- Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102161043
感想・レビュー・書評
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ページをめくる手が止まらなくなるような小説です。
20世紀。ポーランドから放浪の旅を経てアメリカのホテル王になったアベルと、ボストンの名家に生まれ大銀行の頭取となったケイン。
世界恐慌や第二次世界大戦といった、歴史的大事件に翻弄される二人の数奇な人生。生まれも考え方も対照的な二人が、互いをを蹴落とそうと繰り広げられる頭脳戦。そして迎える2人の最期と感動的な結末。
聖書の「Cain」と「Abel」を彷彿とさせるタイトル。響きからして絶対面白い!と思ったらそれ以上の面白さでした。サスペンス、ロマンス、戦争、歴史小説と、いくつもの物語を詰め込んでいるのに全く陳腐にならず壮観です。
時間を忘れ、物語の世界に没頭したくなった時に良い本だと思います。 -
結末は若干拍子抜けの面もあったが、あっという間に時間が経つほど夢中になって読んだ。
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上巻に引き続きどんどん読み進め、ほぼ一気読みだった。上下巻通しての感想を一言で表すとすれば「どっちもどっち」という言葉が一番しっくりくる。お互いに対する憎悪もさることながら、めまぐるしく時代が変わっていく中で年老いていく二人はどちらも新しい時代に適応しきれなかった部分もあるように思う。戦争、ビジネス、復讐など様々な要素がこの小説にはあるが、アメリカや世界全体で価値観が大きく変わっていく過程と、自分の個人的な恨みに固執するあまりその流れに乗り切れなかった哀れな男の物語と言えるのではないだろうか。
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エンタメとしては面白いし、人生訓にもなる。
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娘には勝てない。
育ての母親の場面が辛い -
かっこいい人は、良いことをしても公にしないってのがよくわかる。それで、人の口から広まってその人の価値が高まる。
リチャードはそんな人でした。しかも、自分の発言や行動が相手や社会にどんな影響を及ぼすか、そんな広い視野を持った素晴らしい人間でした。
リチャードとアベル、色々なすれ違いや感情の入り乱れもあったが、最終的には心が温まる結末でした。
欲望にまみれすぎても家族や周りの人との人間関係が崩れる。自分のためよりも、その人たち一人一人を思った行動が、良い人達に恵まれる方法なんだなと思いました。良い小説でした。