クラークは本当に巧いと思う。
展開が読めるのに、先が気になってページをめくる手が止まらない。
場面展開の早さ、でも読み足りないと思わせることのない描写、さくさく進む話。いいなあ。
今では当たり前になってしまった感のある不妊治療が縦糸になり、そこにさまざまな人間の事情が織り込まれてサスペンスが出来上がっている。
難を言えばご都合主義的で、半径1kmに事件の関係者が集まっているように思える。その辺はお手軽すぎなんじゃないかな。
それでも異常者の描写も、細かいところにこだわっていてそれらしい効果を上げている。
人を殺すたびにわしわしと食事をする犯人はかなり怖いよ。
エンターテイメントとしては上出来な部類だと思う。