シャングリラ病原体 上巻 (新潮文庫 フ 13-45)

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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102165454

作品紹介・あらすじ

南極のアメリカ観測基地からの連絡が途絶えた。現地に急行した救助隊は、無残に老衰死した4人を発見する。深くきざまれたしわ。肝斑。抜け落ちた白髪。白濁した眼球。36歳だった科学者が、5日間で90歳の老人へと激変していた。北極の英仏基地、シベリアのロシア基地でも同様な事態が発生。奇病の原因は未知の細菌か?あるいは新型の生物兵器か?巨匠が挑む近未来サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 南極の基地で、急速に年老いて死に至るという未知の感染症が発生。温暖化の影響で解き放たれた病原体が原因か。 米英仏露の科学者が原因究明に努力する中、政治家たちもそれぞれの思惑で策謀を始めた。 折しも新たなインフルエンザも猛威を振るい始め、世界は危機に直面する。果たして病原体の正体を突き止められるのか。

  • 新型コロナウィルスで世界中が震撼させられている今だから手に取ったこの本。
    南極の基地で発見された、老化して死亡した隊員たち。救助隊員たちも次々と老化していく…というミステリアスでスリリングな物語が、アメリカ、イギリス、フランスの政治家たちの退屈な話にとって変わる。
    現実の世界も同じ様なものかも、と思いながら興醒め。
    科学者や政治家たちの恋愛模様もあまり必要なさそうだし…。
    科学的な説明も、普通の私には難解でした。

  • 地球温暖化現象により北極、南極、グリ-ンランドの氷床が減少し、ロシアの永久凍土が溶け始めた。何万年も氷に閉じ込められていた未知の病原菌やウィルスが世界中に解き放たれていく。京都議定書で合意された二酸化炭素排出量の規制に違反する先進工業国のなかでもトップのアメリカ合衆国と各国首脳が政治的駆け引きに凌ぎを削るなか、ウィルス対策と治療方法の究明に世界の科学者たちの頭脳が集結する。現在進行形の地球環境破壊がテーマだけに、危機迫る展開に目が離せない。

  • フ−13−45

  • ポリティカル・ノベルなんでしょうね。
    とにかく出てくる人物全てが権力志向。未知の病原体の蔓延防止というサスペンス仕立て(クライトン風)なのだが、どうもそちらは伏線扱いで、主題は政治・権力抗争にあるようだ。主人公にしても、地球温暖化防止という正義はあるものの、手段としてはパワーゲーム(権力抗争)になっている。まあ、それはそれで面白いのだが。
    考えてみればマフィンシリーズも最初からそういったパワーゲーム的な感覚があった。スパイ=ジェームス・ボンド的な風潮の中で、アクションを排しひたすら頭脳戦で挑むマフィンは新鮮だった。しかしこの頭脳戦も考えてみればパワーゲーム。最近はますます疎の傾向が強まり、むしろ権力抗争しか残っていないという感じである。
    ともあれ、これまでのフリーマントルに無いシチュエーション設定のためか、なかなか面白く読めました。

  • 地球温暖化をきっかけとしたパニック小説は、そう簡単に地球規模の気象が元に戻れないことから結びに救いがなくなり題材としては敬遠されているように思われる。本作品は、永久凍土や極点の氷床が地球温暖化により溶け出し数万年前に封印された病原体が解き放たれパンデミックが出現するという、なかなか凝った設えである。あながち空想の世界と言えないのは、今年に入ってロシアで永久凍土が溶け出し、地中に閉じ込められていた炭疽菌が活性化し、家畜が大量死したニュースが報道されたからである。さすがフリーマントル!時代をよく読むと称賛したいのだが、本作品では政治的な隠蔽、駆け引き、陥し入れなど裏側にあるマキャベリズムが前面に出すぎて興がそがれる。

  • 数日のうちに老人になってしまい死ぬという
    正体不明の奇病をめぐるサスペンス。
    こういうものを読むのは実は初めて。

    一番最初、南極基地でその病死体の発見から入るのね。
    そこの衝撃が強くて、読み終わらないといかんなと思ったんだけど
    医学系の単語とかが多くてなかなか難しい…

    世界の学者達が集まって研究するんだけど
    そこにも各国の思惑が魑魅魍魎としており
    しかも、監督し世間に発表する立場の大臣達にもさまざまな展開が。

    その、病気の解明に向かっていく流れと
    政治的な探りあいが並行して進行し
    実際にこんな奇病が発見されたら、というのを
    リアルに感じさせてくれます。
    そこはさすが、フリーマントル。

    最後の数ページで、またドーンという展開になるので
    いいのか?!と思いつつ、アリだなと思いました。

  • 地球温暖化による新種のインフルエンザの流行。

    ありそな話だけに怖いです。

    また、この、小説では、各国の代表たちが、各々政治的に保身に走る様がかなりグロテスクに描写されています。

    まったくどこの国でも政治家ってやつは……。

  • チャーリーのがいい

  •  何か洋物が読みたい…!と思って手に取ったのがこの作品。
     ウィルスとか…好きなんだよね・:*:・(*´∀`*)・:*:・

     短期間で人間を老衰さえ死に至らしめるという奇病が発生した。果たしてコイツらの正体は一体何なのか?科学者と政治家に焦点が当てられ、各々が個人的利益を優先する姿は、本当にこれはフィクションなのかと考えさせられた。
     けれども、あくまで科学者や政治家視点で物語が進むので、どこか心を切り離して読むことが出来、おかげで胸に痛すぎることなく、すんなり読み進められたのが大変良かったです。

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