サードマン: 奇跡の生還へ導く人 (新潮文庫)

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制作 : John Grigsby Geiger  伊豆原 弓 
  • 新潮社 (2014年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102184912

サードマン: 奇跡の生還へ導く人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 遭難等で生命の危機にある極限状況にいる当事者が、「絶対にいない筈の第三者」の<存在>を知覚して生還へと導かれる――サードマン現象。
    古代宗教から現代脳科学まで踏まえながらその現象を考察していて面白い。

  • 事例がてんこ盛りでちょっと飽きたのと、結局助かった人たちの話なので(こんなこと言ってはいけないが)思ったより凄みに欠ける。極限状態で生死の境目にいる人の前に現れる者と、病気で見る幻視や子ども時代の「友達」とが一緒っていうのは違和感を感じたが、一方で聖書や古代の物語に出てくる「奇跡や魔法や呪術」といった、”フィクション”でこれまで片付けていたものが、サードマン現象として説明できるというのは新鮮と思った。以下、心に残った遭難話。
    ・シャクルトンの話はこうしてコンパクトにまとめられたのを改めて読むと、やっぱり随一だと思う。あとT.S.エリオットの「荒地」の一篇のモデルになってるなんて!
    ・1913年のカナダ北極海探検家・民族誌学者のヴィルヤルマー・ステファンソンの探検。1人でとんずら。マッキンリーら20数人を置き去り。
    ・1912~13年、英探検家A.F.R.「サンディー」・ウォラストン、ニューギニアのウタクワ川を遡上しナッソー山脈を探検。帰路、多数の餓死死体を発見。
    ・1957年、オクスフォード大山岳部4人パーティがカラコルム山脈のハラモシュ登攀で遭難。最初ジロットとエメリーの2人が雪崩に巻き込まれて雪窪に落ちるが、上にいたストリーザとカルバートの2人が下の2人を救い出したあと逆転して雪窪に残されてしまう。最終的にエメリーとストリーザは助かって帰国した。これすさまじく壮絶。
    ところで参考文献の番号が振ってあるのだが、新潮社のサイトにあるというのはわかりにくいし、さっき見に行ったら既になかったんですけど(怒)。
    もう1つ、サードマンを見てなくて悔しがる角幡唯介さんの解説が超面白い!

  • 人間が極限状態に追い込まれると、もう一人の誰かがいるという強烈な感覚を持つらしい。想像通り、けっきょくは脳のスイッチが押されることによる明確な幻覚(矛盾してるが)。しかし、人間の可能性の広さに驚く。まだまだ人間というのは拡張できる生き物のようだ。サードマン、感じてみたい。ただ、感じられるような凄まじい状況には追い込まれたくはないので感じなくてもいいか思う。

  • 別名は守護天使。ま、守護神と考えてよかろう。文庫本の改題は誤解を与える。「サードマン」が存在となっているためだ。飽くまでも「サードマン現象」と考えることが望ましい。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/10/blog-post_94.html

  • 極限状態に置かれた人のそばに一緒につつ、助言を与える存在であるサードマン。まだサードマンの存在を感じるほど厳しい自然環境にいた経験が当然のようにありませんが、その自分以外の存在というのは感じることがありますね。本書を読むまでは、普通に頭の中での間違った認識のせいだと思っていましたが、この現象を説明できる日が来るのかな、と思ったり。

  • 角幡唯介のあとがきが笑えて興味深い。
    本文中でドーキンスに触れているが、ドーキンス先生はそんな馬鹿なことを言ったわけではないと思う。証拠はないけど。

  • 危機的な状況に陥った人たちだけが遭遇する「サードマン現象」について検証した作品。

    サードマンは登山家や航海者が遭難した場面に多く現れるらしい。登山家のラインホルト・メスナーや、南極横断に挑戦したアーネスト・シャクルトンなど、多くの著名人も経験している。また過去の事例をもとに脳科学の視点から、このサードマン現象の謎を解明しようとするアプローチも興味深かい。

    仲間の死や極寒の地での食糧不足など、複数の強いストレスが引き金になることが多いようだが、共通しているのはサードマンが具体的な助言をしてくれたり、そっと寄り添って励ましてくれるところだ。実際サードマンのアドバイスにより無事生還した人も少なくない。

    おそらく自分はこの先、サードマンに助けられるような場所に行くことは無いと思うが、もしその場面に遭遇したならば、サードマン出現のスイッチとなる「生き延びるというシンプルな信念」だけは持っていたい。

  • 遭難という極限状態から生還した人達のうち、少なくない人数が、生還の過程で感じた「もう一人」について、生還者の発言をひきながら、その原因に迫ろうとする。

    そういう内容だとは全く知らなかった。

    たまたま、山田太一の「遠くの声をさがして」を読んで、二重身のことを知ったり、オリヴァー・サックスの「妻を帽子と間違えた男」を読んで神経学をかじったりしていたので、原因がオカルト的なものではないのだろうと想像していたけど、改めて、人間の脳には驚かざるをえない。

    この本が、サードマンを脳が作り出したものと結論づけているかどうかはわかりません。

  • 極地や高山、ジャングル、深海、宇宙、そして9.11などの極限状態において、事故や遭難に遭い生命の危険にさらされた時に、生存への手助けをする存在が現れ、励ましたり見守ったりすることで遭難者が救われるということがあるという。これをサードマン現象と呼び、体験者のある者は神や精霊だといい、ある者は亡くなった家族や友人を感じたという。何れにしてもサードマン現象を経験した人は全員「生存者」なので、どんな困難な状況であっても生きて帰るんだという意志を持ち続けた人である。現象の真相は分からないけど、意志の強さが大切ということが印象に残った。

  • 人が極限状態に陥ったとき、傍らに現れて生還へと導く、あるいは自分自身を含めて状況を俯瞰的に観る視点を感じるという「サードマン」現象の事例と、それが何であるのか、なぜ起こるのかという推論が紹介されているが、これが答えだということではなく、このような説があるというもの。
    それならば、この本の内容とは異なるが、「サードマン」の存在に気づくのは極限状態だけれど、それは日常的に機能しているという説もあってよいと感じるし、その方が守護霊的な機能として相応しいように感じられる。私見としては、自分自身や自分のこれまでの人生で関わってきた人々(親族、友人、メンターなど)への想いやイメージが潜在意識の中で、それぞれの人格をなしており、それは常に自分自身の一部として関わってくれており、「サードマン」現象とは、それを存在として意識した状況のように感じられた。
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サードマン: 奇跡の生還へ導く人 (新潮文庫)の作品紹介

遭難や漂流、宇宙空間、災害現場などで危機的状況に陥った者の傍らに突然、「何者か」が現れて、生還へと導く――。この不思議な第三者に命を救われたという話は少なくない。冒険家のシャクルトンや登山家のメスナー、飛行士のリンドバーグほか有名無名を問わず数多くの事例を紹介し、脳科学や精神医学、宗教学の研究成果も踏まえて、多面的にその正体に迫る、異色ノンフィクション。『奇跡の生還へ導く人』改題。

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