チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

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制作 : Tom Rob Smith  田口 俊樹 
  • 新潮社 (2008年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102169322

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • OH MY GOD!!! This was so cool!!!

    すっごーーーい面白かった。もう、映画を観てるような感覚で読めた。
    スケールの大きさ、話の展開、心理描写、社会背景、政治的背景、家族、夫婦、兄弟、姉妹、裏切り。。。。。
    いろんなことが凝縮されてて、衝撃的で刺激的。

    レオが本当の自分を名乗るまで、まったく気づかなかった。
    弟が絡んでくるなんて、予想もしなかった。
    レオがカンフル打たれたシーンを読んだときに、レオが本当の自分を名乗ってから、「え?え?え?何?うっそ~~。」って上巻読み返し、「ぎゃ~~~~!!」ってなり、この著者は只者じゃないな~と唸ってしまった。


    あ~~~、なんて本なの~~!!
    すっごい本、読んじゃったな。という感じ。
    私のベスト3に入れたい。

  • 最初「カビの胞子みたいなのがついた変な地図~」としか思ってなかったのが、殺人事件の現場都市だと結構後の方で気づいて「わー!!」ってなった。何にも書いてなかったのは不親切というかお楽しみなんだろうなこれ。あと自白剤の「お前の名前は?」の所でも「えーっ!???」って。でも上巻でステパン親爺が嫁を切り捨てろって断言しちゃったのに違和感あったのが、ああこの男がそうだったんだ~と思うと何か納得。一応手紙には葛藤があったみたいなんだけど。

    下巻は上巻でばら撒かれてた断片を縫い合わせてアクション映画みたいな逃走劇。ただ派手な割にオチというか犯人との邂逅や、妻との恋愛感情の再生が説得力に欠けたのが残念。もっと会話と心理描写が要るよ。暗黒時代のライーサはよかったのに。抑えるのと不足するのは全然違うよ。

    そして姪っ子ナージャの動向が微妙に気になる書き方。
    続き物にしたいのだったら、強制収容所脱走からの~って感じの、裏切りにねじ曲がった新たなモンスター誕生になるんだろうか。
    続編って大体第一作より落ちるしな。でもこれデビュー作だし、不自由な社会で奮闘する刑事レオの葛藤と家族愛みたいなのは見てみたい気もするし。どうしようやっぱり読まない後悔より読んで後悔だろうか。

  • 上巻において出落ちと思われた冒頭のシーン。
    これこそが作者が読者に仕掛けた叙述トリックだったのかと後半で驚愕。
    ソ連で40人以上の少年少女を殺し、ケースに入った状態で出廷したアンドレイ=チカチーロ。
    彼のトラウマの一つに幼いころ兄が殺されて食べられたと聞かされ育ったことというのはwikiでも調べればわかる。
    つまり、この話はソ連の体制が生んだ惨劇を中の人が解決していく話なのかと思いきや、主人公の心のうつりかわり、家族の再生の物語らしいと解釈したら、実は……ネタバレなので、ここでストップ。
    あの出落ちはサスペンスマニアの多くが知っているあの事件を想起させるためのミスディレクションだった。
    むしろ、それがなければもっと早い段階でつながりに気付いた。
    下巻はライーサの壮絶な過去。おおよその見当はついていたが、男たちにも言い分はあるだろうが女子供、特に美しい女は普通の時ならともかく、法が守られない場所ではこういった目にあわされる。
    つい先日も正義を掲げる国の軍隊が子供たちに何をやったか明らかにされ、世界の批判を浴びている。
    その中でライーサがレオに対して恋心を告白するシーンは救いのひとつだ。
    信じることがお互いにできなかった夫婦が相棒、そして恋人になっていく。
    彼女はレオに対して愛を抱いたことはない、と上巻で告げるが、それは誰に対しても同じだったのではないかと思う。
    この二人が最後家族を作っていく決心を示すシーンに、ここまで頑張って読み続けてきてよかったと思った。

    しかし、ヤンデレな男二人に熱愛執着される主人公っていったい。

  • さすがー!ほんっと最後まで気が抜けなかった。これだけ閉塞感を保ちながらハラハラさせるミステリってなかなかないんじゃないのかなー。しかも実際の事件を元にしてるとかー。

    先が見えないミステリであり、苦しくなるくらい鮮明に国家を描いた社会の話でもあり、夫婦がお互いの存在を確かめ合う話でもあり。苦しい描写がうまくて読むのしんどかったけど、翻訳も個人的には好きだったし、すごかった。これで新人って!気力と体力があるときにまた他の作品読みたいです。

  • おー見事に伏線回収!!
    ていうか、現ロシアでも発禁書扱いなの?!
    そこが怖いんですけど…。

    この本と並行して、偶然「卵をめぐる祖父の戦争」も読んでいたので、なんだかソヴィエトめいた12月であった…。ウクライナの大飢饉(ホロドモール)とレニングラード包囲戦、なんて悲惨な歴史だろう。

  • レオとライーサのアクション?が見所。推理は順調に進むのだが、犯人を追いかけるためには逃げ続けなければならない二人。走っている列車から降りたり、川の中を歩いたり、トラックの下に隠れたり。ドキドキしながら楽しめた。しかしそこには上巻のようなリアリティも感動もなく、ご都合主義ともいえる展開になっている。特に列車や逃げ込んだ村でのエピソードは、主役だけ弾に当たらないハリウッド映画のようだった。正直になれば助けてもらえるんだったら、なぜミハイルはブロツキーを一度は殺そうとしたのかと思わざるをえない。ミハイルの葛藤、正しいと思う友人さえも裏切らざるをえない社会こそがこの小説の出発点ではなかったのだろうか。

  • 面白かった!最後が意外にあっさり。

  • 下巻中盤以降は、ちょいとご都合主義が過ぎるかな、という気もするのですが、にょっきり801展開が顔を出したので、まあいいか、みたいな。

  • いつも寝しなに(ほぼ明け方に)読むので吐き気がしながらだましだまし読む、というね

    解決巻ですが
    うーーん、どうなんだろう
    スターリン体制下のソ連を舞台にしたのは面白かったと思うんだが
    児童連続殺人事件が、ミステリというほど謎が広がらなかったよね?ヒント→提示っていう形じゃなく、ネステロフさんがあっというまに答え持ってきたんですが
    しかもそこからの逃亡劇はちょっとあれだろ、レオ回復早すぎだし皆親切すぎるだろ(小説のテンポとしては正解かもしれないけど)
    列車で見逃してくれたのはまあいいにしても、村人が一人も通報しないで無事たどり着くとか ねーよ・・・と思う
    それから、レオとライーサの心の動きが全然書けてないんじゃないか?特にライーサ。ラスト付近になって愛を確かめられても、ライーサさんは上巻であんなに夫をバカにしてたわけで信じられない。
    ワシーリーとアンドレイはお兄ちゃんのこと好きすぎるよね。という以外に何を言えばいいんだ

    まあちょっと悶えたけど・・・ワシーリーは悪すぎて上巻から「こいつたぶんレオのこと好きなんだよ・・・たぶんな・・・」と思い込もうとしていたので当たって驚き
    ワシーリーにとってのレオは絶対手が届かない場所にいる、それゆえに憎らしくて羨ましい存在だったわけで
    自分なんかが壊そうとしても壊れてはいけなかったわけで
    複雑な感情だったんだな と思いました
    ライーサさんを見せしめで殺すことはできても、こいつはレオを撃てたんだかどうだか
    ていうかやっぱりアンドレイに割く部分少なすぎるだろ常識的に考えて
    あいつちょっとしか台詞喋ってないし台詞の九割くらいが「兄さん」だったよ
    こいつの行動論理がまったく理解できないし同調できないし、勿体無いなあと思う
    話としては先が気になってぐいぐい読ませるのに、その読みやすさが心理描写をほとんど一切排したものになってしまっているという

    最後レオが何だかんだで国民警察に戻るのもどうかと思いました^^
    殺人捜査だから人を弾圧したりしないんだよ生まれ変わったんだよ ってそりゃあ無理がねえか?
    まあ・・・面白かったといえば面白かったかな?暇つぶしには

  • 今年の「このミス」海外部門1位でずーっと気になってたもの。なんと実話が基になっているというから驚き。
    旧ソ連体制下における、虐げられる人々と、国家のため無実の人をも捕まえてきた男のストーリー。”フーダニット”ではなく、”ホワイダニット”のミステリ。
    しかしミステリよりも、ソ連体制下の状況を書くことが目的だったのではないかと。それくらいド真ん中にくるのは政治的影響の恐ろしさ。共産主義…いいと思ってたのに。
    むしろ肝心の”ホワイ”の部分はちょい納得いかんくらいだしね。なんで44人なんだろうっていうのも…。
    いや、しかし上下巻の長さをまるで感じさせないリーダビリティの高さ含めて、十分満足の2冊やった!

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チャイルド44 下巻 (新潮文庫)の作品紹介

少年少女が際限なく殺されてゆく。どの遺体にも共通の"しるし"を残して-。知的障害者、窃盗犯、レイプ犯と、国家から不要と断じられた者たちがそれぞれの容疑者として捕縛され、いとも簡単に処刑される。国家の威信とは?組織の規律とは?個人の尊厳とは?そして家族の絆とは?葛藤を封じ込め、愛する者たちのすべてを危険にさらしながら、レオは真犯人に肉迫してゆく。CWA賞受賞。

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