エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102169360

作品紹介・あらすじ

1980年、ニューヨーク行きの野望を断たれたレオは、ソ連軍の侵攻したカブールで、設立間もないアフガニスタン秘密警察の教官という職に甘んじている。アヘンに溺れる無為な日々がつづくが、訓練生ナラを伴ったある捜査で彼女とともにムジャヒディン・ゲリラに囚われてしまう。ここにいたって、レオは捨て身の賭けに出た。惜しみない愛を貫く男は何を奪われ、何を与えられるのか?-。

感想・レビュー・書評

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  • 騙されるな!
    ハッピーエンドじゃないぞ!

    噛み砕いて
    受け止めるには時間のかかる物語だった思う
    兎にも角にもソ連の元国家保安省捜査官レオ・デミトフの物語は終わりを迎えました

    レオ・デミトフが残したものは何だったのか?

    愛することと憎むことは紙一重ということだったのか?

    許されるためには許すことが必要ということだったのか?

    「国家」とは愛する対象にはなり得ないということだったのか?

    それにしても最後の最後まで苦難の連続でした
    リストに載ったという理由だけで、人の命を体制に引き渡し続けたというレオの罪は結局許されずに終わりを迎えたんだと思います
    全てを悔いて、愛に人生を捧げたとしても
    許してはいけないことだったのだと思います

    現実の世界に目を向けると、今ロシアで、その他の世界の地域で許されざる罪が繰り返されています
    後で悔いることもなく

    今、それを許していけないことは分かります
    未来永劫許してはいけないことだと思います
    でもどこかで許さなければ終わりが来ないようにも思うのです

    いったいどうしたらいいのか?

    それを考え続けることこそ、レオ・デミトフが残したものなのかもしれません

    • 1Q84O1さん
      今回はなんだかカッコイイ系のレビューですね( ・`ω・´)
      今回はなんだかカッコイイ系のレビューですね( ・`ω・´)
      2023/08/19
    • ひまわりめろんさん
      カッコいい系しか書けません
      芸がなくて申し訳ないです
      土瓶さんもカッコいいって言ってたしσ(゚∀゚ )オレ
      カッコいい系しか書けません
      芸がなくて申し訳ないです
      土瓶さんもカッコいいって言ってたしσ(゚∀゚ )オレ
      2023/08/19
    • 1Q84O1さん
      確かに今回はカッコイイです!
      認めます!
      今回は!
      今回だけは!
      いつもは…(・。・;
      確かに今回はカッコイイです!
      認めます!
      今回は!
      今回だけは!
      いつもは…(・。・;
      2023/08/20
  • 三部作の完結編。
    時代も舞台も移り変わり、今作はアメリカとアフガニスタンで物語が繰り広げられる。
    時代が変わっても共産主義国の恐ろしさは変わらない。
    そして、相変わらず主人公は過酷すぎる人生を歩んでいる。
    事件の真相はもう少し捻りがあっても面白いかなとは思ったが、ラストは涙が出た。
    三部作通して素晴らしかった。

  • 下巻はアフガニスタンから始まり、全然アメリカへ行けそうもない。丁度、ニュースでアフガニスタンから脱出したい人たちが空港に押し寄せているなんていうのを聞くことのあった頃に読み始めたので、読みながらテンションが上がりました。本とニュースの両方を興味深く感じることが出来ました。女性も幸せに暮らせる世界になってほしいです。

  • いきなりのアフガニスタン。あの衝撃的な事件はどうなったの、と気になりつつも、レオの様子から上巻を受け入れざるを得ない。それはそれとして、ソ連とはまた違うアフガニスタンという国については知らないことも多くて、すぐに引き込まれた。
    特に村に入ったところからはページを繰る手が止まらなかった。ライーサと出会って築き上げた信念はそのままで、もしかしてアメリカに行けるのかも、いやでもそんな上手くはいかないかも、と期待と不安が交互にやってくる。
    それにしてもレオの人生の激動といったらもう。事件を追いかけなかったら、とつい考えてしまいそうになる。だけどライーサへの愛が本当に純粋だったのだと感じるから、この後のことがどうであれ、レオにはこれ以外なかったんだろうと思った。

  • 楽しめましたが、事件の真相…。レオにもっと報いのある結末にして欲しかった

  • 【上下巻のレビュー】
    レオに平穏は訪れるのか?

    激動の東側世界を生き抜いてきたレオ。ようやく手に入れた平安にまた衝撃の展開が!真実を探るべくレオの前に様々な障害が立ちはだかる。アフガン侵攻も絡め、波乱の冒険が続く。ラストシーンは感涙。本シリーズは一旦完結するが、次作に益々期待が高まる。

  • 読んでよかった。3部作といわず、続きがあれば良いのに。。。(T.T)

  • エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫)

  • レオ・ドミドフ三部作完結です。『チャイルド44』>『グラーグ57』>『エージェント6』一作目を凌ぐこと敵わず!

  • 読了。

    感想が難しい。
    一部では秘密警察であるレオを畏怖し、軽蔑さえしていたライーサと、二部ではお互いに信頼の置ける関係になっていたのに。
    彼女が死ななくてはならなかった衝撃が大きくて、アフガニスタンとソヴィエトの衝突部分が味気なく感じてしまった。

    相変わらずのレオの不死身度合い。
    アヘン漬けになって、ナラとザビと出会って、ライーサを良き思い出にして新たな出発をすれば良かったのに、と思う。
    ただ、ゾーヤとエレナを案じてモスクワに戻る彼が、ライーサの元に帰ってきたというのも、分からなくないな、と感じた。

    三部作を経て、レオに、どんな生き方が許されていたのか、考えてしまう。
    命令であり、唯一の生存方法であったとしても、一度他人を貶めるような非道を行なった者には、安息の地はないということだろうか。
    それとも、その中で得た、ライーサやゾーヤ、エレナ達への愛こそが、彼が地獄を見てまで生きる価値であったということか。

    寂しい。

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著者プロフィール

1979年、ロンドン生れ。2001年、ケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業。在学当時から映画・TVドラマの脚本を手がける。処女小説『チャイルド44』は刊行1年前から世界的注目を浴びたのち、2008年度CWA賞最優秀スパイ・冒険・スリラー賞をはじめ数々の賞を受ける。

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