ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)

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制作 : Thomas Harris  高見 浩 
  • 新潮社 (2000年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102167045

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ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • レクターシリーズのうち、時系列的には最後にあたるものである。レクター博士が、その天才性・異常性をいささかも衰えることなく発揮してくれている一方で、そのレクター博士が、「怪物」でありつつも同時に「人間」であることが様々な場面で吐露されていくことになる。むしろ、もともとは一応(?)「人間」であった存在が、自身の理性によって「怪物」へと変化させている(それも、意図的に)その強さには、憧れすら抱かされる。
    そのレクターによってついにクラリスも・・・となっていってしまったのが、個人的には少し残念なところだ。レクターとクラリスは、お互いに決して交わらない平行線のようなもの・・・(どこかの漫画で聞いたような表現だ)だと思っていたのに、完全に重なっちゃあねぇ。もっと、バチバチやりあってもらいたかったな、という思いも残ってしまった。

  • 下巻に突入。
    寝る間も惜しんでというぐらいの一気読み。
    悪役の悪役っぷりがこれまた凄い。映像化を意識した、というよりこれは映像では観たくないでしょ!と反駁を入れるほどのエグさ。映画観なくてよかった・・・としみじみ。

    ラスト、意外な展開。美しいから許せるか。

    全編にわたり、音楽や絵画などの芸術的なエッセンスに満たされ、ワインの想像だにできないふくよかな香りもするのだがどうしても食欲が削げてしまって。
    こういった効果はトマスハリスの狙いだったに違いない。
    催眠術にかかったようにうっとりとさせられる場面も。
    にしても、吐き気もするが。

  • ラストにはビックリした。
    安いエロ本のような、なんなのか複雑です。レクター博士がこんな形で落ち着くとは‥。゚(゚^Д^゚)゚。
    そしてまとめということなのか、とても残酷な死に方をたくさーん。

    しかし秀逸なのはレクター博士は天才だけど、うまい塩梅で天才にさせすぎない加減が絶妙。そこにはまってしまう。

    最後まで飽くことなく楽しく読ませていただきました。モデルが気になるー

  • 連続殺人犯バッファロー・ビルの逮捕から十年後。FBI特別捜査官クラリス・スターリングは部下と共に麻薬組織との銃撃戦のなか、赤ん坊を抱いた組織の女ボスを射殺した。この事件でマスコミに叩かれ、上官ポール・クレンドラーの嫉妬と執着も加わり、FBI内部で窮地に陥る。
    傷心のクラリスの元に、ハンニバル・レクター博士から慰めの手紙が届いた。イタリアのフィレンツェが博士の居所と知り、逮捕に備えて密かに調査を始める。
    一方、レクター博士に恨みを抱く大富豪メイスン・ヴァージャーは、高額の懸賞金をかけて復讐を企てていた。
    フィレンツェ警察のパッツィ刑事は、ひょんなことからレクター博士を発見し懸賞金に加えて手柄を立てようと試みるが、逆に博士に見破られ非業の死を遂げる。
    イタリアから逃亡した博士とクラリスが必ず接触するであろうというメイスンの予想は的中し、博士を拉致する。捕らえられ拷問を受ける博士は痛みを堪えるべく色鮮やかな記憶の回廊に逃避する。そこへ博士を救出・逮捕すべく現れたクラリス。彼女の奮戦によって博士は窮地を脱するが、クラリスは怪我を負い博士の治療を受ける。
    博士を殺害し損ねたメイスンは、博士によって心の枷を解かれた妹によって、性的虐待を受けた恨みで殺される。
    メイスンと通じ、クラリスを窮地に追い込んだクレンドラーは博士の手に落ち、クラリスと博士と会話しながら、自身の脳を二人に食べられて知能が低下していく、という罰を受けて殺される。
    クラリスは博士に治療を受ける中で、父の死という心の傷を博士によって癒され、博士も幼少時に失った妹の存在をクラリスに重ねることにより、彼の心の傷も癒された。クラリスは博士から二度と解けることのない暗示をかけられ、そのまま2人で暮らし始めるのだった。
    [隠す]

  • 感情と生命の飛沫が激しくぶつかり合う先に、何者をも沈黙させる果てない愛の深淵。

    ワインとトリュフの濃厚さかと思いきや、夜気に冷やされた絹のような感触。

    身体を全て相手に解かれ、眼の底や骨の髄まで感じ合う時間は、見る者にとっては異様ともとれますが、此れ程のまぼろしは愛の極致だと思います。

  • 食人(カニバリズム)を連想させる名前の通り、この作品の終盤にはハンニバル・レクターによるグルメショーがある。そこに至るまでにも様々な活劇がある。それは多くの読者が期待したものでもあるだろうし、見たくなかったものでもあると思う。厳戒房に囚われた危険でミステリアスなカリスマは、この作品で正体を晒し、ただのダークヒーローになってしまった感がある。
    ラストは映画版の方が多くの人に受け入れられるだろうが、衝撃的で革新的なのは小説のラストだろう。想像の外にあった終わり方だ。好き嫌いはあれど、この結末はすごいと思う。

  • クラリスとレクター博士の関係性の終着点。メイスンの最期はショッキングなかたちだったけど、これがカルマなのか。決してハッピーエンドではない。

  • これは知識人じゃないと世界観が楽しめない。教養がないと細部まで穿つことができない。表層だけ滑ってしまうと、ただの人喰い博士のグロ話。そんなB級作品としてしか読めなかったのは、はい、私です。

  • アメリカに帰還したレクター博士をおびき出すためにクラリスをおとりにした作戦を始める。
    レクター博士は、賢くて一般常識あるため、通常に生活するのであれば、犯人だとわからない。
    ラストは(薬の影響か?)クラリスがレクタ-博士と一緒になる結末だが、ハッキリしない。
    次回を見据えているのか。

  • クラリスが地道な捜査でレクター博士を追うが、メイスンが横槍を入れて、レクター博士を拉致する。クラリスの突入により、レクター博士は難を逃れ、麻痺したクラリスを催眠療法でいじりつつ、人肉ディナーを行う。ラストは、オペラ観劇をする、レクター博士とクラリスで締め。
    メイスンがレクター博士を豚に食べさせようとするくだりは、どこまで本気なんだかと思うが、その後の展開から人肉ディナーのくだりは、ゾッとして良い。

  • 終わりは映画の方が好き。

  • 第三部 新世界へ

    第四部 恐怖のカレンダーの注目すべき出来事

     レクター博士はホーキングの業績を高く評価しており、数学の専門誌に発表される彼の論文を可能な限り綿密に読んできた。この宇宙はいずれ拡大を止めて再び縮小に転じ、エントロピーも逆転するかもしれない―ホーキングがかつてそう信じていた時期があったことをレクターは知っている。しかし、ホーキングはのちに、その説は間違っていた、と公言したのだ。

    第五部 肉、一ポンド

    「いいか、博士、約二十分後に、われわれは今夜のディナーの最初のコースを豚どもに振る舞う予定だ。それはお前の両足なんだがね。それがすんだら、おまえとおれで、ちょっとしたパジャマ・パーティーをやる。そのときにはおまえの背もかなり低くなってるだろうから、子供用のパジャマで間に合うだろう。コーデルがおまえにちゃんと生かしつづけてくれるはずだから、心配無用だ―」

    第六部 長いスプーン

    「いいかね、クラリス、お父さんはきみの幸福と安寧のみを願っていたんだよ」

    「きみのお父さんはすでに亡くなっているな、クラリス。それは、だれよりもよく、きみが承知しているはずだ」
    「ええ」
    「さあ、入って、お父さんに会いたまえ」
     ツイン・ベッドには、クラリスの父の骨が並べられていた。肋骨に長い骨が組み合わされ、それがシーツで覆われていた。白い布に覆われた遺骨は、雲の上に子供が仰臥してつくった天使の押し型のように、浅い輪郭を描いていた。

    感謝の言葉
     ニッコロ・カッポーニは、フィレンツェとその芸術に関する深い知識を私に分け与えてくればかりか、彼の私邸であるカッポーニ宮をレクター博士が使用するのを許してくれた。

  • レクターがメイスン一味に捕まり、その危機を脱する巻。
    しかし、上巻から出て来ている人を喰う「豚」ってどういう豚なんだろう。
    イノシシみたいなものなんでしょうか?

    映画は最後の脳みそ食べるシーンしか覚えてないんだけど、終わり方が全然映画と違って驚きました。
    確か映画は、飛行機に乗ったレクターが、クレンドラーの内臓を隣の席の子供に食べさせる場面で終わっていたような気がします。

    原作を読んで思ったのは、レクターがこんなにクラリスに執着していて、妹のことを反芻していたのだということ。
    映画の「ハンニバル」でミーシャについての描写があったのかは覚えていないけど、レクターがこんなにミーシャへの気持ちを持ち続けているのだということにすごく切なくなりました。

    やはりレクター大好きです。
    クレンドラーが最後に食べられて本当にすっきりした!

  • レクター博士ファンへのサービス満載な一作。刺激的で一気に読ませるストーリーはさすがです。
    が、個人的には、映画の終わり方の方がよほど「らしかった」。
    筆者がキャラクターへの愛情を抑えられなかったあまりの失敗、という気がする。

  • 映画「羊たちの沈黙」からの小説「ハンニバル」。ハンニバルの映画はジョディ・フォスターではない結末が違うらしいけれど、ぜひ見ねばと思わせられた。羊の方の原作も読みたいが、如何せん翻訳が厄介だからな…。
    フィレンツェにいた時と違いレクター博士の底深い恐ろしさというものが若干薄れたような気がしないでもない。

  • 結末以外は好き。
    映画をみるべし。

  • 「申し分ないわ」クラリスは言った。

  • 映画のハンニバルも大好きです。原作を読んで映画の脚本家さんはすごいなあと感嘆した思い出。
    原作のラストが悪い訳ではないのですが、そのままの内容で映画化したらあそこまでの人気は出なかっただろうと思います。映画はとにかく綺麗に上手く作ってる。
    どちらのラストも大好きです。
    原作はレクター博士&クラリス好きには嬉しいエンディングでした。

  • 「天才」の描写って映像化するとどうしても伝わりにくいし、凡才に幾ら言葉を尽くして天才の頭の中を解説されても、中途半端な理解に留まるんだろうな、って思うのです(長)。
    どうも、凡人代表です( ^ω^ )←

    何だかもやもや感の拭えない上巻を何とか読み切った皆さん、ご安心下さい←←
    下巻ではレクター博士の天才っぷりが炸裂ですよ〜*\(^o^)/*きゃほー!

    「記憶の宮殿」〜?シャーロック(BBC)と同じようなこと(「マインドパレス」)言ってるじゃないの中2か!←←
    とニヤニヤしたのは一瞬でした。博士の宮殿内部の描写がもう異次元過ぎて怖い。天才怖いよー!と思いながらも強烈に惹かれるこの感覚。何これデジャブ!と思ったら、そうです、彼女です。森博嗣が生んだ私史上最高の天才・真賀田四季博士です(お馴染み)。【羊達の沈黙】の時と同じこと書いてますが、懲りずに何度でも書きます←

    本作では博士のマイパレ←能力を説明する部分で、「一度見た光景を自分の記憶の中に取り込んで、いつでも自在に取り出せる」っていうような描写があったんです。
    が、真賀田博士の場合はもう一段階あるんです(怖)。
    「一度接触した人格を自分の中に取り込んで、その人格と会話ができる」
    んです。ひいいいいこーーわーーいーーーー!!!
    しかも、その取り込んだ人格を幾通りもシミュレーションして調整したりするんですよ意味わかんないよ凡人には( ^ω^ )

    レクター博士が亡き妹の影に囚われているという人間味を覗かせたのに対して、真賀田博士は愛する人を殺してそのキャラクタを自分の中に取り込むことで安定を得た、という不可解性が描かれた点も両者の決定的な違いでしょうか。

    何が言いたいかって、レクター博士も理解の範疇越えてるけど、その博士に匹敵する(もしかしたら凌駕する)天才を生み出した森先生も大概よね、と思ったのでした。という話です。

    …結局いつもと同じ展開の感想だぞ…ま、いっか。

    いや、いくない( ^ω^ )

    というわけで、長い前置きの後ですが、閑話休題。本作の感想を以下に。

    ◎案の定な大悪党の末路。
    ◎可哀想ないじめっ子クレンドラー
    ◎衝撃のラスト

    これに尽きますね←
    最後に描かれる博士とクラリスの姿に、クラリスと一緒に殺人鬼を追い続けた読者は愕然としたんじゃないでしょうか。
    「これって薬で正気奪って既成事実作っちゃったんじゃねーの」と下世話なことを考えながら本を閉じましたが、やっぱり天才は理解の枠越えてるし、理解できない私はきっと幸せなのねと思ったのでした。凡人ゆえに!



    クラリスを囮にしてレクター博士をおびき寄せる罠を仕掛けた大富豪。次第に追い詰められる二人が最後に選んだそれぞれの未来とは…。

  • 下巻は怒濤の展開。ドラマチックな話ではないがレクター博士とクラリスの内面を丁寧に描いている。それにしても映画と違ってラストは後味悪い。ああいう結末とは…。個人的には映画のほうがいいかな。

  • 映画ハンニバルの原作本
    ほぼ映画と同じだけど、違うところもあって面白い

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レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、"怪物と天使"の運命は凄絶に交錯するときを迎えた…。スティーヴン・キングをして「前作を凌ぎ、『エクソシスト』と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめた問題作、登場。

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