若き詩人への手紙・若き女性への手紙 (新潮文庫)

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著者 : リルケ
制作 : 高安 国世 
  • 新潮社 (1953年1月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (113ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102175019

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若き詩人への手紙・若き女性への手紙 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 表現や創作活動で迷ったときに、リルケの言葉の一つ一つがずしりと響く本です。

    リルケは本当に孤高の人で人生を達観しているというか、
    絶対に妥協しない自分に厳しい人です。
    だからこそ助言を求めてきた2人の若者に対し、
    全身全霊の踏み込んだ表現で信念を書きつらねながらも、
    表現すること、生きることへの厳しさを正直に独白します。
    どちらの手紙も本当に人間愛に満ちていました。

    ”書くことを止められたら、死ななければならないかどうか”
    創作活動を続けるかどうかの判断基準をリルケはこう書いてますが、
    本当に重い言葉だなと思います。
    仕事、生き方についてここまで意識したことはありませんでした。

    リルケは孤独であること、困難であることにもとても肯定的でした。
    自らの内をみつめ、悩みぬいてこそ、本物の作品は生まれてないこないのかもしれないと考えさせられます。
    人の評価など気にしていてはダメなんだな、自分が良いと思ったことを信じて突き進もうと思わされます。

    訳者が書いていた通りこれだけの助言をもらいながらも、
    カプスが大衆迎合のジャーナリズムに身を置いてしまったというのは人生一筋縄では行かないところです。

    表現がかなり哲学的なので、
    一度読んだだけではかなり難解に感じた部分が多かったです。
    特に「女性への手紙」は先に訳者の後書きを先に読んでおくと良いでしょう。

  • 彼の言葉はエメラルドグリーンの湖の様に穏やか。
    「気づかない方が楽」に生きることができるけど
    「気づき、受けとめて生きる」ことを教えてくれる。

  • 若い詩を書く男性と、若い女性にリルケが送った手紙をまとめたもの。
    文通なのに、リルケから出した手紙しか載っていないので文脈が分かりにくい。
    男性へ送った手紙には詩論がほぼ冒頭にだけ載っていた。
    「必然から生れる時に、芸術作品はよい」とし、自らの内に入ることで
    素直に出てくるものだから、芸術家は孤独なのだとリルケは考える。
    だからこそ、芸術作品に批評やジャーナリズムを求めることは無駄だともする。
    この「孤独」にリルケはとてもこだわるのだが、それを自分の部屋から
    高い山頂に突然移されるような不安と、すべてのものから無限に遠くなる
    感覚のようなものというたとえはとても分かりやすかった。
    他にも、イロニーは創造力があるときにだけ使える生をとらえるひとつの道具とか
    自分の詩をちがう筆跡で、つまり他人のもののように読むのも大切だという
    考え方も書かれていて、そこは面白かったのだが
    それ以外は精神的な悩みにリルケが答える形になっていて、その悩みを持っていない
    わたしからすると、すべてがピンとこなくて、ただ目が滑るばかりの一冊だった。

  • リルケ。
    読んでみたいけど、と思う方は、解説にもあるように、やはり人柄がよくわかるこの本がよいように思った。
    優しい愛情に満ちた言葉から得るものはとても大きいと思う。
    偉大なる詩人に倣おう。

  • 静かに、真摯に、切々と語りかけるリルケの言葉のひとつひとつが胸に響く。
    若き詩人フランツ・カプスや若き女性リーザ・ハイゼに向けられた手紙であるが、リルケの繊細な感性と鋭い洞察力に裏づけられた言葉は、普遍性をもった言葉として訴えかけてくる。
    凡百の自己啓発書など足下にも及ばない、本当の言葉だけが持つ力がこの作品にはある。
    孤独や困難に打ちのめされそうなとき、進むべき道を迷ったときなどに手に取りたい一冊。

  • やっていることがひと段落ついた。心を浄化したいので、実学的な本はお休みして、たんなる読書。

    リルケはマルテの手記で打ち震えるほど興奮した。リルケの文章はどうしてこうもドキドキさせられるんだろう?

    若き詩人への手紙と、若き女性への手紙。
    「若き詩人」は、フランツ・クサーファ・カプスという名前。1903年から1908年の文通。
    「若き女性」は、ハイゼという名前。1919年から1924年まで。

    どちらかというと、若き詩人への手紙のほうが面白かった。リルケの文章は、冒頭でノックアウトされて、そのまま読み続けてしまう。「私は書かなければならないか」「芸術作品は無限に孤独なものであって、批評によってほど、これに達することの不可能なことはありません」「細部においてすべては法則となります」「あなたに近い人々が遠く思われる、とあなたは言われますが、それこそあなたの周囲が広くなり始めたことを示すもの」「あなたの孤独が、非常に馴染めないきょうぐうにおいてもあなたの拠り所となり、故郷となるでしょう」「社会とだけ独立した軽い関係わ、結ぼうと努められても、結局この圧迫するような感情は味わわずには済まないものでしょう。」「本当に神を持っている者が、まるで小石でも失うように神を失うことができようなどとお信じになれますか。」「自分の作品を他人の筆跡で読み直して見ること」「一人はもう一人のために自らを失い、またその相手を失い、まだこれからこようとする多くの人々を失ってしまう」「共通した頼りなさから行動します。」「ソネット」「悲しい時には、孤独でいること、注意深くあることが、非常に大切なのです」「あまり自分自身を観察しすぎてはいけません」「名前というものには気をつけなければいけません」「人生は正しいのです、どんな場合にも」


    若き女性への手紙は、ドイツの情勢を感じられる一説が面白かった。歴史資料として使えそう。
    リルケのドイツ観。

  • 映画「天使にラブソングを2」でウーピーゴールドバーグが演じる修道女が歌手への夢を親に反対された少女に薦めていた.一度,読んで見たいと思っていた一冊.若き詩人の苦悩に対し,リルケからの誠実な助言.大きな慈愛と深い共感.また時間が出来たら読み返してみようと思う.

  • 若き詩人が授業中に隠れてリルケの詩集を読んでいたら教師にばれてしまうものの、実はリルケもその教師の教え子だったことが発覚するという導入部の話には心暖められる。リルケはこの手紙で孤独や愛、苦しみといった困難なものに対する向き合い方に対して誠実に答えようとしており、その真摯な言葉が様々な縁の結果として自分にまで届いてきたことを思うと不思議な感じだ。この本の価値は、他人に送ったり受け取ったりした時にこそ発揮されるものなのかもしれない。人を繋げる手紙という風習が薄れても、本はまだ人を繋げることが出来るのだから。

  • 自分に向けて書かれたのかと錯覚するくらい、普遍的な内容だった。

  • 天使にラブソングを2のDVD(LD)で、
    リルケの若き詩人への手紙の一節の引用がでてきました。

    若い人が、芸術への道を進むかどうか悩んだときに、
    読むのと役に立つことがわかりました。

    芸術家になる人への、一つの教訓を示しています。
    「自分が作家だと思うこと」が大事とのこと。

    この本を読んで、ピンと来なければ、
    DVDの天使にラブソングを2を見てみてください。

  • 読み返す度に確認と新たな発見が出来る本。
    いまは孤独についての言及が特に心に残った。

  • 何度でもここに帰ってきたい。

  • 銀色夏生さんの著書に触発されて一読。

    これは何度も何度も読み返して損はない一冊だとおもう。
    大切なのは忍耐力、そして辛いときにもその辛さを超えた所にある自分を想像すること。辛さは辛さではなく自分を創る肥し。

  • 一つの芸術作品に接するのに、批評的言辞をもってするほど不当なことはありません。それは必ずや、多かれ少なかれえっこうな誤解に終るだけのことです。物事はすべてそんなに容易に摑めるものでも言えるものでもありません、ともすれば世人はそのように思い込ませたがるものですけれど。たいていの出来事は口に出して言えないものです、全然言葉などの踏み込んだことのない領域で行われるものです。それにまた芸術作品ほど言語に絶したものはありません、それは秘密に満ちた存在で、その生命は、過ぎ去る我々の生命のそばにあって、永続するものなのです。

    p15
    自らの内へおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深くさぐって下さい。それがあなたの心の最も深い所に根を張っているかどうかをしらべてごらんなさい。もしもあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、自分自身に告白して下さい。何よりもまず、あなたの夜の最もしずかな時刻に、自分自身に尋ねてごらんなさい。私は書かなければならないかと。深い答えを求めて自己の内へ内へと掘り下げてごらんなさい。

    それから今度は自然に近づいてください。それから人類の最初の人間であるかのように、あなたが見、体験し、愛し、また失う物を言うように努めてごらんなさい。

    p16
    もしあなたの日常が貧しく思われるならば、その日常を非難してはなりません、あなた自身をこそ非難なさい。あなたがまだ本当の詩人でないために、日常の富を呼び寄せることができないのだと 自らに言いきかせることです。というのは、創作するものにとっては貧困というものはなく貧しい取るに足らぬ場所というものもないからです。

    p25
    月満ちるまで持ちこたえ、それから生む、これがすべてです。すべての印象、すべての感情の萌芽は、全く自己自身の内部で、幽暗の境で、名状しがたいところで、無意識のうちに、自己の悟性の到達し得ないところで、安全に発育させるようにし、深い謙虚さと忍耐とをもってあらたな明澄さの生れ出るのを待ち受ける、これのみが芸術家の生活と呼ばれるものです、理解においても創作においても。

    p31
    性は苦しいものです。そうなのです。しかし私たちに課せられたものは苦しいものなのです。ほとんどすべての真面目なものは苦しいものなのです。そしてすべては真面目なのです。もしあなたがこのことを認められて、自分から、あなた御自身の素質や本性から、あなたご自身の経験や、幼年時代や、力から、全く独自な、性に対する関係をかちとられるようになれば、あなたはもう自分を失うことを恐れる必要はなく、あなたの最上の所有に自分がふさわしくなくなるなどと恐れることはありません。

    p36
    あなたが差当たり一つの職業に就かれることはいいことです、それはあなたをひとりだちにし、あなたをあらゆる意味において完全に自己に頼らせることになりますから。あなたの内部生命がこの職業の形式によって制約を感じるかどうかを、辛抱強く持って見て下さい。私は職業というものは大へん苦しく、大へんうるさく人に要求してくるものだと思います。それは巨大な因襲を背負っていて、その課題に対する個人の見解などをほとんど容れる余地を持っていないからです。しかしあなたの孤独が、非常になじめない境遇においてもあなたの拠り所となり、故郷となるでしょう。そこからこそあなたはあなたのすべての道を見いだされることでしょう。私のすべての祈願は喜んであなたに付き添うつもりでいますし、私の信頼はあなたと共にあります。

    p41
    偉大さを持たない孤独とは何ものであろうか、と。孤独はただ一つあるきりで、それは偉大で、容易にない得られないものです。そしてほとんどすべての人にとって、その孤独をできるものならなんらかの、どんなに月並みな安... 続きを読む

  • フランス文学の授業でたまたま名前を耳にして、なんとなく手に取った一冊。
    わたしにとって手放せない一冊になりました。
    辛いときに読み返してはしおりをはさみ、また途中から読んでいます。

    思い悩んでいる友人がいたら、この本を薦めたいと思っています。
    こんなに真摯な手紙は見たことがありません。

  • 深い。
    ただ、考えさせられる。

  • 僕が高校生の頃からの愛読書 とても短い詩人の手紙

  • リルケの詩を愛する人だけでなく、認識力の深い人間になりたいと望む人は読んでおいて損はないと思う。
    時間を越えてリルケの魂にふれよう。

  • ひとり、蝋燭の灯りで真夜中に読んでみましょう。あなたの魂の声が聞こえてきます。

  •  若き女性への手紙に、1923年のドイツの同時代批評が書かれていました。作者が同時代の事実・真実を書き、それを後代の人々に正確な事実・真実だと了解させるのは、作者が批評方面の才能が在るかどうかの一つの試金石だと思います。象徴的な意味での「土地」について、作者の考えが書かれていました。僕には良く分からないのですが、「土地」が人に影響を与えるらしい。ということは「土地」によって人の質が変わるのでしょうか?  

     「私はできるだけあなたにお願いしておきたいのです、あなたの心の中の未解決のものすべてに対して忍耐をもたれることを」 若き詩人への手紙全体の内容の核心は、この言葉に在ると思います。問いを生きる・自分の内面と向き合う・向き合い続けた先に人それぞれの宝庫がある。おそらく長くて孤独な道だと思いますが、作者の言葉を借りれば「芸術作品の中に凝集して現れる、あの無尽蔵の慰藉の宝庫」を視るには、この道を歩き続けるのが一番良い方法だと思います。
     

  • ところどころいい言葉がある

    自らの内へお入りなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深く探ってください。それがあなたの心の最も深いところに根を張っているかどうかを調べてください。もしもあなたが書くことを止められたなら、死ななければならないかどうか、自分自身い告白してください。何よりもまず、あなたの夜の最も静かな時刻に、自分自身に尋ねてご覧なさい。私は書かなければならないか、と。深い答えを求めて自己の内へうちへと掘り下げてご覧なさい。そしてこの答えが肯定的であるならば、あなたが力強い単純な一語、「私は書かねばならぬ」を持って、あの真剣な問いに答えることができるならば、その時はあなたの障害をこの必然に打ち立てなさい。あなたの生涯はどんなに無関係に無意味に見える寸秒に至るまで、すべてこの衝迫の象徴となり。証明とならなければなりません。それから今度は自然に近づいてみてください。それから人類の最初の人間であるかのように、あなたが見て、体験し、愛し、また失うものを言うように努めてごらんなさい。恋愛詩を書かないようにしてください。月並みな形式を避けてください。

    一般的なモチーフを避けてあなたご自身の日常があなたに提供するモチーフへと逃れてください。あなたの悲しみや願いや、過ぎ行く思いや、何か一つの美に対する進行などを描いてください。それらすべてを熱烈な、静かな、謙虚な誠実さを持って描いてください。そして自らを表現するために、あなたの身の回りの事物をあなたの夢の中の姿を、あなたの追憶の対象を用いてください。もしあなたの日常があなたに貧しく思われるならば、その日常を非難してはなりません。あなたご自身を非難なさい。あなたがまだ本当の詩人でないために、日常の富を呼び寄せることができないのだと自らに言い聞かせるのです。

    あなたはその詩の中にあなたの心ゆく自然な所有を、あなたの生命の一片、あなたの生命の声を見られるだろう。必然から生まれる時に芸術作品は良いのです。こう言う期限のあり方の中にこそ、芸術作品に対する判断はあるのであって、それ以外の判断は存在しない。創造するものはそれ自身一つの世界でなくてはならないからです。

  • リルケの文章は美しいですね。

  • ◆きっかけ
    『立原道造詩集』のAmazonレビューで2005年に「リルケを読んだことが彼をすみやかに老成させたのか、」と書いている人がいて気になって。2016/08/12

  • リルケ独特の、神聖さを思わせる世界の捉え方と生き方が
    全ての人間のためになるとはいえない。けれども
    真面目な作業に疲れている人にとっては、こういった詩的な文章は心を安らかにしてくれるはず。

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