ハンニバル(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102167045

作品紹介・あらすじ

レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、"怪物と天使"の運命は凄絶に交錯するときを迎えた…。スティーヴン・キングをして「前作を凌ぎ、『エクソシスト』と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめた問題作、登場。

感想・レビュー・書評

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  • 映画、原作、どっちも好きかもしれない。

    レクター博士の心を満たせる人は、クラリスだけなのね。
    知識、教養全てのレベルが高くて、素晴らしすぎた。
    これでレクターの殺人(食人)が治まっているいるのなら、ハッピーエンドなのかもしれないけど、クラリスは最初は薬で操られていたわけで、本人の意思でレクターを選んだのではないから、そこが少しもやもやするけれど、クラリスが目覚めるのでは、と時々確認しているあたり、目覚めてもおかしくないのかもしれない。

    レクターはどうせ死ぬならクラリスに殺されてもいいと思っている気もするし、目覚めてほしくないとも思っているのでしょう。

    どっちにしろ、博士との日々は優雅で贅沢だなー
    ちょっとうらやましい!

  • 飛行機の中で読んでいた気がする。
    「羊たちー」ほどでもない。

  • 途中やや退屈に感じる場面も多かったものの、レクター博士がメイスンにとらわれてからは怒涛の展開で面白かった。

    ただ、結末は映画のほうが好き。
    同調して共に歩んでいくことになるのならそれはそれでわかるのだけど、薬を射たれる前までのクラリスはレクター博士とあぁなることを望んでるようには見えなかったので、ちょっと唐突すぎるというか…。
    作者がクラリスを気に入ってるんだろうなという感じはするんだけど、あれではクラリスの人格だのなんだのを踏み躙りまくってるのでどう足掻いてもハッピーエンドではない。
    そこを狙って書いたのだとしたらあれはあれでいいバッドエンドなのかもしれないけど。

    個人的にはマーゴが好きかな。

  •  うむむ。上巻の熱情に比べると、個人的には地味なように思う。というか、クラリスが都合のいい女になりすぎじゃないか? 男のロマンというか、マイ・フェア・レディというか。そうして作り出された彼女に私は魅力を感じなかった。
     マーゴの方が興味深い。

    (以下若干のネタバレあり)

     しかし、概説を読むと、レクター博士シリーズとして、これまでと同じように、猟奇連続殺人事件を主軸として、レクター博士を絡ませて続けていく手法もあったはずだ。けれども、それをやめ、新たな方向性へ舵を切ったのは、確かに英断だしすごい。

     あと、この物語が私にとって物足りないのは、私の心の中に抱いていた格好いいレクター博士から、より人間らしい、弱い一人の人間なのだと気づかされてしまったからかもしれない。確かに紳士かつ頭が良い天才で、狂気をはらみつつも性の危険性の無いおじさまっていうのは安全枠だ。
     結局、美しいクラリスがチョロくお相手になるわけだがそれでいいのかって思う。レクター博士もそんな自分の作り上げた理想の美女相手に欲情しているなんて、単なるエロオヤジじゃないの!っていいたくなる。彼の破綻が見たい。あるいはクラリスの反逆が見たい。それは私のエゴなのだろう。

     ハンニバル・ライジングはレクター博士の子供の頃の話。さて、どうなることやら。この先の時系列の物語を読むことが出来るのなら、それは幸せだろう。

  • 下巻に突入。
    寝る間も惜しんでというぐらいの一気読み。
    悪役の悪役っぷりがこれまた凄い。映像化を意識した、というよりこれは映像では観たくないでしょ!と反駁を入れるほどのエグさ。映画観なくてよかった・・・としみじみ。

    ラスト、意外な展開。美しいから許せるか。

    全編にわたり、音楽や絵画などの芸術的なエッセンスに満たされ、ワインの想像だにできないふくよかな香りもするのだがどうしても食欲が削げてしまって。
    こういった効果はトマスハリスの狙いだったに違いない。
    催眠術にかかったようにうっとりとさせられる場面も。
    にしても、吐き気もするが。

    • nejidonさん
      jyunko6822さん、こんばんは♪
      寝る間も惜しんで一気読み(笑)と表現に、読んだ頃の興奮を思い出してしまいました。
      なんて上手く出...
      jyunko6822さん、こんばんは♪
      寝る間も惜しんで一気読み(笑)と表現に、読んだ頃の興奮を思い出してしまいました。
      なんて上手く出来た作品なんだろうと感激して、映画も観て、DVDが出たらそれも観ました。
      原作ほどのエグさはなかったように記憶しています。
      ただ、とても残念なことにクラリスがジュリアン・ムーアと言う女優さんで、だいぶイメージが違ってしまいました。
      でも、ホプキンスはいいですよ~!
      怖くて怖くて、頭がくらくらしてきます(笑)
      機会がありましたが、ぜひご覧になってください。
      2014/03/08
  • 蛇足感が否めない…。
    個人的な感想だが、レクター博士の暗い過去は要らない。不気味で全く理解不能かつ魅力的なバケモノであってほしかった。殊に博士に関して、読者が共感できる点はあって欲しくはなかった。
    クラリスとの関係に関して言えば「羊たち」において描かれた、対立した立場であるから成り立つ微妙な共感?友情?が良かったのに…!という気持ちが抑えきれない。
    そもそも博士はクラリスの明晰な頭脳と強固な自己抑制による不屈の精神を好んでいる…と思ったので、妹に重ねたり洗脳して自分の手元に置いておくのは全く解釈違い?という…まだ映画版の方が納得のいく終わり方だなぁ。
    ストーリー自体は相変わらずスピード感とスリルがあり、面白かった。

  • 最後の最後まで楽しく読んでたのですが、クラリスがハンニバルの料理を食べたあたりで、「あれ?正義に満ち溢れたクラリスどこいった?これもう引き返せんくない?」と違和感を感じだし、結末にがっかり…。
    これまで読者を惹きつけてやまなかったレクター博士とクラリスの魅力が全て否定されるラストで、まじで意味がわかりません。なんで???
    絶妙な距離感を保った好敵手だからいいんでしょ。
    急におっさんの妄想押し付けられても困るんやけど。
    ハンニバルライジング読むか悩む。 

    • ゆきやままさん
      いきなりコメントすみません。
      が、ラストのクラリスに納得してないの、すごく共感したもので。
      レクター博士はたしかに知的サイコではあるものの、...
      いきなりコメントすみません。
      が、ラストのクラリスに納得してないの、すごく共感したもので。
      レクター博士はたしかに知的サイコではあるものの、殺人鬼だし、この二人のラブストーリーなんて望んでない。
      2022/04/14
  • 面白い。
    間違いなく面白いんだけど、『羊たちの沈黙』に比べると、登場人物全員の魅力が下がっちゃってるかなぁ。
    レクター博士が超人的なのはいいとして、そんなら超然さを貫くか、あるいは逆にもっと俗さを出してほしい。
    クロフォードやバーニーもそれぞれが魅力減。
    挙句の果ての主人公たちの結末は、結局レクターの一人勝ちかいという感想しか出てこなかった。

  • 再読。

    どうにもスリリングな展開とは程遠い展開に気分がダレた。
    人間的な肉付けされた怪物に興味なし。
    そこは超越しといてくれよ。
    結末もすっきり感なし。そうゆうやり返しかたは望んでないんやけどなぁ。

    初読の時と同じくラブロマンスに興味なしって感想は変わりませんでした。

  • 感情と生命の飛沫が激しくぶつかり合う先に、何者をも沈黙させる果てない愛の深淵。

    ワインとトリュフの濃厚さかと思いきや、夜気に冷やされた絹のような感触。

    身体を全て相手に解かれ、眼の底や骨の髄まで感じ合う時間は、見る者にとっては異様ともとれますが、此れ程のまぼろしは愛の極致だと思います。

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著者プロフィール

ウィリアム・トマス・ハリス三世(William Thomas Harris III)
1940年テネシー州ジャクソン生まれ、テキサス州ウェイコのベイラー大学(Baylor University)卒業。地方紙記者を経てAP通信社でレポーター兼編集者に。この期間中の知見が小説の機縁となる。
著作は現在5作。映画化もされた『ブラック・サンデー』をはじめ、「ハンニバル・レクター」シリーズの『レッド・ドラゴン』、ブラム・ストーカー賞を獲得した『羊たちの沈黙』に、『ハンニバル』、『ハンニバル・ライジング』。

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