エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫)

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制作 : Tom Rob Smith  田口 俊樹 
  • 新潮社 (2011年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102169360

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エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • レオ3部作の最終章。
    スターリン体制下からアフガニスタン戦争までの長い時代背景で、途中で物語が途切れるせいか前2作と比べるとスピード感が無い。
    たしかにソビエト連邦の共産主義がサスペンスの重要な要素ではあったけど、今回はあまりにも政治色が強すぎる。
    最後も痛快な復讐劇を期待したが、やっぱりこれしかないかと無難な幕切れ。
    大河ドラマにしないで徹底的にエンターテインメントにこだわって欲しかった。

  • 先の読めないストーリー展開。重厚なテーマ。人間に対する深い造詣。読み始めたらやめられない、ハラハラドキドキのスリル。魅力にあふれた登場人物達。どれをとっても近年読んだ中で秀逸。何よりその驚愕の生い立ち、大戦の英雄から冷徹な秘密警察の捜査官、殺人課の捜査官…何度も死線をくぐり抜け、両極端な立場を行きつ戻りつしながらも、一本筋の通った信念を持つ主人公レオ・デミドフの造形が素晴らしい。これで完結なのが実に惜しい。

  • ソ連国家保安局の捜査官、レオ・デミドフを主人公とした3部作の完結編。1作目の「チャイルド44」の時代背景はスターリン体制の末期、次の「グラーグ57」はフルシチョフによるスターリン批判、そして今回はキューバ危機からアフガニスタン侵攻における米ソ対立を背景にしています。
    幼児連続殺人、収容所脱出、そして完結編では、ニューヨークで起きた殺人事件を扱っていますが、本シリーズの重要なテーマは、個人の存在が全く無視される共産主義制度の中で、如何に家族を守って行くかです。

    前作と同様、非常に濃密かつ重いミステリー。スパイ小説、冒険小説として娯楽性の高い小説であり、殆ど一気読みでした。
    お勧めのシリーズ。もちろん、「チャイルド44」から読むのがマストです。読め、読め、読めの★★★★★。

  • 全編通じて辛い話で、何度もページをめくる手が止まりそうなんだけど、田口さんの訳の力か、どんどん読み進められちゃう。これからレオの運命はどうなるの?アンナの雇い主だったレストラン店主のその後に驚き。嘘だらけの公式発表を鵜呑みにせず、真実を見据える目を持つ人はいつの時代にもいるのだ。

  • 上巻から外れた感じの主人公レオ。
    怒涛の展開に時間も飛んで、
    舞台はアフガン。アフガン!?

    これまでの様に息もつかせぬ展開と云う流れと
    少し趣向が変わった気がしました。
    緩慢な程の、レオの心情描写。
    ライーサ、ああライーサ。それが中心かな。
    アヘン中毒から抜け出してからの後半の
    スピード展開が無ければ、
    辛くて読めませんでした…。

    最後はハッピーエンドでは決してないけれども、
    やっとこの巻、最後の一行でレオは
    レオ自身の気持ちを救う事が出来たのだなと
    思わざるを得ない…
    出なければ本当に辛い。

  • 3部作ということで、ここで完結。

    1作目がサスペンスとか息苦しさ、2作目が活劇だとしたら、3作目はひたすら魂の彷徨。
    喪失と哀切の物語。

    大祖国戦争から粛清時代を経てアフガン戦争まで。
    思えば長い時代に渡っての物語で、ついにはアメリカにも行って、随分遠くへ来たものだと思ったけれど、最後は祖国の家族の側で終わる。
    レオの人生、波乱万丈すぎよの…

  • レオ・デミドフの3部作完結編。

    元KGB捜査官のレオ・デミドフとその家族の物語。

    舞台は、ニューヨーク、アフガニスタン。
    共産主義も反共産主義にも、どちらにも肩入れせず、妻ライーサへの不器用で切実な愛みたいなものを軸に展開。
    アフガニスタン編が正直長すぎたけど、展開が素晴らしい。


    『レオを破滅寸前に追い込んだのがそうした野心だ。より良い世界を夢見るというのはそれ自体危険なことだ。』

    ソビエト、共産主義と秘密警察、アメリカ、アフガニスタン侵攻、空気感を鮮明に感じさせるテクニックの上に、レオの見つけた純愛を悲しく描いた三部作。
    とても悲しい話だが、読まずにはいられない話だった。

  • レオはニューヨークで、妻ライーサの殺害された真実を暴いていく。妻が殺害されてから16年が経過していた。漸く、その真相を探し求めるレオの前に浮かび上がる「エージェント6」。そして、衝撃の真相、さらに娘達への愛のために取った行動に涙を禁じ得なかった。

  • 本好きで知られる故・児玉清さんが高く評価されていた「チャイルド44」の続編。3部作の後編・完結編となる上下巻です。
    1作目2作目の時点で最悪の事態はさんざん起きてしまい、それに追い打ちをかけるように今作上巻で悲劇に見舞われる主人公・レオ。彼自身の身から出たサビ的な部分もあるとはいえ、それは時代にほんろうされたからであり、彼が下巻までに陥る状況はあまりに悲惨。最悪の悲劇ののち、1980年、ニューヨーク行きの野望を断たれたレオは、ソ連軍の侵攻したカブールで、設立間もないアフガニスタン秘密警察の教官という職に甘んじながらアヘンに溺れる無為な日々を送る。そんな時、訓練生ナラを伴ったある捜査で彼女とともにムジャヒディン・ゲリラに囚われるが…。
    全てが手遅れになってしまった世界で苦悩し続けながらも、憎悪や狂気に身をゆだねず、最後までほんのかすかな希望にしがみつきながら前進するレオ、超カッコイイです。彼のたどり着いた先に、今度こそ、ほんのささやかでもいいから本当の幸せがあらんことを願ってやみません。なんてヘビー級な3部作。圧巻!

  • 非常に面白かった。

    サスペンスなのでど具体的には書かないけど、展開がダイナミックで、その一方で心情は細やかで、中々味わい深い作品だった。

  • チャイルド44、グラーグ57、そしてエージェント6の連作を読み終えた。壮大で壮絶なレオの生き様に息苦しく、ライーサへの愛も一途で、救われない、悲しい物語。そして家族愛、祖国愛。凄惨なシーンが多く辛い内容だったけど、愛がテーマだったんだろうなって今になって気づく。

    旧ソビエトの暗黒の時代、アメリカとの冷戦、スパイ、人種問題と歴史的背景も相当な説得力だから、物語もおのずと説得力が増す。
    ぐいぐい引き込まれた。読後は方針して、どの本を読んでも物足りなくなりそうだ。
    この作家の作品にはまりそうだ。

  • 壮大なる実験でもあった理想国家ソ連の闇を照射する傑作シリーズ完結編。

    三部作其々が喪失と再生を主題にしているが、本作では遂に主人公レオが最愛の人まで失う。絶望と退廃の中で行き場なき怒りが暗流を漂い、復讐と呼ぶにはあまりにもやるせない本懐を遂げた後、娘二人との最後の再会をもって、レオはささやかな幸福に包まれ退場していくのだが、これまでの怒涛の道程を知る読者にとっては感慨深く、重い余韻を残す。極限的状況下で踏み躙られていく人間の尊厳のために真っ当な正義を貫くことは、必然的に愛する家族を危険に晒すことに繋がっていく。その凄まじいまでの憤りが一人の男にどの様に影響し、人生を変えていくのかを、アメリカ、アフガニスタンと主要な舞台を変えつつ描き切る。当然の如くソ連は自壊したが、トム・ロブ・スミスが本シリーズで主題としたテーマは不変である。

  • レオへの許しと救いは最後の最後の1ページ。こうして読んでみると、正義ってなんだろう、自分の信じるところは本当に正しいのだろうかと揺らいでくる。アメリカも全くの正義ではなく。ロシアも、ムスリムの全くの正義ではない。

  • (上巻より続く)

    下巻はうって変わって、また予想外の展開に。
    一応、レオは娘二人をなんとか育て上げたようだが、
    その後、アフガニスタンでアヘン漬けとは。

    事件の真相を追及するはずと期待して読み進めても、
    どんどん話は違う方向へ転がり続ける。
    それでいて、アフガニスタンの少女を助けたところで、
    ジェッタコースターの最高点に立った予感で肝が冷えた。
    ここから、錐もみ回転しながら急降下なのかと。

    しかしながら、時間的空間的飛躍があって、
    ストンストンと階段を降りるようにニューヨークへ、
    事件の真相にたどり着いてしまった感じを受けた。
    残念ながら。

    この作品で三部作が終わりらしいが、
    やはり一番面白かったのは一作目の「チャイルド44」だろう。

  • 2015年6月読了。★3つ

  • レオの長く哀しい旅が終わってしまった。本当にお疲れさまでした。 読み終わった後の余韻にしばし浸りました。

  • こういう終わりか。
    救われたはずだろうに足にかされた重りが重くて仕方ない。

  • 故郷というものの不選択制。帰りたい場所がただひとつしかないという遣る瀬無さ。

  • 下巻はなぜか舞台はソ連侵攻下のアフガニスタン。
    レオは越境の罪を問われて死刑になるところを辛くものがれて、アフガニスタンでの軍務につく責めを負う。
    アフガニスタンで妻ライーサの幻影を負いながら、アヘン中毒者に身をやつしていた。
    そんな日々の中で彼は優秀な教え子の一人が反対勢力に襲われるのをきっかけに大きな危機とチャンスの中に放り込まれる。
    そして遂に悲願のアメリカ入りを果たし・・・

    最後は彼の最期の直前で締めくくられる。

    前作までと違い、カバーの写真が上下で違うのが不思議に思いましたが、納得です。

    アクション長編作としては秀逸の本作でした。
    チャイルド44・グラーグ57・エージェント6に続くレオ捜査官シリーズは日本人では決して想像できないであろう旧ソ連の暗黒時代から近代までの暗黒面を舞台に描かれています。
    日常に刺激がほしいアクション好きには是非オススメ

  • 3部作の完結編。めまぐるしく変わる時間軸と場所。なかなか面白い

  •  トム・ロブ・スミスは、すごい。『チャイルド44』『グラーグ57』に続いて本書『エージェント6』の三作だけで世界を席巻した作家である。冷戦下のソヴィエト、主人公は秘密警察捜査官レオ・デミトフ。一作、一作を完結して読むことができる。全部接続して読めば、冒険小説界において他の追随を許さない波乱万丈な生涯を読み取ることができる。三作を通して通ずるメインテーマは、妻ライーサとの出会い・恋愛・結婚であり、二人の間にできた子供たちとの家族作りである。

     家族を営むのに、彼のような職業であれば、それは命懸けということを意味する。裏切りと政変により、命がいくつあっても足りないような粛清の嵐のさなかにありながら、国の運命を決するような最前線で仕事を続けねばならぬ彼の毎日は、自己矛盾に苛まれつつも組織の中で生き残るための死闘と言ってもいい非日常性でしかなかった。すべての作品を通じて通底するテーマは、家族への愛に尽きる物語だった。

     本書はその三部作の完結編である。実は上巻だけでも、一冊の大作のようにまたもスケールの大きな物語である。捜査官時代に知人となったジェシー・オースティンという左派であり黒人である歌手の暗殺の気配がする中、友好使節団の団員として参加する妻子たちの身に待ち受ける波乱の運命。背景に見え隠れする国家間の謀略。

     上巻で起こった事件の解決をすることだけを望むレオだったが、渡米を禁じられるばかりか、下巻では、アフガニスタン紛争の渦中、アフガン秘密警察教官として、過去の経験を買われ出動。FBIの思惑とソヴィエトの参入により、揺れ動く世界を背景にして、最大のクライマックスに突入する物語のスケールたるや、もはや新人作家とも言えぬ巨匠の顔さえ見せるトム・ロブ・スミスの豪腕と、恵まれた感受性、繊細さが奏でる協奏曲が乾いた台地に響き渡る。

     ネタに触れたくないので、その苛烈な下巻の内容を語ることはしたくないが、ラストのラストまで裏切りとどんでん返しに満ちた謀略の深さと、時代の影を暗躍する悪の論理に、愛と生存を賭けたレオという個がどこまで立ち向かえるか、手に汗握る展開はこれまで通り。絶体絶命のピンチをスコールのように浴びながら生き延び、勝ち残ってゆく彼の最後のサバイバル魂にまさに乾杯と言いたい巨篇がここに幕を閉じる。

  • 1304 どこまでも報われないレオの話もついに完結。歴史背景に合わせて最後まで暗い暗い暗い。。

  • レオ三部作、やっと読了。3作目は何だか大河ドラマ的だった。チャイルド44は圧巻で、グラーグ57はライーサもっとレオを分かってやって…!!とひたすら思っていた記憶。本作を読んで、レオ一家にも心穏やかな幸せな時があったのだな…と分かってほっとした。だから余計にレオが痛々しかったなぁ。どうか娘たちと幸せな人生を送れますように、と思わずにいられなかった。

  • ソ連という国家の記憶がない。
    国家思想が個人を弾圧する当時を想像しながら読んだ。

    前作までそれは、小説の舞台で、面白さをかき立てる設定でしかなかった。いわば娯楽物語の味付けのように考えていた。例えば、許されない仇敵同士の恋愛とか、地球外生命体が支配される世界とか。

    しかし、完結まで読み終えた時、ようやく管理社会の恐ろしさ、救いのなさを感じることができた。まったくおそ過ぎる実感だけれど、とても意味のある感覚だと思う。娘のために、裏切ったロシアに帰国したレオが希望を持つ自分を戒める様子は読んでいて辛かった。ほんの少しの希望すら自由に思えないこと。それが本当に辛かった。

    家族への、妻への、切実な愛をかかえて慟哭し、転げ回った主人公がどうしても幸せになれるところが想像できない。定番の決して死なないタフな主人公にここまで希望を持たせない世界を書き上げたこの3部作。
    傑作だ。

  • レオ、怒りのアフガン

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1980年、ニューヨーク行きの野望を断たれたレオは、ソ連軍の侵攻したカブールで、設立間もないアフガニスタン秘密警察の教官という職に甘んじている。アヘンに溺れる無為な日々がつづくが、訓練生ナラを伴ったある捜査で彼女とともにムジャヒディン・ゲリラに囚われてしまう。ここにいたって、レオは捨て身の賭けに出た。惜しみない愛を貫く男は何を奪われ、何を与えられるのか?-。

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