ゴッホは欺く〈上〉 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102161258

作品紹介・あらすじ

9・11テロ前夜、英貴族ウェントワース家の女主人ヴィクトリアは、破産寸前の家計に悩んでいた。双子の妹アラベラに手紙を書いているところに賊が侵入し、首を切られて命を落す。犯人は左耳も切断し、著名な美術品蒐集家フェンストンに送った。一方崩落したビルから生還したフェストンの美術コンサルタント、アンナは、付きまとう男の影に怯えていた。ゴッホの自画像を巡る会心作。

感想・レビュー・書評

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  • アーチャーの「難しくない方」のストーリーで軽快なテンポで読むことができました。この人の作品は沢山の伏線があることが多く、読み返すと「あっここでこんなことしてたんだ」と思わされることが都度あります。
    自分とほぼ同じ誕生日のジャック、TVでリアルタイムに見ていたテロ事件に遭遇したアンナと、入り込む要素一杯の作品でした。

  • 「そんなことはない」フェンストンは絵を見ながら言い張った。「ファン・ゴッホが左の耳を切り落としたことは小学生でも知っているぞ」
    「しかし、彼が鏡を見ながら自画像を描いたこと、そのせいで右耳が繃帯で覆われていることは、知らない小学生だっていますよ」

    2020/2/17読了
    本作の敵役であるフェンストンの企みは、最後には完全に粉砕されるが、それで彼がどうなったのかが描かれていないのが、ちと不満(そこは、想像にお任せという事か?)。それにしても、絵のすり替えトリックは良いとして、こんな判り易い偽物にしておいて良かったのか、という疑問は生じる。とは言え、フェンストンは耳のことを言われるまで気付かなかったのだから、美術品を金銭的価値でしか見ていない彼への痛烈な当てつけだったとも採れるのか。

  • お話はアメリカの同時多発テロ9・11の前夜から始まります。
    米国の悪徳銀行家の餌食になり全財産を巻き上げられそうになっている英国貴族。
    銀行家の狙いは財産もさることながら貴族の所有するゴッホの肖像画。
    あまりの非道さにその取引を止めさせようとし銀行をクビになってしまった女性美術コンサルタントは、グランドゼロから命からがら生還し悪徳銀行家の悪行を阻止しようと行動します。
    さすが、ジェフリー・アーチャー。お見事です。
    英国の作家らしいユーモアタップリの文章。
    内容自体は殺人シーンもあるサスペンスですが、どこかのんびりした感じがあり緊迫感は薄め。
    登場する日本人実業家のナカムラが非常に紳士的で格好良い。
    でもバブル期ならまだしも2001年の日本の鉄鋼会社の会長にこれほどの金銭的余裕があるか否かはチョイト不自然に感じますが・・・
    細かい突っ込みどころは多々ありますが、楽しいお洒落なサスペンスでした。

  • 中々、読むスピードが遅々として進まなかった
    冒頭の「あなたは」ビクトリアが問いかけると同時に左手がさっと伸びて、彼女の髪の毛を掴み、後頭部を椅子に押し付けた。ナイフが一閃して、生贄の仔羊のように喉を切り裂いた
    ショッキングな出だしに、驚いた
    ニューヨークは、過去1世紀の間に、世界中のあらゆる国国の国民を吸収してきたが、今またもう一つの人種がそれに加えつつあった。この最も新しい移民グループは、あたかも地底から到着したかに見えて、どの新しい人種もそうであるように、色で容易に見分けがついた

  • ジェフリー・アーチャーは話の掴みがうまい。
    アートの蘊蓄も好きだ。
    ただ盛り込んできた911はプロットでも少し安易な印象がした。押し込んできたって感じか。軽くてもやっとする。まぁ生死不明には丁度よいエピソードだったろうけど。
    飽きさせないタッチはジェフリー・アーチャー。
    二重の尾行というのも駆け引きがあってよい。
    そして我らが日本に舞台は移る。

  • 読みやすく、話が面白く飽きない。9.11の影響の大きさも知る。

  • 2020.6.3

  • ロシアの元体操選手の殺し屋が主人公?

  • 下巻の感想参照

  • 2018.04.29.読了

    9.11が関係あると思って読み始めていなかったので、
    展開にちょっと戸惑いました。

    ゴッホの自画像の自身には直接関係のない事件ですが、
    なかなか面白かったです。
    この頃はもっぱら中国が出てくる中、
    東京も舞台になるなんて珍しい。
    2005年だからかな。

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著者プロフィール

ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Howard Archer)
1940年生まれのイギリスの政治家、小説家。一代貴族の貴族院議員。オックスフォード大学卒業後に政治家に。大ロンドン議会議員、庶民院議員(3期)、保守党副幹事長などを歴任したが、 1973年に投資で失敗して財産を全て失ったことを契機に、1974年10月の総選挙時に政界から退いた。
1976年に発表した『百万ドルをとり返せ!』が大ヒットして借金を完済、1985年に政界復帰し党副幹事長を務め貴族院議員に列されたが、偽証罪によって2001年に実刑を受け服役。2003年以降、作家活動を再開した。
代表作に『プリズン・ストーリーズ』、『クリフトン年代記』シリーズなど。

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