ロスノフスキ家の娘 上 (新潮文庫 ア 5-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102161050

感想・レビュー・書評

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  • 「ケインとアベル」の続編。

    前作を知らなくても楽しめるような配慮があって良い(もちろん前作を読んだようがより楽しめる)。今作ではアベルの娘のフロレンティナが主人公。父から受け継いだバロン・ホテルをさらに拡大、それに飽き足らず女性大統領になるために政界へ飛び込む!

    原文を読んだわけではないのだけど、凝ったような文章もないし、奇を衒うような表現もない。だけど超面白い。密度が濃い感じ。政治の世界に飛び込んでからの選挙の動きやら、政治家たちとの駆け引きあれこれが充実。てかフロレンティナさんかっこよすぎですよ...。本当に能力の高い女性なんだろうなぁと。読了後の満足感の高い作品でした。

  • 『ケインとアベル』の続編です。アベルの一人娘で才色兼備のフロレンティナが、こともあろうに父親の仇敵ケインの息子リチャ-ドと恋に落ち、カリフォルニアで駆け落ち結婚、ビジネスの成功を勝ち取るまでのくだりは、前作を振り返りながら「過去1934-1968年」の章で語られていきます。ケインもアベルもこの世を去り、リチャ-ドとフロレンティナの目の覚めるような挑戦は「現在1968-1982年」の章で展開されていきますが、果たして二人の思惑どおりに事が運ぶのか、下巻への期待が膨らみます。

  • 上巻は「ケインとアベル」のダイジェストでフロレンティナ中心に語られる。前作を読んだばかりだったら少々退屈かもしれない。前作のようにジェットコースターではないから。しかし前作で語られなかった隙間が埋められる。上巻終盤から一気に盛り上がるが、熱中したのは終盤に入ってから。下巻が本領か。

  • 『ケインとアベル』は私のお気に入りの本で、この第二弾の上巻もすごいスピード感で一気読みさせてもらった。

    『ケインとアベル』と重複してるこの上巻だったけど、
    あの背景にはこんなことがあったのか、とか
    ああ、こんなこともあったよなー。
    って、第二弾ではあるけど、二つの小説『ケインとアベル』と『ロスノフスキ家の娘』を同時に楽しめた感じ。

    いやー、でもここに登場してくる人物はみんな頭がよ過ぎて、ほんと別世界。
    フロレンティナもリチャードも、アベルと同じ無一文からビジネスを成功させた野心家なのは頭が下がる。

    次から次にいろんなことが起こるので、ほんと読んでて楽しかったけど、やっぱり『ケインとアベル』と比べてしまうと、なんて言うか壮絶なドラマの度合いが違うなぁー。と思ってしまう。

    下巻はどうなっていくか楽しみだ。

  • 読むと勉強したくなります。ちゃんとフロレンティナの挫折も書いてくれるところが良い。リチャードとの出会いは運命的。そんな出会い…。

  • 『ケインとアベル』の続編。アベルの最愛の娘が、アパレルチェーン創業で成功し、かつ大統領選に出るとなれば、読まないわけにはいかない。

    上巻
    まだ、「ケインとアベル」の焼き直しなので、面白みに欠けるが、家庭教師が出てきたあたりから、フロレンティナがポーランド人としての誇りを刷り込まれる経緯が新しく描かれてきて、興味をひかれてきた。

    フロレンティナの魅力は、子供のときから大統領をめざしているという奇妙なキャラクターとアベルゆずりの優秀さにあるのだろう。父が一人娘を可愛がるという点では、自分と重なるところもあり、他人事とは思えない。ラドクリフに受かるまでに学内の選挙に落ちる顛末は、子供の教育論としても、参考となる。ラドクリフ時代のフロレンティナは、男性経験はあまりうまくいかなかったが、ケインの息子と結婚してからレスター銀行まで取り戻すとは痛快。レスター銀行を取り戻そうとした夫をフォローするプランと実行力にも脱帽。

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  • 先日『女は「政治」に向かないの?』(秋山訓子著/講談社)という本を読んでいたら、野田聖子の章で彼女が政界転身を決める頃に読んでいたのが『ロスノフスキ家の娘』だったと書いてあり、どんな本なんだろうと読んでみた。
    1930年代に移民でホテル王として成功しつつあった家に生まれた女性・フロレンティナの人生が90年代半ばまで延々と綴られていく。この小説が世に出たのが1980年代前半でありながら、過去から1996年くらいまでを描くというちょっと不思議な感じ。
    フロレンティナは人並み以上のお金にも美貌にも恵まれていたし、努力もして才媛として成長する。ちょっとした失敗があったことも書いているけど、それも人として成長する肥やしにできるようなこと。それらがなければただの人間離れした「すごい人」という印象になっていただろう。
    次から次へと進んでいく彼女の人生は、ほぼ順風満帆でありながら面白く読み進めることができる。アメリカにはこういう一人の人物の年代記のような小説がけっこうある感じがする。翻って日本では、歴史上とか実在の人物を題材にしたもの以外ではあんまりない気がする。ちんまりとした私小説びいきの文学界の風潮がこんなところにも影響しているのかもしれない。
    最初に戻って、なぜ政治家・野田聖子とこの本が関係があるかというと、フロレンティナは自分でアパレルの会社をやり実家のホテルの経営にも大きく関わり、その後、下院議員、上院議員となり最後の最後には大統領へと昇り詰めるから。それが1996年の選挙の後のこと。その就任のしかたはやはりアメリカの有権者たちが女性大統領を自らの投票で選ぶのは非現実だという作者の見方が反映されてのことだろうか。選挙で女性大統領が選ばれるというドラマチックなストーリーでいいじゃないかと思う。だが、この小説では20世紀のうちにフロレンティナという女性大統領が誕生するわけだけど、現実は未だ誕生していないことを考えると作者の見方が反映されたほうがリアリティありということか。
    フロレンティナは気持ちのよい女性に描かれているが、人生をともにした夫のリチャード、幼なじみで長らく彼女を友人として支え続けたエドワードなど、誠意と理解のある男性がいるのもいい。

  • 何度でも読みたい本です

  • 上巻のほとんどは前作でわかっているストーリーだったのがちょっと残念。やけに政治、特に大統領選の話が多いので、下巻ではそういった方面にいくのかな。

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著者プロフィール

ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Howard Archer)
1940年生まれのイギリスの政治家、小説家。一代貴族の貴族院議員。オックスフォード大学卒業後に政治家に。大ロンドン議会議員、庶民院議員(3期)、保守党副幹事長などを歴任したが、 1973年に投資で失敗して財産を全て失ったことを契機に、1974年10月の総選挙時に政界から退いた。
1976年に発表した『百万ドルをとり返せ!』が大ヒットして借金を完済、1985年に政界復帰し党副幹事長を務め貴族院議員に列されたが、偽証罪によって2001年に実刑を受け服役。2003年以降、作家活動を再開した。
代表作に『プリズン・ストーリーズ』、『クリフトン年代記』シリーズなど。

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