかればよく、太陽までの距離を知るには月までの距離がわかればよく、月までの距離を知るには月の直径がわかればよく、月の直径は地球の直径がわかればよいことを示した。距離や直径という足がかりは、北回帰線上にある深い井戸(エジプトのシエナに年に一日真上に日が昇るので底まで明るくなる井戸があるという。その同じ時間に離れた地点Aで地面に垂直に棒を立てる。その棒の傾き:360°の比はシエナと地点Aの距離:地球の全周と等しい)と、地球が月に投げかける影(皆既月食で欠け始め→真っ暗の時間と真っ暗の間の時間を比較すると月の直径と影としてかかる地球の直径の差が分かる。およそ4倍。太陽がとても遠くから光を放つので、地球から月にはほぼ真っ直ぐ影が落ちる。)と、半月のときには太陽、地球、月が直角三角形の配置になるという事実と、皆既日食のときには月がぴったり太陽に重なるという観察結果を利用して得られた。

    ・「実験による結果がいよいよ尽きるまでは、思弁という夢の領域に踏み込む必要は無い」―エドウィン・ハッブル

    ギリシャ→中世から続く観測と地動説の解説からハッブルのドップラー効果を光に当てはめた赤方偏移による宇宙の膨張の発見まで。
    下巻が楽しみ。

  • 文系・理系という区別が本当に嫌いだ。あれは自分が理解できないものを安易な定義で対象化し、無知の壁に縮こまる傲慢な行為でしかない。何より、本当の知の営みとはその両方の要素が混じりあった場所にこそ存在するのだから。サイモン・シンの著作を読んでいると、そんな事を考えずにはいられない。人間の宇宙観の変化について歴史上の科学者達がいかに更新していったのかを時に人物像を深めつつ、時にそれを実証するための観測の重要性を説きながら、平易に興味深く描き出す。そう、ここでは科学的でありかつ人間的である事が見事に両立している。

  • サイモン・シンにハズレなし!
    「宇宙は、ある爆発から生まれた。」
    このビックバン理論はどのように生まれたのか?
    登場するのは古代ギリシャからの知の巨人たち。
    ガリレオに始まり、アインシュタイン、ハッブル。
    彼らの人間ドラマと共にビックバン理論の発見までを追う上巻。
    すぐに下巻を買ったのは言うまでもない。

  • 天文学の歴史ドラマ。保守との戦いに勝つには周到な準備と次の時代が来ることへの確信。順を追って話が流れるので、とにかく分かりやすい。

  • 歴代の天文学者や科学者達の尽きる事のない好奇心が徐々に宇宙の本当の姿を明らかにしてきた。それぞれの科学者が生きた時代背景やその時の技術レベル、個々人の状況なども良く分かり興味が沸く。しっかり読まないと次に進めない場面もあり読み返す事もしばしば。ニュートンVSアインシュタインやドップラー効果のあたりが、とても面白い。

  • 「フェルマーの最終定理」に匹敵するくらい知的好奇心を刺激される。

    偉人たちの才覚や努力が積み重なってガリレオやアインシュタインといった超人がそれを結実させる。例えば地動説がコペルニクスからケプラーに引き継がれ、ガリレオが理論を完成させる。科学とはなんとダイナミズムに富んでいるのだろう。

    といいつつアインシュタインの一般相対性理論も重力に関わる理論とは知らなんだ。勉強にもなる。下巻も楽しみ。

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宇宙はいつ、どのように始まったのか?人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた-。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。

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