百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)

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制作 : Jeffrey Archer  永井 淳 
  • 新潮社 (1977年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102161012

百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 選書のために手に取る。昔、初版を親の蔵書から引っこ抜いて読んだ覚えがあるような気がしていたが、あまりにもおぼろげなので、じっくり読んでみた。

    ペーパー・カンパニーに出資して大損した4人の出資者が、どうにかしてその出資金を回収しようというお話。原題を直訳すれば「1ペニーも多くなく、少なくなく」となるとおり、迷惑料を上積みしない、非常に紳士的なプロジェクトである。

    最初はちょっともたつくなあと思いつつめくっていくと、取り返す側の4人が非常にこまごまと達者で楽しい。リーダー役の数学者さんがあまりに事務作業に秀でていて、「あなたは大学の先生よりも、シティのバンカーになるべき!」と思ってみたり、フランス人画商に「フランス人、文句しか言わねえなあ!」とツッコミを入れたり、詐欺ギリギリの芝居に挑んだ医師など、いろいろ見せ場が作られている。残りの一人、貴族のぼんぼんが、貴族の称号だけしか武器がなくて(でもそれが相手には一番有効だったりする)、それだけで押していくのもなんだか可笑しい。女の人とお金との付き合いかたが、『ジーヴス』シリーズのレギュラー、ビンゴ(バーティの友人)にそっくりかもしれない。

    アスコット競馬場での社交風景や、オックスフォード大学の式典などの描写が細かく、英国色がこんなに華やかだったのかと意外に感じたことと、筆者の人生に存在した素材が存分に効果的に利用されている印象を受けた。そういえば、アーチャーはこの作品の前に、ペーパーカンパニーへの出資で財産をむしり取られているわけだし、以後は政治スキャンダルで獄中にあったときの体験も作品にしているわけだから、転んでもただでは起きないというか、小説のために身を削っているというか、なかなか強烈な人生を送っている。まあでも、それが悲惨さよりも可笑しみを生むという、なんだかいろいろアクロバティックに成功させた人なんだなあと思う。

    『ルパン三世』のような軽やかな作戦とその顛末なので、虐待やDV、性犯罪など、人間のダークサイドオブフォースを強烈な見せ場に使う最近のミステリー作品が苦手な人には最高に楽しめると思う。

    追加情報として、実在の人物・団体名との抵触を避けるために、改版によって若干の名称変更が行われているので、初版からの買い直し・読み直しをされるかたはご留意を。

  • 学生時代に読んだはずが、話の内容を全く覚えていなかったから今回が初読だったみたいです。最後のオチは良かったけれども、その後のアーチャー作品にありがちな山あり谷ありではなく、すんなり計画通りに行っているのが意外な気もしました。面白かったけれどもアーチャーのベスト3に入るかと言えば入らないかと。

  • 詐欺を重ねて成り上がった大富豪 vs 彼に騙された4人の男たち。
    騙された男たちが奪われた大金を取り戻すためにチームを組んで戦う、いわゆるコンゲーム小説。

    スピード感あふれるストーリーテリングにぐいぐい引き込まれる。
    しかし、大味なプロットと主人公たち4人組の内面が掘り下げられていないところが惜しい。金を盗み取られてどうにもならない切迫感が伝わってこないのがとても残念だ。

    ジェフリーアーチャーの快進撃はこの作品から始まるわけで、
    作品を重ねることによくなっているのだろう。「ケインとアベル」は重厚感があったので。

    胸のすく爽快な小説を読みたい人にはお勧めだ。

  • 書かれたのはなんと40年前。コンゲーム小説の古典。ウィットに富んだ台詞の数々や最後にちょっとしたドンデン返しがあるなど、ラストまで飽きさせない面白さがある。序盤は退屈な印象を受けると思うが、最初の100pぐらいをクリアすれば、あとはグイグイ読ませてくれるはずである。

  • 初めて読むので作者の来歴を検索しようとしたら何度Wikipedia見ても政治家が出てくる。おかしいなあと思ったら、あ、政治家でも有った人なのか!しかもこの作品のモチーフとなっているのは、本人が体験した油田採掘のペーパーカンパニーに投資して文無しになった経験を基にしているのですね・・・。それでこの作品を書いたということ。

    この作品は、成り上がりの強欲親父に株で騙された4人が、能力を結集して騙し取られた金を取り戻そうという話です。
    ただ騙して金を強奪するのではなく、奪われた金以上の金額は取らないという自主規制の下で計画を立案して実行するという、英国的な紳士的なゲームのノリで話が進んで行きます。

    発端は強欲親父が情報を流し、引っかかった人間がペーパーカンパニーに投資投資をし、株価を釣り上げた所で資金を引き揚げ会社を潰す。投資者は紙切れとなった株券を手に茫然と佇む。
    その中で数学者のスティーヴンは、被害者のロビン【医者】、ジャン=ピエール【画商】、ジェイムズ【貴族】という3人の被害者に話を持ち掛け知恵で金を取り返そうと持ち掛ける。
    ハーヴェイ【強欲親父】から気が付かれないように100万ドルを奪取することは出来るのか?

    この本は超一級のエンターテイメントで、小難しい事を考えずに読み進めて行けば必ずや楽しめる事間違い無しです。
    前半も楽しんではいたのですが、何しろ後半で一気に面白さが加速しました。読まないと分かりませんが、ある一瞬で思わず笑ってしまいました。

    何しろ嬉しいのが、敵役のハーヴェイが何とも憎めなく、騙されている姿が何となく可愛らしく見えてしまう事と、ある部分で騙している被害者4人も彼の事が決して嫌いではないという事が垣間見えるのです。最後の最後までエンターテイメントに徹していて、最終ページまで楽しませて貰いました。

  • 冒頭の30ページぐらいまでがとっつきにくくて、グッと堪えて読んでいる感じでした。
    それでも、ハーヴェイの計略が進行し始めると俄然おもしろくなってきて、後はノンストップ状態で読了。
    機械に頼りすぎずに人間が体当たりをして挑む“ゲーム”はスリルと弛緩がほどよくて、携帯電話もインターネットもない時代の『ルパン三世』みたいでおしゃれです。
    そして、やっぱり物語の鍵を握るのは美しい女性なのですね。

  •  あれこれと話題になるお騒がせ作家の処女作。外れの少ない作家だけど、これは名作といってもいい。文句なしにおもしろい。

     詐欺師が詐欺師をだまして、奪われた金を取り戻す話である。奪った側の詐欺師と、奪い返す側の詐欺師とでは、それぞれ雰囲気が違い、本来悪役であるはずの人も含めて、読んでいるうちに何となく親しみを感じてしまうあたりが、この小説の雰囲気の良さを物語っている。

     こういう「コン・ゲーム」テーマの小説というのは、いろんな手を使ってさわやかさを演出してくれている場合が多いのだが、本作は特にそうだ。動く金は大きいけど、血なまぐささは全くなく、特に最後に至っては、詐欺なのかそうでないのかさえよくわからなくなる。


     基本的には重っ苦しいところのない小説なのだけど、文章の流れが一見「ジャッカルの日」ばりの文体だったりするのがおもしろい。実は作品の中にも、そういうことを匂わせるとことがあって、それもちょっと笑わせてくれる。

     もう古い本になってしまったけど、今でも心から楽しめる本。おすすめしたい。

  • 面白かった^^
    最初はちょっととっつきにくいテーマだなぁと思ったけど
    登場人物が親しみやすいし
    終盤はハラハラしどうし・・・。

    映像で見たいなぁ。

  • 私は一番好きな洋画が「スティング」なの。

    そんな私が好きそうなこの本を、
    この度はじめて読んだの。

    噂はかねがね、聞いておりましたのよ。

    株の詐欺にあった4人が、
    知恵を絞ってその百万ドルを取り返すっていうお話、

    と言うからなんとなくおじいさんに近いおじさんの
    話かと勝手に思っていたら、
    30代前半の若々しい4人組だった!

    読み進めて行くうちに、
    いっぺんに取り戻すんじゃなくて、
    それぞれのプランで合計100万ドル+経費を取り返す、とあって、
    「じゃあ、面白いシーンが4回もあるんだ!」
    と嬉しくなった。

    ちょうどよくハラハラもして、
    たいへん楽しめたけど、
    4番目だけは、ちょっとね…

    急に強引過ぎるし、楽しくなーい!

    段々、憎まれ役のはずの人がそうでもなくなってくるのも、不満!

    でも、「こんなこと出来るはずないよ!」と思いながらも、最高に気分転換になった!

  • これ、30年以上前の学生時代に読んだ本。いやあ、古さを感じさせる、小さな書体でしたが、内容はアーチャーそのものでした。最後のどんでん返しが良かったなあ。。。
    今のクリフトン年代記の源の様な本だと思います。

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百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)の作品紹介

大物詐欺師で富豪のハーヴェイ・メトカーフの策略により、北海油田の幽霊会社の株を買わされ、合計百万ドルを巻きあげられて無一文になった四人の男たち。天才的数学教授を中心に医者、画商、貴族が専門を生かしたプランを持ちより、頭脳のかぎりを尽くして展開する絶妙華麗、痛快無比の奪回作戦。新機軸のエンターテインメントとして話題を呼ぶ"コン・ゲーム小説"の傑作。

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