奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

  • 682人登録
  • 3.99評価
    • (57)
    • (54)
    • (43)
    • (8)
    • (0)
  • 81レビュー
制作 : Jill Bolte Taylor  竹内 薫 
  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102180211

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 脳科学者の著者が脳卒中で左脳を損傷してしまった時の体験、その回復までの貴重な記録。

    何年か前に著者のスピーチをYouTubeで観て衝撃を受けたことがあって、右脳の能力についてもっと知りたかったので、本も書いてると知ってすぐ購入。

    さすが脳科学者だけあって、自分の脳に起きてることを客観的に科学的に記録してくれている。
    左脳が機能しなくなって右脳だけになった彼女が体験した世界はほんと衝撃的だ。
    宇宙とひとつになって深い安らぎを経験したことには、ほんと驚いた!

    右脳と左脳の機能の違い、私たち人間の成り立ちetc 目からウロコの情報がいっぱいすぎて書ききれない。

    ぜひより多くの人に読んでみてほしい!!!

  • すごい体験が語られている本。
    TEDというプレゼンサイトでこの著者のプレゼンの様子を見たが、この本で語られているような状態から、あそこまで回復したのかと思うと信じられない。
    脳卒中後の著者が周りの人の反応(ゆっくり話を聞かない、追い立てる、面倒そうに切り上げる)をどのように感じていたかを読んで、病気や障害で流暢に話ができない人は、本当はこんな風に感じているんじゃないかと思った。今まで、そういう人に対峙したとき、こっちが辛くなってしまって、話を切り上げたりしてしまったように思って、反省した。
    外から見える状態と中で感じている状態はまったく違うんだな、と。脳の働きの不思議さももちろん面白かったんだけど、個人的には、そこがいちばん印象に残った。

  • 著者は脳科学者であり、それも学会を代表するような非常に優秀な脳科学者であった。しかし、突然、朝、左脳に異変を感じ、脳梗塞になり、言語等失ってしまった。しかし、そこは脳科学者であった。左脳が損傷を受けていることを自分の内から認識し、右脳を駆使しつつ、左脳の回復、というより、左脳と右脳を結ぶシナプスの再構築を行っていく、リハビリの中で、自分がどう考えてきたかをつづっている。
    そこでは、理性等を司る左脳が当面使えなかったので、非常に心が落ち着いていたという。怒りや妬み、自尊心などをそこまで感じず、右脳という直感を司る脳だけで、非常に幸せな時間を過ごせたともいう。回復はしたいが、できれば、そのような余分な左脳の機能は回復せずにおけないだろうか、とも考えたようだ。

    本書は、脳梗塞を起こした人を支える人に読んでもらいたい。というのも、脳梗塞をした人は、どのように感じ、生きているかをかなり具体的に記載しているからだ。大きな声でしゃべらないで、ゆっくりしゃべって、十分な睡眠をさせて、など。

    でも、作者は、非常に有能な学者であったためか、本書の端々に、自分はえらいんだ、というような書きぶりが垣間見える。もう少し、謙虚な人物であったなら、私ももう少し素直にこの本を読めただろう。ということで星2つ。中身はよい。

  • 最初に書くけれど、私の評価は装丁や訳も込みでの評価だ。
    もちろん中身が大きいけれど。

    すごく読みやすいし、
    きっと筆者のジル・ボルト・テイラーは素敵な人なんだと思う。
    けれども、
    まず脳梗塞時の気持ちの文章がひらがなだらけなのが読者に媚びてる感じがして嫌。
    最近の文庫は字が大きくて嫌いなんだけど(文庫感がないしページ数が嵩む、重くなる)、
    もちろんこれも例外じゃない(字の大きさがひらがなの媚びてる感を増幅)。
    純粋に中身のことで言えば、
    脳梗塞の下りが、
    ちょっと冗長かなー。

    端的に言うと、
    もう少し読者の知力を信じていい。
    若しくは、
    私が期待していたより設定読者を広く取っていた。
    という感じ。

    なのでこの本自体が悪いとかそういうわけではないと思う(冗長部分を除いて)。
    貴重な体験の話だし、
    興味深く、価値観も素晴らしいと思う。
    養老孟司さんが後書きで書いているように、
    人間の脳に特別な興味がない人にも楽しめると思う。

    それでも、
    中身をもうちょっと圧縮すればもっと良かったんじゃないかなー、
    と思うことを止められない。
    本との関係にも相性というものがある、
    といういい例かもしれない。

    あと本の評価とはちょっと違うが、
    瀕死の患者に同意書のサインを求めるという話は知っていたが、
    やっぱり事実なんだ…、と驚愕。
    訴訟の国アメリカ、私が住むにはタフ過ぎる国。

  • 本書に先駆けて、TEDで、ジル・ボルト・テイラーの講演を聞いた。実際の脳の標本を手に語る彼女は新進気鋭の脳科学者でありながら、若くして既に脳卒中を経験した人であったが、とてもそうは見えない。むしろ、専門家が自らの経験を、実験のよき進め手として、冷静にその経過を見守っているようだ。それは凄いことに違いない。

    本書は、ジルの言葉や内容にすっかり心を奪われるが、それは、この訳書を仕上げるために翻訳を十分に検討されたことに拠るところが大きい。巻末の解説はinformativeで参考になる。

  • 脳科学者として充実した日々を送っていた著者が、脳卒中から回復するまでの記録。とても面白い本でした。
    脳卒中に襲われた朝の記述はとてつもない臨場感があって、読んでいてドキドキしました。脳卒中になっても脳のいっさいの機能が損なわれるわけではなく、何もかも分からなくなるわけではないんだと改めて気づかされるとともに、そこから病院で治療を受け、徐々に回復へと向かう道のりをここまで克明に文章にできる著者の強さと聡明さに感動しました。
    著者は左脳に損傷を受けたため、回復するまでは圧倒的に右脳が脳の機能を支配したようですが、そのさまを表した文章が素晴らしい。
    「かみさま、どうか、わたしのいのちをおわらせないで」と祈ったかと思うと「自分が生き延びたことに激しい失望を感じていたのでした」と葛藤する様子や、「肉体の境界を感じることができず、(中略)わたしは、自分が『流れている』ように感じました」という表現はとても文学的。
    そして「あらゆるエネルギーが一緒に混ざり合っているように見えたのです。」「わたしはこの粒々になった光景が、まるで印象派の点描画のようだと感じました」というような表現は映像的で、字を追わせながら強く視覚に訴えてきます。
    とにかく引き込まれるようにして読みました。
    私たちの日常は、右脳と左脳が絶妙なバランスを保っているからこそ普通に過ぎていくんだな、それってまさに奇跡的なことなのかも、と思ったし、自分の感情の手綱は自分で握る、というのも心がけたいと感じました。
    『回復のためのオススメ』の章の『最も必要だった四十のこと』を読むと、脳梗塞で倒れた母もこんな気持ちでいたのかな、と考えさせられます。子どもにものを教える人間として教訓にしたいと思うことも。
    非常に得るものの大きかった本でした。

  • 脳科学者が脳卒中になり、そこから回復していくまでの過程を書いた内容。
    自分の体験をもとにしているだけに説得力があった。
    後半のスピリチュアルな観点からの部分は、私の個人的な興味からは逸脱していたが、実際に脳卒中になってから~回復に向かうまでの脳やからだの感じ方を書いた部分がとても興味深かった。

  • TEDの講演でも話してた「悟りの境地」(ニルヴァーナ)についての解説が興味深い。レイキ、風水、鍼灸や瞑想になぜ「効果がある」のか、またそれが訓練可能であることについても、境界線上で語っている。

  • これほど興味深い本もそう無い。脳卒中になって徐々に喪われていく能力の実況、そこからの驚異的な恢復、そしてその後に得た感情をコントロールする能力と心の平穏。心のありようで世界が変わるという認識は目新しくはない。しかしこの圧倒的な説得力よ。

  • 文句なしに面白い。脳のはたらきについて、これまで科学でキチンと説明してこなかったこと、つまり、脳の、心理学的、人格的なはたらきについて、平易なことばで存分に語ってくれています。一度死んだニューロンは再生しないけど、別の細胞がそれを補完しようとして新たなニューロンを作る仕組みだ、ということを、こんなにリアルに説明している本はないかも。

全81件中 1 - 10件を表示

ジル・ボルトテイラーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
冲方 丁
ジャレド・ダイア...
シーナ・アイエン...
デール カーネギ...
ジェイムズ・P・...
ヴィクトール・E...
宮部 みゆき
村上 春樹
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)に関連するまとめ

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)の作品紹介

脳科学者である「わたし」の脳が壊れてしまった-。ハーバード大学で脳神経科学の専門家として活躍していた彼女は37歳のある日、脳卒中に襲われる。幸い一命は取りとめたが脳の機能は著しく損傷、言語中枢や運動感覚にも大きな影響が…。以後8年に及ぶリハビリを経て復活を遂げた彼女は科学者として脳に何を発見し、どんな新たな気づきに到ったのか。驚異と感動のメモワール。

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)のハードカバー

ツイートする