暴虐の奔流を止めろ 上巻 (新潮文庫 カ 5-22)

著者 : クライブ・カッスラー 中山善之

• 新潮社 (1998年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[milletyさんの感想 · 2019年4月19日]

前作で絶対絶命のピンチを乗り越え、ダイアモンド王の陰謀をたたきつぶしたものの、メーブを失い、心身ともに疲弊しきったダークピットをゆっくり休ませて回復させて欲しいという願いも空しく、なんと静養先で犯罪組織の悪事に気づき、中国人犯罪組織からおぞましい不幸に見舞われた不法入国者を救出し、黒幕の海運王チン・シャンと対決するという
、今回も期待を裏切らない限界ギリギリのハラハラドキドキ展開。

アメリカでの豊かな生活を夢見て、不法入国を図るため、莫大な料金を支払、中国を旅だった大量の移民がたどるおぞましい悲劇はフィクションとは思えない恐ろしさ。

冒頭に描かれた伏線となるプリンセス・ドゥ・ワン号の下巻での登場が待ち遠しい。

[teshiigogoさんの感想 · 2013年8月10日]

どうもﾀﾞｰｸﾋﾟｯﾄは、災いと遭遇するらしい。
前作のダイアモンド市場をつぶして億万長者になろうとする悪党を懲らしめて、ゆっくり静養していると思ったらその静養先で中国からの不法入国組織とその先の合衆国を分割までを企む集団との暗闘に巻き込まれる。

カッスラーはサスペンス書きとしては一流で読者の期待を決してうらぎらない。

本作では、別シリーズの主人公となるカブリーヨとの邂逅もあり盛りだくさんで読者を飽きさせない。

[マタンさんの感想 · 2012年8月10日]

基本的に私はアクション・スパイ小説は
読むのが苦手なほうに入ります。
スリルを感じさせるために無駄な性表現を
加えてくださる(!)からなのです。
ムードが大事な気持ちは分かるのですが…

この作品はロマンスはありますが
露骨なところがないのが好感をもてます。
もっともそれはピットの女性のあしらい方が
不器用なのもあるのですが…
あくまでもお酒優先ですから(笑)
それとタダ飲食。

凄腕のピットに立ちはだかるは
中国のいわくありげな男。
金に物言わせピットを抹消しようと
てぐすね引いて待っています。
どうなる!?ピット!!

著者プロフィール

クライブ・カッスラー
テレビ業界から作家に転身、1973年に架空の組織NUMA（国立海中海洋機関）に所属する特殊任務官を主人公とする『海中密輸ルートを探れ』で作家デビュー。同主人公の活躍を描くダーク・ピット・シリーズのほか、幾多のシリーズを送り出し、作品は世界的ベストセラーとなっている。印税をもとに実際にNUMAを設立し、多くの沈没船や行方不明船の発見にも尽力した。2020年死去。

「2023年 『地獄の焼き討ち船を撃沈せよ！（下）』 で使われていた紹介文から引用しています。」