羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)

  • 新潮社
3.77
  • (59)
  • (103)
  • (84)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 1349
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102167083

作品紹介・あらすじ

獲物の皮を剥ぐことから"バッファロウ・ビル"と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁する。要員不足に悩まされるFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生クラリス・スターリング。彼女は捜査に助言を得るべく、患者を次々に殺害して精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが-。1980年代末からサスペンス/スリラーの潮流を支配する"悪の金字塔"。新訳。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「まるでハンニバル・レクターだな」
    と、他の警察モノでセリフに出てくるくらい有名な本

    被害者の皮を剥ぐ「バッファロウ・ビル」と呼ばれる連続殺人鬼を追うクラリスと、豊富な知識と洞察で捜査を手助けする。"人喰い"ハンニバル・レクター博士、2人の駆け引きによって捜査が進んでいく。

    この本が売れた後「サイコキラーブーム」みたいなのが起きたらしい。当時のことはよくわからないけど、よく読むサスペンスモノの中にもサイコパスが出てくることも多く、それらの
    「元祖」のような感覚で読み始めてみる。

    …何というか、音楽で言うと(現代のサイコスリラー)「ゴリゴリのEDM」を聴いたあとすぐに
    昔の硬めのテクノを聴いたような…
    現代では無いし、電話がない時代ほど古くもなくパソコンではない通信手段等、今はなき廃れてしまった技術が登場する古臭さはあるものの気まわしや熟練された手法を駆使して乗り切ってるので、読んでるうちに気にならなくなって来た。

    読み始めてすぐ
    「バレンタインまで一週間」と書かれていて戦慄(2月5日だった…近い)

    …そして
    全体的に緊張感100
    ユーモア0…

    この緊張感がなんなのか
    だんだんわかってきたんだけど、それについては下巻にて…

  • 獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性殺人犯。犯人を捕まえられずにいたFBIは、訓練生クラリスに白羽の矢を立てた。助言を得るために彼女が面会したのは、患者殺しで拘禁されているハンニバル・レクター医学博士で──。

    作品を読んだことがなくても、ハンニバルという名前は知っている方も多いはず。それほどまでにサスペンス界に多大な影響を与えた存在。圧倒的な知識と洞察力。狼の如く感情すらかぎ分ける嗅覚。人の闇を見通す底無しの瞳。その悪のカリスマと対面し、情報を引き出さなくてはいけない緊張感!

    差し出す言葉一つ間違えたら死ぬ。それほどまでに恐ろしく、だからこそ魅力にあふれた存在でもある。骨まで凍てつく閉塞的な監房を自在に羽ばたく思考。彼はクラリスの過去と引き換えに、手がかりを差し出す。まるでクラリスというサナギを繭から孵すかのように。生まれるものは蝶か蛾か。

    面会の中で示されるヒント。その一方で、バッファロウ・ビルは犯行を重ねていく。クラリスは自分を抜擢したクロフォードとともに事件を追う。大胆不敵な犯人の痕跡を辿る中で、絡み合う人同士の駆け引きとしがらみが邪魔をする。人間の面の皮をひっくり返した裏側まで読み切らなければ、この事件は解けないのだ。再読ながら、初読は遥か昔なので新鮮に読めている。万人には勧めがたいが、すさまじい作品。

  • 有名な小説なので読んでみた。
    踊る大捜査線のキョンキョンはこれがモデルだったのかと思った。

    訳したものは読みづらくて頭に入ってきにくいけど、ストーリーが面白いから読めた。

    感想の下書きを誤って削除してしまいやる気が出ないのでここまで。

  • 大まかな内容は私でも理解出来たし、面白い!
    しかし!クラリスもレクター博士もクロフォードも頭が良すぎて絶妙な駆け引きとか言葉の意味とか細かいところに理解が及ばなかった!
    クラリス頭の回転早すぎだろ( ˙-˙ )
    また、話の舞台がFBIなだけあってアメリカの行政に関する専門的?な言葉が多いように感じた。もう少し私に知識があればね、、、
    ストーリーの本筋はやはり面白くてさすがに映画化されてるだけあるなという感じ。ホラーとかグロイ系の映像が受け付けない人間なので今回は小説で読みました。下巻も読みたい!

    ネタバレ部分⚠️
    性転換手術希望者にテストを課すのは未だに行われているのかな?小説上のフィクションなのか?少し腑に落ちなかった部分です。

  • やっぱり、おもしろい

  • 感想は下巻に記載

  • めちゃくちゃ面白かった。クラリスの聡明さが冴える一方で、彼女の制御されてる内面についても垣間見えて、それが人間味としていい描写だったと思います。レクター博士やクロフォード、マップなどの賢い人たちに助けられる一方で、チルトンみたいにプライドが悪い方に行ってしまう人もいて、群像劇としても面白い。少しずつ何が起きているかが読者に明かされる展開も、ハラハラしててとても楽しめました。

  • 監獄に行くシーン、アツい。

  •  今ならジェフリー・ディーヴァーの亜流かというところだけど、もちろんこっちの方がずっと古く本家本元で、映画化されてアカデミー賞も受賞したくらい有名な作品。連続猟奇殺人犯を追うFBIの上司クロフォードと部下というか訓練生のクラリスのペア。ここいらもリンカーン・ライムとアメリア・サックスを思い出させる。しかし本書の恐るべきは、もうひとつの悪であるハンニバル・レクター博士の存在だ。重罪監獄に囚われながら、抜群の頭脳と洞察力で情報提供し、事件捜査を手玉に取る。というよりこの作品はレクターを主人公とする連作のひとつという位置づけであり、そのレクター博士は事件解決と前後して巧妙に脱獄してしまうので、大きな物語としてはまだまだ続いてゆくことになる。本書は若いクラリスの活躍が読みどころだが、結末が意外性はあるもののややあっけないのがちょっと残念。

  • 専門用語についての記載が多く、イマーゴゥという語を知った。中学生の頃に教科書で読んだエーミールの話はこのイメージで書かれたのかなと思った。

    心理学用語辞典を買いたくなった。

全58件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ウィリアム・トマス・ハリス三世(William Thomas Harris III)
1940年テネシー州ジャクソン生まれ、テキサス州ウェイコのベイラー大学(Baylor University)卒業。地方紙記者を経てAP通信社でレポーター兼編集者に。この期間中の知見が小説の機縁となる。
著作は現在5作。映画化もされた『ブラック・サンデー』をはじめ、「ハンニバル・レクター」シリーズの『レッド・ドラゴン』、ブラム・ストーカー賞を獲得した『羊たちの沈黙』に、『ハンニバル』、『ハンニバル・ライジング』。

トマス・ハリスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×