羊たちの沈黙(上) (新潮文庫)

  • 新潮社
3.77
  • (59)
  • (103)
  • (84)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 1351
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102167083

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性殺人犯。犯人を捕まえられずにいたFBIは、訓練生クラリスに白羽の矢を立てた。助言を得るために彼女が面会したのは、患者殺しで拘禁されているハンニバル・レクター医学博士で──。

    作品を読んだことがなくても、ハンニバルという名前は知っている方も多いはず。それほどまでにサスペンス界に多大な影響を与えた存在。圧倒的な知識と洞察力。狼の如く感情すらかぎ分ける嗅覚。人の闇を見通す底無しの瞳。その悪のカリスマと対面し、情報を引き出さなくてはいけない緊張感!

    差し出す言葉一つ間違えたら死ぬ。それほどまでに恐ろしく、だからこそ魅力にあふれた存在でもある。骨まで凍てつく閉塞的な監房を自在に羽ばたく思考。彼はクラリスの過去と引き換えに、手がかりを差し出す。まるでクラリスというサナギを繭から孵すかのように。生まれるものは蝶か蛾か。

    面会の中で示されるヒント。その一方で、バッファロウ・ビルは犯行を重ねていく。クラリスは自分を抜擢したクロフォードとともに事件を追う。大胆不敵な犯人の痕跡を辿る中で、絡み合う人同士の駆け引きとしがらみが邪魔をする。人間の面の皮をひっくり返した裏側まで読み切らなければ、この事件は解けないのだ。再読ながら、初読は遥か昔なので新鮮に読めている。万人には勧めがたいが、すさまじい作品。

  • 有名な小説なので読んでみた。
    踊る大捜査線のキョンキョンはこれがモデルだったのかと思った。

    訳したものは読みづらくて頭に入ってきにくいけど、ストーリーが面白いから読めた。

    感想の下書きを誤って削除してしまいやる気が出ないのでここまで。

  • 専門用語についての記載が多く、イマーゴゥという語を知った。中学生の頃に教科書で読んだエーミールの話はこのイメージで書かれたのかなと思った。

    心理学用語辞典を買いたくなった。

  •  みんなのアイドルレクター博士が活躍する作品。
     昔読んだ時も、羊たちの沈黙→レッドドラゴンの流れで読んだ気がする。ハンニバルも読んだのか、今の時点では若干うろ覚え。
     羊たちの沈黙は映画も見た。なので脳内で映像再生余裕である。

     昔の記憶よりも、クラリスが気丈でしたたか。
     そしてレクター博士が不気味過ぎる。やだ怖いこんなサイコパス。犯罪者でも人気者だなんてすごい。

     主軸となる事件よりも、レクター博士とクラリスのやりとりにはらはらする。いやクラリス自体に揺らぎがあり、彼女が誰かとやりとりするだけではらはらするのかも。いろんな意味で魅力的なヒロインだ。

  • 2023/3/19読了(再読)
    『羊たちの沈黙』ファーストコンタクトは、原作小説ではなく、映画版の方。亡き淀川長治先生が司会していた『日曜洋画劇場』枠で、であった。故にレクター博士のイメージは完全にアンソニー・ホプキンスで固定。許せ、マッツ・ミケルセン……。
    赦しを乞うなら、住野よる『君の膵臓をたべたい』のタイトルを聞いた時、一瞬だけ〈レクター〉シリーズの最新作だと思ったのもそうかな……。

  • アンソニー・ホプキンスさんのレクター博士のイメージはあるのだけど、お話の内容は全然覚えていないので再読。
    FBI訓練生のクラリスさんの成長が、連続殺人の被害者たちののどに押し込められた蛾の繭のイメージとリンクする感じ。
    今の自分から脱皮することは簡単ではないし、場合によっては脱皮の途中で死んでしまうほど危険なことでもあるけれど、やはり生物にとって物理的だろうが精神的だろうが「脱皮」は成長のために必要であり、潜在的な願望でもあるのだろうな。

  • 再読のはずなのにドキドキする。レクター博士とクラリス・スターリングのやり取りはウィル・グレアム(レッド・ドラゴン)に対してと同様に二人の共通点を探っているのではないかと思わせるところが怖い。早く下巻を読みたい。

  • 映画のポスターがとても印象的だったのでタイトルだけは知っていたのですが、あの「ハンニバル」が登場する作品だったとは…!

    前半からグッと引き込まれて一気に読破してしまうタイプのミステリーです、もう続きが気になること気になること…
    ストーリーも尋常じゃないほど作り込まれていて、作者の方凄い…!と開いた口が塞がらなかったです

    ここから下巻でどうなっていくのか…とても楽しみです
    下巻まで読了後に映画の方も鑑賞できればと思っています

  • 映画は見てない。

    「ハンニバル」のほうになると作者のハリスおじさんの個人的嗜好がかなりすけて見えてくるのだが、羊たちの沈黙単体ではすごく出来の良い、良質なミステリーだと思う。

    2017年の時点で初めてこの本を読むと、さほど新しみは感じない(プロファイルとか、囚われの犯罪者との探り合いとか)けれど、出版当初は斬新で、その後の多くのシリーズの下敷きになったことがよくわかる。

  • 映画は見たことあるけど、原作を読むのは初めてー。
    やっぱり面白い!
    『レッドドラゴン』も好きだったけど、これも違った感じで好き。
    一気に読める。

    だいたい映画は原作を越えられないんだけど、
    このハンニバル•レクターの威圧感とオーラみたいなものは、映画のアンソニー•ホプキンスの方が小説のキャラよりも遥かに怖い。
    やっぱりオスカー取るだけあるなー。

    下巻も楽しみ。

著者プロフィール

ウィリアム・トマス・ハリス三世(William Thomas Harris III)
1940年テネシー州ジャクソン生まれ、テキサス州ウェイコのベイラー大学(Baylor University)卒業。地方紙記者を経てAP通信社でレポーター兼編集者に。この期間中の知見が小説の機縁となる。
著作は現在5作。映画化もされた『ブラック・サンデー』をはじめ、「ハンニバル・レクター」シリーズの『レッド・ドラゴン』、ブラム・ストーカー賞を獲得した『羊たちの沈黙』に、『ハンニバル』、『ハンニバル・ライジング』。

トマス・ハリスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×